岩手山イタザ沢 アイスクライミング
 


2019年4月6日(土)〜7日(日)
 メンバー:下野 徳之さん、小田中 智
 コース:八幡平リゾートスキー場付近〜イタザ沢〜F6大滝 往復

 イタザ沢は、岩手山屏風尾根の北面に位置する沢で、夏には水流が無く大小の滝が続き、登攀を対象とした困難度の高い沢である。
 滝はF18まで数えられ、大きい滝はF6 25mがあり人工で登るが、登りがいのある登攀を楽しめる沢だ。
 春は昔に一度入っているが記憶がなく、氷瀑になっているか分からなかった。洞ヶ沢に氷瀑ができるのであるからあるのではと思い、3月に偵察に入った。
 F6の大滝は6mと12m程の氷瀑が左右に分かれており、楽しめるクライミングになりそうだが、トップロープをするには手前から上に登って支点を作らなければならない。
 64歳の手習いとして始めたアイスクライミングが楽しく、道具を改良したり、アイスクライミングの動画を見たりとすっかり氷にはまってしまった。

6日(曇り時々小雪)
 13時に自宅に集合し、高速道でリゾートスキー場に向かう。最近街場でも雪が積もり、今週の月曜日にイタザ沢に向かったが、40cm程の積雪で早朝の道路は除雪しておらず、スキー場まで行かないうちに敗退になっていた。
 スキー場はすでに営業が終わっており、駐車場から奥に入った温泉街の奥に車を止める。最近も雪が積もったみたいで、積雪が多いのでスノーシューを履いて出発する。
 登攀用具が重いのでアイスクライミングは結構な荷物になる。雪が降り始め、まだまだ冬は続くようだ。林道から樹林帯に入り沢に降りる。偵察時より積雪が多くなっており、標高の低い所でこんなに雪が多いのも珍しい年だ。
 2時間ほどで大岩に着き、ここをテン場に決める。刺身としゃぶしゃぶをツマミに語りながら飲む。下野さんもアイスクライミングに興味があるみたいで、大峠の滝、御神坂沢大滝と三回目で、アイス用にアイゼンを新調したという。


標高800m程でこれだけの雪がある



標高850m付近に泊まる


7日(晴れ時のち雪)
 昨夜も雪が降り5cm程積もっていた。夜中の星空がきれいで、今朝の上空には雲が無くいい天気だ。ラッセルで大滝まで1時間かかってしまった。
 偵察時よりもさらに30cmほどの雪が積もっているにもかかわらず、氷瀑は更に発達しており、右の氷瀑は中間部を掃除すれば問題なく登れそうだ。
 ハーネスを装着しザイルを引きずりながら、滝の手前の右から高巻きをしなければならないのであるが、アイゼンでは深く潜り、急な登りは雪を踏み固めながらでないと体が上がらなかった。
 氷瀑の上に懸垂で下り、トップロープの支点をセットして基部へ懸垂下降する。氷はしっかりしているが水分が多いので、アックスの刺さり具合が心配だ。
 氷瀑の高さは12m位で、「イタザ沢大滝右の滝」と名付け、左の氷瀑は「イタザ沢大滝左の滝」と名付けた。
 ザイルをセットした右の滝を登り始めたが、アックスの刺さりはまずまずで快調に登った。下部の4mは90度、中間部の2mは70度、上部は2m90度で3m70度位だと思う。
 下野さんは半分ほど登ったが下ってきた。中間部に傾斜の緩い所があると、ずいぶん楽に登れて楽しい。これで距離があれば最高だ。ルートを変えて3度登りザイルを回収する。
 左の滝をリードで登ろうとして2m登ってアイススクリューをセットしたが、力量不足で2本目はセットできなくて敗退した。
 垂直の大峠の滝はトップロープで登れたが、垂直のリードはまだ無理のようだ。


テン場にある岩峰 岩から大木が天に向かっている


F6大滝 景色はまだ冬だ


イタザ沢大滝右の滝の上にトップロープを設置し懸垂下降中


登る小田中


登る下野さん


登る下野さん


イタザ沢大滝左の滝


アイススクリューを1本セットするが敗退

 たぶん今回でアイスクライミングは終了になると思うが、3年越しで描いた64歳の手習いは十分な成果を上げ、楽しい夢を見させてもらった。4ヵ所の氷瀑を見つけれたので、元気であれば来年も楽しみたいと思う。さらにはロングルートも登ってみたいと思う。
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