岩手山 御神坂〜馬返し ガイド
 


2015年12月19日(土)〜20日(日)
 メンバー:嶋脇さん、小田中 智
コース:御神坂駐車場〜展望台〜笠締〜鬼ヶ城分岐〜不動平小屋〜岩手山〜妙高岳〜不動平〜八合目〜馬返し


19日(曇り)
 馬返しの駐車場に集合し、嶋脇さんの車を置いて私の車で御神坂駐車場に向かう。天気は、今日明日とも曇りで風は弱い予報だ。
 駐車場に雪はないが、歩き始めるとサラッと白い程度の雪である。例年であれば駐車場からラッセルが始まるのであるが、今年はめずらしく雪が無い。
 歩きずらくなってきたのでスノーシューを着用していると、単独者が登ってきて、行ける所まで行くと言って先に行った。展望台まで行って下ってきた。
 展望台から眺める御神坂沢大滝は氷柱になっているようだ。この滝は沢の中間部にあり、落差が50m程ある垂直の滝で、左から巻き気味に登る登攀ルートがある。
 展望台から岩場を右に回り込み夏道を登る。この付近での積雪は20cm程で、依然として雪は少ない。笠締の岩場もスノーシューで登り、アイゼンに履き替えないままに登って行く。
 昨年、2人で登った時にはこの辺はラッセルが大変であったが、今年は雪が無いぶん楽であるが、雪の少ない所をスノーシューで登っているので疲れる。
 登るにしたがい風が出てきて視界も悪くなり始めた。鬼ヶ城分岐付近でカメラの電池がなくなった。寒さのせいだろうか、ずいぶん消費が早い。
 視界は10m程あるので、不動平の小屋に目標を合わせて下って行くと小屋が見えた。下の入口は吹きだまりに埋まっていたので冬期入口から入る。
 板間にツエルトを張り、コンロに火をつけるとすぐに暖かくなった。冬の小屋内は寒いので、ツエルトを張ると暖かくなる。まずは熱いコーヒーをすする。
 今回の食事は嶋脇さんが用意し、ひっつみ、焼き肉、野菜サラダである。雪を溶かし水を作って夕食を作り始める。チビリちびり飲むウイスキーは喉を通ると体がカッと熱くなった。
 ご馳走を食べながら話しをするが、彼はマラソンしているので体系は細いが大食漢である。なので、作った食事は残すことなくたいらげてくれる。
 ここの小屋はトイレがあるので、トイレが近い私にとってとても助かる。お腹が苦しくなると眠くなってきた。


登山口付近


展望台から見る御神坂沢


御神坂沢大滝


展望台からの上部


傘締の上

タイム:御神坂駐車場(7:40)→展望台(11:25)→笠締(13:25)→不動平避難小屋(16:00)


20日(快晴)
 5時起床が30分寝坊してしまった。食事の準備をしていると、外に出た嶋脇さんが快晴だと言っていた。パッキングをし掃除をして外に出ると、青空が美しい快晴である。冬でこんな快晴も珍しい。
 アイゼンを履き、サイドバックだけ持って頂上に向かう。外輪に近づくと、鬼ヶ城の後ろに真っ白い勇壮な秋田駒ヶ岳が飛び込んできた。鬼ヶ城のギザギザも素敵である。
 外輪から見るいつも見慣れた山頂と妙高岳であるが、今日はとびきり美しい。山容は真っ白いが、積雪はせいぜい30cm程しかない。遠くうっすらと鳥海山も見えている。
 山頂の手前から屏風尾根一峰に影岩手山が映り、そこにうっすらとブロッケンが映っていた。色は弱いが神秘的で、初めて見るブロッケンは感動的だ。
 山頂からは県内の山はもちろんのこと、岩木山、八甲田連峰、森吉山がはっきりと見えている。登り始めから立ち止まっては素晴らしい眺めを振り返っていたので、山頂に着くまで時間がかかった。こんなにはっきり見えるのは珍しいことである。
 山頂でしばらく過ごし、左回りに外輪を下ると単独者に会った。馬返しから登ってきたと言うが、ずいぶん早い時間である。故杉村君に手を合わせ、内輪に入って行く。今まで妙高岳は登ったことが無かったので、せっかく良い天気だし時間もあるので登ることにする。
 山頂には大きなケルンがあり、ここから初めて岩手山山頂を見た。隣のケルンに行くと下に火口が見えた。これも初めて見るものだった。下っていつもながら奥宮にお参りをする。
 不動平に下ると七合目から外輪を目指して左寄りに登る登山者の姿が見えた。真っすぐ外輪を目指した方が早いのであるが、雪が無いため雪のあるところを見つけながら登るしかないのである。そういえば今年の2月も雪が無く真っすぐ登れなかった。
 七合目でアイゼンを脱いで下り始めると左足がズッポリ潜り、前回痛めた右ひざを捻ってしまった。ゆっくり下るには大丈夫なので助かった。この付近が吹雪かれた時の下りが迷いやすいことを嶋脇さんに伝える。
 今日は天気が良い日曜日とあって、結構な登山者が登っていた。冬の岩手山で快晴の時はめったにないので、こんな時を逃すのはもったいない。下りはよけい暑くてヤッケも脱ぎ、春山気分である。
 ゆっくり下りやっと馬返しに着いた。車は駐車場にあるが、通常ならばここから45分は歩かなければならないことを思うと、麓で雪が少ないのも良いもんだと思う。
お山の湯で入浴し解散する。


不動平から見る外輪


不動平避難小屋


鬼ヶ城と秋田駒ヶ岳


外輪から見る山頂


妙高岳


鬼ヶ城と秋田駒ヶ岳


山頂は間近


山頂にて


大深岳と岩木山


屏風尾根一峰に映るブロッケン


和賀連峰


早池峰山と薬師岳


秋田駒ヶ岳


妙高岳


妙高岳山頂


妙高岳から見る岩手山山頂


内輪の火口


八合目避難小屋


八合目と鬼ヶ城から続く稜線


七合目から見る外輪


馬返しから見る岩手山

タイム:不動平小屋(8:20)→岩手山山頂(9:30)→妙高岳(10:15)→不動平小屋(10:50)→馬返し(15:00)
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