羽後朝日岳 マイナー12名山
 


2019年4月13日(土)
 メンバー:Oさん(大阪府)、小田中 智
 コース:貝沢集落〜前山分岐〜沢尻岳〜大荒沢岳〜羽後朝日岳 往復

 和賀山塊には登山道が無い山が2山ある。朝日岳(羽後朝日岳)とモッコ岳であるが、深い藪、灌木に覆われ近づくことは困難だ。しかし雪のある時期はブッシュが隠れ、冬は山スキー、春はワカンで楽に登ることができる。
 羽後朝日岳はマイナー12名山に登録されており、全国からマイナーが好きな方々が訪れる。夏は秋田県の部名垂沢を遡行して登り、春は岩手県の貝沢から登っている。
 和賀山塊の中では最も原始性に富んでおり、「秘境・和賀山塊」と呼ばれているのは、登山道がない羽後朝日岳の存在ゆえである。
 昨年春に登山の依頼を受けたが、怪我で登れなかったため、今年再び依頼をいただいた。今年は後半になって雪が多いので楽に登れると思われる。

13日(曇り時に濃霧)
 4時にホテルでお迎えして沢内に向かう。天気予報では曇りで風も弱い予報である。まだ朝早いのであるがすでに1台の車が止まっていた。
 歩き始めると雲は朝焼けで赤く染まっていた。沢を渡渉してからワカンをつけ牧野へと入っていく。4月に入ってから思わぬ雪が降り、平年に比べると雪が多くなった。
 スノーシューの足跡をたどり快調に標高を上げていく。ブナの巨木帯を過ぎると見晴らしが良くなるが、しだいに雲が出てきて風の音が強く聞こえるようになってきた。
 沢尻岳の手前で単独行者が追いついてきて、今日はモッコ岳に行くという。沢尻岳の北東側にある山であるが、登山道はないため雪のある時期しか登れない山である。
 山頂からは羽後朝日岳、大荒沢岳、和賀岳、高下岳と和賀山塊の山々が見渡せるのであるが、雲が覆い全く見えない。ゆういつ大荒沢岳の手前が見えるだけである。雄大な山稜を見渡せないのが残念だ。
 大荒沢岳の登りになると視界も悪くなり、山頂手前からは視界が無くなった。テントが1張り張ってあった。視界は最悪で4m、風速10m程ではあるが、羽後朝日岳は数回にわたってガイドしているため、まずは行ける所まで行くことにする。
 鞍部に下ると少しは視界が良くなったが、登りだすと視界が悪くなってきた。古い足跡と真新しい足跡があるので最近登られているみたいだ。やはり人気の山である。
 風がそんなに強くはなかったので、やがて山頂の標識が見えた。しかし何も見えない山頂ではあるが、この状態で山頂に立てただけでも儲けものである。あとは大荒沢岳からの下りに注意するだけだ。
 先ほどあったテントは無くなっていた。山頂直下にはいつも雪庇があるのであるが、雪が多いためただの斜面だった。下って行くと沢尻岳は見えたが、結局どこの山頂も見えずじまいだった。
 雪の斜面の下りは、雪のクッションで足にかかる負担が少なく、ワカンを付けているので潜る心配もない。急な斜面があれば尻滑りを楽しめるのだが、汗を流しながらテコテコ歩いていく。
 だいぶ下りたころで、下っているご夫婦に出会った。関東から来て、昨日羽後朝日岳に登り大荒沢岳にテントを張り、今日は和賀岳を往復するつもりだったが、悪天のため下山すると言っていた。「秘境・和賀山塊」はやはり人気のようだ。


牧野から見るモッコ岳と沢尻岳


この先から太いブナ林となる


モッコ岳


大荒沢岳方面


羽後朝日岳の標識


マイナー12名山の羽後朝日岳


帰りの沢尻岳

タイム:貝沢集落(5:00)→前山分岐(7:55)→大荒沢岳(10:20)→羽後朝日岳(11:20)→沢尻岳(13:00)→車(15:30)
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