岩手山 盛岡山想会例会登山
 


2019年11月16日(土)〜17日(日)
 メンバー:竹内 滿さん、小田中 智
 コース:焼走り登山口〜第一噴出口跡〜平笠不動〜外輪〜不動平避難小屋(泊)〜お花畑〜大地獄〜七滝登山口

 盛岡山想会の例会登山として、初冬の岩手山を焼走りから登り不動平に1泊し、鬼ヶ城を越えて七滝に下山することにした。
最近の会山行は日帰り登山が主体となっているので、荷物を背負って登る1泊とし、夜は酒を飲みながら語り合い、冬山に向かってトレーニングの意味合いもある山行にした。

16日(曇りのち強風)
 残念ながら2名だけの山行になってしまったが、6時半に焼走りに集合した。竹内さんの車を七滝登山口に回し、雪のない登山道を歩き始めると間もなくうっすらと新雪が積もっていた。
 第一噴出口跡からは風が強くなり、外輪はボンヤリと見えている。今日は風が強い予報である。鈴の音を響かせて単独後者が追い越して行った。これからはトレースを期待できるのでラッキーだ。
 上坊分岐で昼食にカップラーメンを食べるが、これほど旨い物があるかというくらい山でのカップラは美味しい。急な登りを登って行くと枝にまとわった樹霜が日に照らされて美しい。やはり冬景色は美しく、これからの季節が楽しみだ。
 平笠不動の手前で単独後者が下山してきて、山頂は風が強かったが猛烈ではないと言っていた。平笠不動小屋から見る外輪は雲の中だ。
 外輪に向かうと徐々に風が強くなり始め、途中からアイゼンを付ける。時折青空に外輪が浮かぶが、外輪分岐に出ると風が強く、風速25mを超えているので山頂は止めにして不動平へと下る。
 避難小屋の入り口は閉鎖しているので、冬期入り口から入る。外輪では体感温度がマイナス35度ほどあっただろうが、小屋の中は氷点下5度ではあるが暖かく感じる。
 荷物を整理しながら一口飲むウイスキーは美味しく体の中が温まった。16時を過ぎているので雪を溶かして夕食の準備をする。今回は炊事用具と食料は各自である。
 竹内さんはおでん、私は焼肉と刺身の夕食で、ホットウイスキーで乾杯する。彼は酒が飲めなく、こんな旨い飲み物を飲まないなって気の毒だ。彼は61歳で昨年入会し、現在も現役で仕事をしている。登山キャリアは少ないがヤル気はありそうで、これから誘って登りたいと思う。


登山口


第二噴出口跡の手前


第一噴出口跡から見る山頂方面


樹霜が美しい

樹霜が美しい


平笠不動避難小屋と屏風尾根1峰


外輪に向かって


不動避難小屋

タイム:焼走り登山口(7:45)→第一噴出口跡(10:20)→平笠不動小屋(14:05)→不動平避難小屋(16:00)


17日(強風のち曇り)
 5時過ぎに起床。昨夜は19時前には寝ているがまだ眠い。家では夜中にトイレすると眠れなくなったりするが、山に来るといくらでも寝ていられる。
 今朝も風がかなり強いので鬼ヶ城は止めにして、お花畑から下ることにする。上空は晴れているみたいで時折見える鬼ヶ城の雪景色が美しい。小屋を出て10分ほどは風が強かったが、下るごとに樹林と鬼ヶ城の稜線で風はさえぎられた。
 お花畑から鬼ヶ城の岩壁の雪景色を眺める。鬼ヶ城の稜線は、お花畑から150m程の高さで岩壁があり、本峰とフェースという岩場と5つのルンゼがある。岩は溶岩質でもろくブッシュも多いが部分的には面白く、4ピッチ程の長さがある。
 大地獄に向かうと雪で被ったブッシュが邪魔で這ったりして疲れる。大地獄分岐に立つと再び風が強く吹き付けるが、黒倉山の岩壁が日に照らされて美しい。黒倉山の東側は急角度の岩壁になっており、この東壁は若かりし頃に、冬期初登してた岩場である。
 登山道をテレテレと下って行くと雪に隠れた木の根に転び、ステンレスボトルが壊れ、さらに水筒まで落としてしまった。今シーズン初めてのラッセルは股まで潜り、強風のため山頂には行けないという厳しい状況ではあったが、下るとどんな場合でも苦しみが楽しさに変換されてしまう。
 下山口から焼走りに向かう途中に見えた岩手山はこれほどにない美しさだった。焼走りの湯で汗を流し、解散する。


鬼ヶ城の岩峰


鬼ヶ城本峰 真ん中がスラブ状ルンゼ


鬼ヶ城フェース 左のラインが東カンテ


鬼ヶ城の稜線


黒倉山


真ん中のルンゼ右の中央が登ったライン


山頂と屏風尾根、赤倉岳

タイム:不動平(8:00)→お花畑(9:50)→大地獄分岐(11:00)→七滝登山口(13:20)
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