羊蹄山 真狩コース ガイド登山
 
羊蹄山 最高ピーク
羊蹄山 最高ピーク

2013年9月13日(金)〜17日(火)
 メンバー:赤坂さん夫妻、阿部さん、小橋さん、小田中 智
 コース:羊蹄山自然公園〜真狩コース〜羊蹄山避難小屋〜外輪〜右回り岩場〜羊蹄山〜一周〜外輪〜真狩コース
     〜自然公園

 羊蹄山避難小屋に泊まり夕日と朝日を見る企画であったが、メンバーが3名集まった時点で、もう1日延長して樽前山を登る計画となった。
 今まで県外の企画をしていたがメンバーが集まらず、これが今年初めてのツアーとなった。そして、お客様は最終的には4名の参加となった。
 避難小屋は管理人がおり、シュラフと毛布を貸出しているので持参する必要はない。水場は無いので炊事用として各自0.5L持参していただき、食料と炊事用具は私が背負い、食事は私が作ることにしたので、お客様の荷物は日帰り装備と着替え程度の重量である。
 北海道は紅葉が始まりかけているというので、始まりかけた紅葉も楽しみであり、夕日と朝日を見れるのは運しだいである。
 出発の直前の天気予報は行く日程すべてが天気が悪く、おまけに台風も接近中であった。山は行ってみないと分からなく、後は天気の回復を祈るのみであった。

13日(金)
 午前中から準備をして、食料と装備を詰め込むとザックの重量は17kgとなった。荷物を背負うのは6月以来なので、軟弱な膝が心配である。
 小橋さんと18時30分に盛岡I.Cで待ち合わせをし、赤坂さん、阿部さんの順で迎えに行き、盛岡I.Cで全員が合流して八戸港へと向かう。
 ナビに案内されながら港に着き、乗船手続きをする。JAFの割り引きが10%だったのはうれしい。車を乗船させて指定のルームに行く。女性はレディースルームをとったので別々である。
 まずはビールで乾杯し、深酒をしないで早めに休む。

14日(土) 曇りのち晴れ
 車を下船させると外は雨が降っていた。コンビニで買い物をして36号を走り、白老から276号を走るつもりであったが通り過ごしてしまったので、登別室蘭から高速道にのる。
 途中で激しい雨が降ってきたが、赤坂さんに運転を変わると小降りになってきた。虻田で高速道を降り230号に入り、真狩村から羊蹄山登山口である自然公園に着く。
 駐車場には大型バスと10台ほどの車が止まっていた。雨は上がっており、準備をしてゆっくりと歩き始める。登山道は雨でぬかるんでおり、杉林の樹林帯を緩やかな登りで歩いて行く。
 2ピッチを歩くと荷物にも慣れてきたが、1名が突然体調が悪くなった。心配したがしばらくすると治り、赤坂さんが彼女の荷物を背負って歩き出す。次の休憩時からは荷物を背負えるほどに回復していた。
  四合目を過ぎると下山する高校生たちに出会い、風が強いので五合目から下って来たと言う。さらに下ってくるパーティから聞くと、外輪は風速20m程の風があったという。
 道脇のナナカマドの実は真っ赤に色づき、笹や葉っぱの緑に対して赤い実の色はひときわ映えていた。五合目を過ぎると樹林の高さが低くなり、樹木が開けた所からは下の村が見え陽の光も射し込んでいる。天気は回復に向かっている様子である。
 登山道は常に山を右から巻き気味に登っているように感じられ、そんなに急な登りはない。八合目から左に回り込んで行くとガレ場となるが、ガスっているので展望はない。
 九合目は小屋への分岐で、山腹のトラバースで湿地帯となり、イワキキョウやリンドウが咲いていた。ここが花が咲き乱れると言うお花畑なのだろう。
 間もなく避難小屋に着いた。小屋はだいぶ古く、隣には小さい小屋が新築中であった。中に入るとストーブで暖かく、6名の先客がいた。
 小屋は大広間で、管理人から右奥のスペースを割り当てられた。シュラフと毛布を借り、荷物を整理してコーヒーを沸かす。熱いコーヒーは冷えた体をゆっくりと温めてくれた。
 窓から外を眺めるとやがて視界は開け、外に出ると外輪方面の赤くなり始めた紅葉が見え、上空には青空が見えていた。この分では夕日が期待できそうである。
 生ハムと野菜の前菜を摘みながら乾杯をする。水場がないのでビールを冷やせないため、ビールを飲めないのが残念である。
 日の入りは18時頃であるが、雲が高いため17時半過ぎには太陽が雲に沈んでいった。今朝になって急に天気予報が午後からの好天を告げたが、正直なところ、ここまで天気が回復するとは思わなかったため、思いがけない美しい夕日に感動した。
 東の空には月が傾き、幻想的な雰囲気をかもしだしている。このメンバーでここに来れ、一緒にこの素晴らしい光景を見れたことに感謝する。
 米は研がずに購入した袋に入れ茹で、すき焼きを作り本格的に飲み始める。食事が美味しいのか、夕日を見れたことの感動なのか、みんなの顔は素敵な笑顔である。いずれにしても喜んでもらえることは嬉しい限りである。
 明日の予報は雨ではあるが、朝日を期待して目覚ましを3時半にセットする。外に出てみると、星空とニセコ方向の夜景がとても綺麗だ。管理人さんはまだ外で話し込んでいた。
 明日も早いので早々にシュラフに潜るが、隣の方の速攻いびきに眠るタイミングを失なってしまう。ストーブのおかげで暑いくらいで、シュラフから出て眠ろうとするが2人の交互のいびきで寝付けなかった。夜半からだいぶ風が強くなっていた。

タイム:真狩登山口(9:20)→七合目(13:55)→避難小屋(15:05)


真狩コース登山口

五合目付近のダケカンバ
五合目付近のダケカンバ

七合目
七合目

八合目を過ぎたガレ場
八合目を過ぎたガレ場

真っ赤に色付いたナナカマドの実
真っ赤に色付いたナナカマドの実

お花畑に咲くリンドウ
お花畑に咲くリンドウ

羊蹄山避難小屋
羊蹄山避難小屋

小屋の前で記念写真
小屋の前で記念写真

上部の紅葉
上部の紅葉

雲に沈む夕日
雲に沈む夕日

夕日時に記念撮影
夕日時に記念撮影

夕日時に東側に傾く月
夕日時に東側に傾く月


15日(日) 雨
 目覚ましに起こされ外に出てみると、風とガスで天気が悪く、ハイマツは霜で白くなっていた。朝日はあきらめ目覚ましをセットし直して眠る。
 再び目覚ましに起こされ外に出てみると、霜は溶け暖かく湿った風が吹いていた。今朝のメニューは、生の日本そばとモチである。水が足りなくなり、食後のお茶は飲めないでしまった。
 カッパを着て身支度を整え出発する。九合目分岐に戻り外輪へと登って行くと、登るごとに風が強くなってきて40分程でザレ場の外輪に着いた。
 外輪を右回りで行くと、手前のピークが一番高いが三角点のある山頂は奥で、岩場を越えていかなければならない。2人の先行パーティは左回りで行ったようであるが、我々は岩場越えの右回りを選択する。
 間もなく1,898mピークに着くがケルンだけのピークであり、何故か山頂よりも高い。しだいに岩が出てくると風雨が強くなり、雷の音が聞こえてきて一瞬とまどう。
 思ったより山頂は遠く、ガスのため先方は見えない。岩の稜線を登り下りしていると先行パーティと出会い、山頂はすぐだと聞かされるが、すぐの割には遠い。岩場の頂点にやっと山頂の立札が見えた。
 握手を交わし写真を撮り、風があるので早々に立ち去る。岩場を戻るには時間がかかるため、外輪を一周して下山するルートにする。山頂からはザレ場の下りの稜線となり、下るごとに風は弱くなってきた。
 外輪から内輪に下ると湿地帯があり、花の最盛期には多くの花が咲くことであろう。外輪へ登っていくと、平坦地に昔の避難小屋跡があった。登る時の出口から来た道を下って行く。
 下っても雨は弱まらず、雨の中に登ってくる2人の単独行者とすれ違った。五合目まで下ると下の村が見えているが雨は止まず、登山靴にも雨が入り水が溜まってきた。
 外輪から4時間ほどかかり登山口に着くと、やっと雨は小降りになっていた。残念ながら羊蹄山の姿は望むことはできなかった。
 近くのまっかり温泉で汗を流し、露天風呂に入っていると突然、山頂部分だけ姿を現し雲に浮かんでいたがすぐに見えなくなってしまった。最後の最後で羊蹄山は挨拶をしてくれた。今度は、雪のある時期に訪れたいと思うのであった。
 道の駅で味噌ラーメンを食べ、虎杖浜温泉の「ホテルほくよう」へと向かう。ホテルの温泉に入りながら飲むビールは格別にうまい。
 明日の天気予報は雨で、台風の影響で風も強くなるので、残念ではあるが樽前登山は中止にして、観光に切り替えることにみんなの了解をえる。
 宴会場でご馳走を食べながら、昨日の夕日や山談義と楽しい時間はゆっくりと過ぎていった。部屋に戻ると昨夜の寝不足のせいか2次会をしないで眠った。

タイム:避難小屋(6:20)→外輪(7:10)→1,898mピーク(7:25)→羊蹄山(8:20)→外輪(9:10)→真狩登山口(12:50)

外輪
外輪

最高ピーク
最高ピーク

羊蹄山山頂
羊蹄山山頂

九合目上から見る避難小屋
九合目上から見る避難小屋

ナナカマドごしに見る下界
ナナカマドごしに見る下界


16日(月) 雨
 今日の観光は、登別温泉の地獄谷とクマ牧場、白老町のポロトコタンを見学、夕食は苫小牧の回転寿司を食べ、乗船の予定である。
 朝食は8時にしているので、露店風呂に入り時間待ちしていると、女性陣は勝手に食事してきたと言った。みんなで一緒に食べようと待っていたのにガックリである。
 昨夜は熟睡したので体調も良く、朝食のバイキングはことのほか美味しい。コーヒーを飲みながらのんびりとした時間を過ごし、9時にホテルを出発する。
 登別温泉の駐車場から、傘をさして地獄谷へと歩道を歩いて行く。荒涼とした地獄谷の奥には数分おきにお湯が噴出する所があり、しばらく待つとお湯が吹き出してきて、さながらの地獄谷である。
 クマ牧場は山の上にあるため、ゴンドラに乗る。クマ牧場には娘が小さい時に一度来ており、いまだに面影は残っていた。餌を得るためのポーズが可愛らしいが、また、みじめでかわいそうな気もする。
 白老町でまたラーメンを食べ、ポロトコタンに入る。ここは中学校の修学旅行以来である。博物館を見学しチセで民族舞踊を鑑賞する。駅前のレストランでコーヒータイムをとり、苫小牧へと向かう。
 車窓からは後方に夕日が見えている。やがて台風の影響で風が強くなるが、船の航行は大丈夫である。娘からの電話では、盛岡はかなりの雨が降り新幹線がストップしていると言う。
 苫小牧の回転寿司は家族連れで混んでいた。各自で思い思いのものを好きなだけ食べ、港へ向かう。
 乗船手続きを済ませ船に乗り、やっとビールにありついた。ツアー最後の乾杯である。船は台風の影響で、30分遅れて出航した。

日和山 大湯沼
日和山 大湯沼

日和山の噴煙
日和山の噴煙

クマ牧場のクマ
クマ牧場のクマ

剥製のクマと
剥製のクマと


17日(火) 快晴
 船は定刻どうり八戸港に着いたが、下船するのに30分程かかった。八戸の地に降り立つと、なんと快晴である。昨夜までの北海道の雨が嘘のようである。7月に来た北海道は毎日雨で、2日間カッパを着て歩いたことを考えると、今回はラッキーであった。
 盛岡I.Cで小橋さんと別れ、阿部さん、赤坂さんの順で送り、家路につく。米内川や北上川は溢れんばかりの水かさとなっていた。
 今回の登山は、行く前から全日程が雨の予報であったが、やはり山は登ってみないと分からないものである。激しい雨の後に雨は止み、夕方からは好天となり夕日と星空と夜景が見れたのである。翌日は風雨で雷も鳴ったが山頂に登ることができた。最終日も雨で樽前山は中止になったが、夕日の印象が強かっただけに、その後のことは打ち消すことができた。しかしながら、観光も素晴らしく楽しかった。
 みんなにも喜んでいただき、心に残る素晴らしい北海道ツアー登山だった。参加していただいた皆さんに感謝、感謝である。
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