モッコ岳・羽後朝日岳 ガイド登山
 


2017年4月8日(土)〜9日(日)
メンバー:下野さん、小田中 智
コース:貝沢集落〜880mP〜前山分岐〜沢尻岳下〜モッコ岳〜沢尻岳下(泊)〜沢尻岳〜大荒沢岳〜羽後朝日岳〜
    テント〜貝沢


 和賀山塊の朝日岳は羽後朝日岳とも呼ばれ、大荒沢岳から羽後朝日岳の間には夏道がないため、積雪期が藪こぎもなく登りやすい。秋田側からからであれば、夏に部名垂沢を遡行して登る。
 また、モッコ岳も沢尻岳からモッコ岳の間には夏道がないため、積雪期が楽に登れる山だ。
 春の時期であれば羽後朝日岳は日帰りで登れるが、2山を登るのであれば途中に1泊すると余裕を持って楽しめる。

8日(高雲り)
 5時半に盛岡で集合し沢内へ向かう。4月初めまで雪が降っていたが、ようやく春らしくなり雪解けも進んできた。
 貝沢集落の除雪終了点に車を置き歩き始める。ツボ足では20cm程潜るのでワカンを付けて歩き、牧野から夏道と別れ左に入る。
 この時期であれば雪があるのでどこでも歩けるため、遠回りの夏道をたどる必要もない。前山分岐から南に伸びる尾根の880mPを目指して尾根を登っていく。
 急な登りから尾根になると傾斜は緩くなり登りやすくなるが、雪が柔らかいためワカンを付けても10cm程潜った。
 880mPに出るとブナ林は太くなり尾根も広くなった。所々には古いスキーの跡が残っていた。このルートは尾根が広いのでスキーだと下りが楽しめるルートだ。
 前山分岐からは夏道をたどったトレースもあり、春になると入残者はいるが、真冬は登山者は殆んどいない。
 1,091mPからはモッコ岳の頭が見えている。天気は曇りであるが雲が高いため、稜線からの展望も良さそうだ。
所々の雪庇に注意しながら歩いていくと、左の小枝の間から高下岳が見え隠れしている。今日泊まるテン場はもうすぐだ。
 沢尻岳下の平らな所を整地してテントを設営する。時間は昼を過ぎたばかりなので、オマケとしてモッコ岳を往復することにする。
 テントから右寄りに稜線に出ると、黒いところが殆どなく白い大荒沢岳と羽後朝日岳が正面に見え、生保内川を挟んで志度内畚の擁壁が正面に見えた。
 古いトレース跡はモッコ岳へ続いていた。右は志戸前川へと雪庇が張り出しているが、広い尾根なのと時期的に少し早いので雪の状態は良く歩きやすい。
 高下岳・根菅岳から続く稜線の奥には和賀岳が見えるのであるが、うっすらとかかる雲に邪魔されて山頂は見えない。時間とともに天気が下り坂になっているようだ。
 写真を撮ってテントへと帰還する。水を作り、まずはビールで乾杯する。登ったあとのビールの味は格別である。夕食はモツ焼き、刺身、野菜サラダである。
 夕方になると風が出てきて、暗くなると小雨が降ってきた。


前山分岐


モッコ岳


貝沢集落


モッコ岳


高下岳と根菅岳


沢尻岳


沢尻岳下のテント


モッコ岳へ


大荒沢岳、羽後朝日岳、志度内畚


モッコ岳へ


モッコ岳にて

大荒沢岳と羽後朝日岳


高下岳、根菅岳、和賀岳


沢尻岳

タイム:貝沢集落(6:50)→880mP(9:20)→前山分岐(10:35)→沢尻岳下(11:50〜12:45)→畚(13:45)→テント(14:35)


9日(霧のち曇)
 昨夜は風が強くテントがバタついていた。小雨は止んだがガスっている。朝食を済ませるが天気は変わる様子もないので、カッパを着て最小限の荷物で出発する。
 沢尻岳からの展望は全くないが、濃霧ではない分まだましである。鞍部から登っていくと上からショートスキーを付けた1人が下ってきた。
 話を聞くと関西からの方で、大荒沢集落から高下岳、和賀岳、大荒沢岳と来て、モッコ岳から鶯宿へと下るという強者だった。和賀連峰は南の方からは根強い人気があるようだ。
 大荒沢岳からの下りも雪が豊富なため下りやすく、展望がないことを除くと良い状態の時期だ。
 緩やかな登りをゆっくり登っていくと標識が立つ羽後朝日岳に着いた。ここから眺める景色は素晴らしいのだが、このガスでは何も見えない。山容は昨日見ているのでそれで我慢するしかない。
 風があり寒いので写真を撮って、風の当たらないところで一休みする。大荒沢岳の登りに一苦労しながら乗り越え、テントへと向かっていく。
 テントを撤収し貝沢目指して昨日のトレースをたどる。天気は下るごとに回復し、矢巾に向かう車窓からは晴れ上がった空に岩手山がくっきり見えていた。下山すると晴れるのはいつものことである。


沢尻岳にて


大荒沢岳にて


羽後朝日岳にて

タイム:テント(6:15)→大荒沢岳(7:35)→羽後朝日岳(8:25)→テント(9:50〜10:25)→貝沢集落(12:55)
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