上坊神社 トレッキングガイド 日本書記に登場する神を祀る岩手山神社!
 
岩手山新山神社 上坊神社
岩手山新山神社 上坊神社

2014年3月9日(日) 天候:晴れのち風雪 メンバー:鵜原さん、他1名、小田中 智

 コース:上坊林道入口〜林道〜上坊登山口〜上坊神社〜登山道〜上坊林道入口

 上坊神社に行きたいということで、東京の方からご依頼をいただいた。
 岩手山新山神社上坊(うわぼう)神社は、岩手山登山口の西根側上坊コース登山口の少し下にあり、登山口から歩いて5分ほど下った所にある。
 上坊神社には正哉吾勝々速日天忍穂耳尊、アメノオシホミミ(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)が祭られているとある。

 正哉吾勝々速日天忍穂耳尊は、天照大神と素盞鳴尊が誓約をした時、天照大神の八尺勾玉を天真名井の水で清め、素盞鳴尊が噛み砕き、それを吹き出すとその息(狭霧)から、正哉吾勝勝速日天之忍穂耳命、天穂日命(あめのほひのみこと)、天日子根命(あまつひこねのみこと)、活津日子根命( いくつひこねのみこと )、熊久須毘命(くまぬくすびのみこと)という五柱の神々が生まれた。
 当初は天忍穂耳命が地上に降臨するはずであったが、途中まで行ったものの、地上は物騒だというので引き返してきてしまう。その後もう一度命じられるも、自分よりも息子の方が相応しいと自ら申し出て、袴幡千千媛命(たくはたちぢひめのみこと)(高皇産霊尊の子)との間に生まれた、邇邇杵尊(ににぎのみこと)が降臨した。
 この非常に不自然な記述の裏には、当時の政治が反映されているのではないか、と言われている。天武天皇の死後、持統天皇は自らが産んだ草壁皇子を皇位に就けようと画策するが、皇位に就くことなく夭逝したため、数多いた皇子ではなく自らが即位し持統天皇となった。
 そして後に、草壁皇子の子を皇位に就けた(文武天皇)。つまり持統天皇(天照大神)→文武天皇(邇邇杵尊)という、祖母から孫への皇位継承という形が見えるのである。天忍穂耳命は、皇位に就くことなく死去した草壁皇子ということになる。
 神名から農業神として信仰され、また素盞鳴尊の「勝ったぞ!」という高らかな勝利宣言から、勝負事にも霊験がありそうだとある。

 アメノオシホミミ(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)は、日本神話に登場する。
 『古事記』では正勝吾勝勝速日天忍穂耳命、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳。
 『日本書紀』では正哉吾勝勝速日天忍穂耳、『先代旧事本紀』では正哉吾勝々速日天押穂耳尊と表記するとある。

 前日は友人の別荘に泊まりスキーをするあずであったが、風雪のためスキーを止めにして、薪ストーブにあたりながらボーッとして過ごす。そして、温泉にゆっくりと浸かり、飲みながらしばらくぶりの会話を楽しんだ。
 翌日、盛岡駅に11時過ぎにお客様を迎えに行く。昨日とはうって変わっての好天はまるで4月の陽気で、真っ白い岩手山が輝いている。こんなに美しい岩手山が見えるのも久しぶりである。
 道路を北に向かって走るごとに岩手山の景観は変わり、右の美しいラインは今まで見えなかった反対側の影になっている部分へと変わった。
 岩手山パノラマラインの入口に上坊神社への登山口があるが、駐車スペースがないので、もう少し先の上坊登山口の林道に車を停める。林道を行くと距離が長いがいたしかたない。
 身支度を整えると長くつの方もいるので、ツボ足で歩くことにする。林道の雪は思ったより潜り、30cm程潜った。林の切れ目からは岩手山山頂部分が見えたがすぐに樹林の影に隠れてしまった。
 1時間半ほどかかって上坊登山口に着いた。少し戻って下へと下って行くと、間もなく赤い鳥居が見えてきた。
 しばらく昔に来たことはあったが、道路が神社まで続いていないとは思わなかった。神社に目的がなければ立ち寄らさらない場所である。
 神社や社務所を1時間ほど散策し、ようやく下山となった。天気が良くて木陰からこぼれていた太陽はなくなり、急に冷え込んでくると風雪に変わった。
 思わぬ長居をしたため同ルートを戻るのは時間がかかるので、登山道を下へと下って行く。15分程でパノラマラインに着き、車に戻った時には雪は激しく降り始めだした。
 焼き走りの湯で冷たくなった体を温め、車に戻る頃には雪はさらに激しく降っていた。道路は吹き付ける雪で前が見づらく運転がしにくい。
 お客様を盛岡駅に送り届け、お別れする。

林道入口
林道入口

林道から岩手山山頂部が見える
林道から岩手山山頂部が見える

上坊登山口
上坊登山口

岩手山新山神社の鳥居
岩手山新山神社の鳥居

上坊神社
上坊神社

上坊神社
上坊神社

神社の看板
神社の看板


社殿

タイム:上坊林道入口(12:45)→上坊登山口(14:30)→上坊神社(14:40〜15:40)→上坊林道入口(16:10)
↑ページの先頭に戻る