焼石岳中沼コース ガイド登山 遥かなる山並みと東北屈指の花の山!
 
焼石岳

7月1日(日) 天候:曇りのち小雨 メンバー:小山様、小田中 智
 コース:中沼登山口〜中沼〜銀明水〜姥石平〜焼石岳 往復


 4月末に茨城県の女性から焼石岳登山の予約が入っていた。
 前日に来県しひめかゆ温泉に宿泊し、翌日に中沼コースより登山しその日に帰るという予定だ。
 せっかく遠くから来ていただくのであるから、前日は北上駅に迎えに行き、温泉近くにある名勝「衣の滝」を案内をすることにした。

30日(晴れ)
 せっかく北上に行くのだから、展勝地でクライミングの練習をすることにして、午前中に出かける。
 展勝地の岩場は、公園の西側に崖があり高さが15mほどで、初級者から上級者がフリークライミングでき、ハングルートはエイドクライミングもできる。

展勝地の岩場
展勝地の岩場

 今年は腰と膝と指の状態が悪かったので、クライミングをするのは今回が初めてである。トップロープ状態で2時間ほど冷や汗を流しながら遊ぶ。
 北上駅で小山様と合流し、胆沢ダム手前のひめかゆ温泉に向かう。
 「衣の滝」は、ひめかゆ温泉のすぐ手前から左に曲がり、増沢ダムからさらに北股川の林道に入りしばらく行くと滝がある。
 滝は二段になっており、新緑や紅葉の時期は木の葉が薄くなり奥まで見える。ちょっとした知られざる名勝の滝である。
 今回は上流で工事をしており、白いせせらぎが泥水の赤いせせらぎとなっておりとても残念だった。

衣の滝(昨年の写真)
衣の滝(昨年の写真)

 お客様を温泉に送り、中沼登山口の偵察に向かう。
  猿岩に行く時に下る石渕ダムへの道路は今年の3月から通行止めになっており、中沼登山口には行けない。つぶ沼から回り込んでみたが、やはり途中から下ることはできなかった。
 つぶ沼の駐車場にいた方に訪ねると、トンネルを出て橋を渡った所に右に入る道路があり、それが中沼登山口に行く林道だと教えられる。戻ってみると入り口に看板があった。

 石渕ダムに下れないということは、猿岩に登れないということである。トンネルから歩けば行けないこともないが、おそらく取付きまで2時間はかかるだろう。

 ひめかゆ温泉の隣に車を止め、ここで車に泊まることにする。

1日(曇りのち小雨)
 5時に起床しラーメンライスの朝食を食べる。
 小山さんを迎えて登山口に向かい、30分ほどで登山口に着いた。すでに車は10数台止まっていた。

中沼登山口
中沼登山口

 やがて、山想会新人の小田さんにであった。
 まだ雨は降ってはいないが、雨と風が強くならないことを願って出発する。捻挫した膝がなかなか治らず、きょうは1ヵ月ぶりの山行である。
 木道から急な登りを登って行くと、霧雨が降ってきた。小山さんはいろいろなツアー登山に参加しているので歩きなれており、雨が降っても風が強くても大丈夫というので、今日の天候であれば頂上を踏めることと思われる。
 急な登りを終え中沼に着くと、久しぶりに見る中沼は大きく、さぞかし紅葉の時期には美しい景色になると思われる。

中沼
中沼

 沢水の流れる湿地帯になると、水芭蕉がまだ残っており、さぞかしその時期には水芭蕉が美しいことだろう。下山してくるパーティに合うが、天気が悪いので銀明水から下ってきたという。
 黄色いリュウキンカが咲いており、紫色のシラネアオイもひっそりと咲いている。高度をますと残雪が出てきてやがて遅咲きの水芭蕉の群落があった。

シラネアオイ
シラネアオイ


リュウキンカ

水芭蕉
水芭蕉

ムラサキヤシオツツジ
ムラサキヤシオツツジ

 銀明水の冷たい湧水で一息入れ、高山植物が咲き乱れる姥石平へ向かう。雪渓の先にはガスがかかり、いくぶん風も吹き始めてきた。
 姥石平の高山植物を楽しみにしていたが、残念ながらたいして咲いてはいなかった。分岐から頂上に向かう登山道の片側にようやくチングルマの群落があり、その中にポツリとイワカガミが咲いており、淡いピンク色がひときわ目立っていた。

姥石平付近
姥石平付近

チングルマ
チングルマ

 稜線に出ると風が強くなってきたが雨はさほどでもなく、悪い天候の中ではまだまだ良い方である。

頂上稜線
頂上稜線

 頂上では辺りの景色は見えなく、空は明るいが徐々に風が強くなってきて、風速は15mほどと思う。小山さんと握手をして、念願だった焼石岳の三角点にタッチをする。

焼石岳山頂
焼石岳山頂

 これからの下りが私の膝にとっては正念場である。ゴロゴロした岩に注意しながら下るが、ショックをかけても膝は痛くはなく、思わぬ回復に喜ぶ。
 登りでは長い休憩はしていなかったし、帰りの新幹線の時間にも余裕があるので、銀明水の避難小屋で休むことにする。
 中には10名ほどがおり昼食中だった。暖かいひっつみをご馳走になる。
 泥道を滑らないよう気を使いながら下り、15時に登山口に着いた。

タイム:中沼登山口(6:40)→中沼(7:25〜35)→分岐(8:35〜40)→銀明水(9:10〜15)→姥石平(10:40)→焼石岳
    (11:10〜15)→銀明水(12:50〜13:20)→登山口(15:00)

 ひめかゆ温泉でゆっくりと汗を流し、乾いた衣類着替えさっぱりする。北上駅にお送りしお別れをする。
 茨城県から、わざわざ岩手県の山に来てくれてありがとうございました。

 翌日の新聞に、昨日つぶ沼登山口で登山者が熊に襲われケガをした記事が出ていた。その時間は焼石岳の頂上にいた時間だった。
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