安達太良山 クリスマス登山
 


2019年12月22日(日)〜23日(月)

 メンバー:加藤さん(千葉県)、桐生さん(千葉県)、矢野さん(千葉県)、渡邉 正一さん(福島県)、小田中 智
 コース:奥岳登山口〜くろがね小屋(泊)〜矢筈ヶ森直下分岐〜安達太良山〜五葉松平〜奥岳登山口


 恒例となったクリスマス登山は、山を登ることよりもストーブがある避難小屋に泊まって、美味しいものを食べて飲んで話をしてクリスマスを楽しむことを第一の目的として一昨年から始めた。
 今年は安達太良山とし、営業しているくろがね小屋に泊宿し、温泉で温まりながらクリスマスを楽しむことにした。夕食は自炊で美味しいものを食べ、朝食は小屋食とした。

 那須火山帯に属する安達太良連峰は、磐梯朝日国立公園内の南端に位置し、活火山のひとつで主峰である安達太良山は、別名「乳首山(ちちくびやま)」とも呼ばれる。
 万葉集にも歌われ、また詩人・彫刻家として有名な高村光太郎は、「あれが阿多多羅山、あのひかるのが阿武隈川」「阿多多羅山の山の上に毎日出ている青い空が、智恵子のほんとの空だといふ 」等を詠み、智恵子のふるさととしても知られている。

22日(曇り)
 岩手からの参加者は私だけになってしまったので、交通費節約のため下の道路を走ることにし、早朝4時過ぎに出発した。千葉県の方々との待ち合わせは福島駅で11時である。早朝のため道路はすいており走りやすかった。
 みんなで昼食を食べ、邉ちゃんと待ち合わせた登山口のスキー場に向かう。福島は暖かくスキー場には雪が無く、年末が間近いスキー場はクローズだ。それに比べ岩手は寒いので、大きいスキー場はオープンしているようだ。
 邉ちゃんと合流し、今夜のパーティーに使う食材を分け合い、クリスマスケーキを肩に吊るして出発する。昨年は友人にケーキを持ってもらったら、ザックにくくりつけて歩いたため、ホールケーキはグチャグチャで生クリームの中にイチゴが埋まっていた。
 肩に吊るしたケーキは歩くのに邪魔であったが、ケーキの箱は目立ち下山して来る方々からは羨望の声をいただいた。30分も歩くと少しの雪が現れたが、冬山のホワイトクリスマスの雰囲気はない。温泉と食事が楽しみだ。
 緩やかな道のりで小屋に着くと積雪は10cm程しかなかった。くろがね小屋は、安達太良山の中腹1,346mに建つ公共の山小屋で、軒先に吊るされた『黒い鐘』がシンボルだ。小屋は温泉付きで年中営業し、夕食のカレーライスが名物だ。
 まずは源泉の温泉で温まり、パーティーの準備をする。 食事のメニューは、ローストチキン、鹿肉焼き、刺身、漬物、ケーキ、寿司とお金と重量は気にしないで食材を選んだ。飲み物は日本酒、ウイスキー、ビール、ワインである。
 1羽のローストチキンを温めながら刺身を切る。ブリの刺身は、この日のために邉ちゃんが釣ってきた品で、肉厚に切っていく。まずはビールで乾杯!ブリ刺しがおいしい。刺身は生タコ、煮タコ、マグロ、イカでかなりのボリュームだ。
 漬物は西和賀の一本漬でこれまた美味、熱々のローストチキンもグーだ。小屋の管理人さんも呼んで、楽しい夜の始まりである。
 クリスマス登山の恒例になったプレゼント交換の始まりだ。各自が千円程度の品を用意し、ジャンケンで勝った順番で選んでいくというシステムだ。品物は誰に渡るか分からないし、千円という金額もプレゼント品を選ぶのがけっこう難しい。ちなみに私は女性用の厚手ソックスをゲットし、妻へのクリスマスプレゼントを購入しないですんだ。
 お腹は苦しいがメインディッシュとして用意した鹿肉を焼くことにしようと思ったら、どこを探しても肉が無い。鹿肉は北海道産のジビエであったが、思い返してみると家の冷蔵庫に忘れてきたことを思い出した。メインを忘れるとは大失態である。皆さんどうもすいません。「もうお腹が苦しいからいいのよ」とやさしく励まされた。
 楽しい夜は早く過ぎ去るもので、消灯時間が近づいてしまったのでお開きとして後片付けをする。楽しい楽しい夜だった。


スキー場には雪が無かった


緩やかな林道が続く


小屋が近くなっても雪は少なかった


くろがね小屋

タイム:奧岳登山口(13:00)→くろがね小屋(15:40)


23日(曇り)
 6時に朝食をいただき、ゆっくりと出発の準備をする。外を見ると枝に雪が積もっており、今朝にかけて15cm程の新雪が積もったようだ。昨日は大して雪が無かっただけに嬉しくなる。
 コーヒーを飲んでゆっくりと出発すると、単独行者のトレースがあった。今朝の天気はまずまずで青空があり、前方の小山には日が当たって輝いている。このままでの天気を願う。
 しかし、登るごとに青空は無くなり、峰ノ辻近くからはガスが出始めた。それでも風は大してないので全然余裕である。小屋から出た8人パーティが追い越していったのでトレースがあり、楽をさせてもらう。
 矢筈ヶ森直下分岐の稜線はさすがに風もあり、視界も悪いので鉄山は諦め、安達太良山の山頂を目指していく。山頂手前で先行した8人とすれ違い山頂直下に着く。荷物を置いて山頂の岩場を登る。
 千葉のお姉さまたちは初めての山頂らしく、ガスで展望はないが冬に登ったことで感動していた。この状態で風が弱いだけでも良しとしなければならない。
 下山は五葉松平を経由して奥岳へと下っていく。予定ではロープウエイで下るつもりであったが、スキー場が稼働していないのは残念だ。私はまだロープウエイに乗ったことはないのである。
 今日は月曜日にもかかわらず登山者とすれ違った。下りにもアイゼンを履いていたが、私以外のアイゼンには雪のコブが着き、かなり歩きにくそうだ。私のアイゼンは今日が履き初めなので問題はなかった。
 途中でアイゼンを外すと、私の登山靴には雪のコブが着き歩きずらかった。しばらく急な下りが続き、スキー場のリフトに着いた。今朝がたの新雪で雪が積もっているが、まだまだスキーができる状態ではない。車に着くと10cm程の雪が積もっていた。
 岳温泉の食堂でラーメンを食べ、邉ちゃんと別れ、お姉さまたちを福島駅に送る。楽しいクリスマス登山はこうして終わったが、来年はどこで行うか悩むところだ。


くろがね小屋前にて


この小屋は再来年には建て替えとなる


新雪のおかげでいくらか冬山らしくなった


朝日に照らされる峰


輝く雪道の奥に山頂が見える


矢筈ヶ森直下分岐へ向かって


山頂直下


山頂にて


スキー場最上部の止まっているリフト


今朝積もった雪

タイム:くろがね小屋(7:25)→安達太良山(9:55)→登山口(12:45)
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