岩手山 馬返コース 敗退 ガイド登山 風が強すぎ、全国的に大荒れ天気!
 
馬返しコース 最高到達点の四合目半
馬返しコース 四合目付近

2014年2月15日(土)〜16日(日) メンバー:居谷さん、下野さん、小田中 智

 コース:柳沢〜馬返し〜三合目〜四合目半 往復

 12月下旬にトレーニング登山として福島県からいらした居谷さんと、2月初めに早池峰山に行った下野さんの2人kら岩手山馬返しコースの依頼をいただいた。
 前日は八合目の避難小屋に泊まり、翌日に山頂を往復して下山する予定である。先週の情報ではトレースがあるというので、大雪が降らなければラッセルが少なくていけるかもしれない。
 週末になると日本海に低気圧が発生し、関東から東北にかけて大荒れの天気予報だ。山の天気は一番が風速である。風が弱くなるのを祈るのみである。

15日(風雪)
 下野さんと盛岡の駐車場で合流し、居谷さんを駅前のホテルで迎え、柳沢に向かう。雪は例年に比べ少ないようであり馬返し方面へと進んでみるが、雪が降り出してきたので下山時の積雪を考え、柳沢まで戻る。
 共同の荷物を振り分け、小雪が降る中スノーシューを履いて出発する。岩手山は五合目付近までは見えるが、木々からはゴーゴーと風の音が鳴り、上空はだいぶ風が強いみたいだ。
 馬返しに着くとハイキングの方がやってきて左手の方へ消えていった。まだ五合目付近までは見えているが、風の音は一層強くなってきた。
 トレースには15cm程の新雪が積もっているが、スノーシューを履いているのでさほど潜らない。トレースに沿ってゆっくりと登って行く。一合目を過ぎると吹き溜まりで雪が深くなってきた。
 ラッセルを交代しながら三合目に着く。風の音はますます強くなり爆音に近い音がしている。上部の寒さを考え身支度を整え、トイレをしているとダウンミトンが飛ばされて無くなってしまった。大切にしていたものだっただけに残念だ。
 三合目からの出だしは、いつもながら吹き溜まりのラッセルで、足を上げるのが辛い。そこを過ぎると雪は風に飛ばされ、雪面は固くなってきた。
 登るごとに風が強くなり、上空では爆音がうなっている。四合目を過ぎた岩が出始める所で、残念ではあるが今日の登行を断念することを決断し、メンバーに伝える。
 このまま進んでも七合目では風速20m以上の風が吹いており、時間的にも少し押している。明日も風が強い予報なので、このまま八合目に入っても、明日下山できなくなる可能性があるのである。
 スノーシューからアイゼンに履き替え、ゆっくりと下って行く。下り始めても泊まるに最適の所は見つからず、一合目で風が当たらない最適のテント場が見つかった。みんなで整地をしてツエルトを張り、ザックに不要物を入れて外に出す。
 コンロに火をつけ、まずは熱いコーヒーを飲むと体が温まった。個人装備を整理して、水作りを始める。今夜のメニューは、野菜サラダ、しゃぶしゃぶ、焼き魚である。
 水作りを2人にお願いし、私は調理を始める。下野さん持参のワインで乾杯し、まずは前菜をつまむ。ツエルトの上の木々からはゴーゴーと風の音が聞こえ、ここへは風は吹き込んではこないが、雪が降り出してきた。ラジオからは各地での大雪の情報が流れていた。
 前菜からしゃぶしゃぶへと移り、家での食事より美味しい食事をしながら、日本酒に変わり、話も盛り上がっていった。
 腹もいっぱいになり、焼き魚を食べる余裕はなかった。シュラフに潜り夜中に目が覚めると、上空では風の爆音が鳴り響いていた。

柳沢からの出発
柳沢からの出発

林道から望む岩手山
林道から望む岩手山


馬返しから望む岩手山

一合目への登り
一合目への登り

四合目付近
四合目付近

強い風が舞っている
強い風が舞っている

最高到達点の四合目半
最高到達点の四合目半

一合目のテン場
一合目のテン場

タイム:柳沢(7:10)→馬返し(8:30〜40)→三合目(11:40〜12:00)→四合目半(13:25〜35)→三合目(14:30〜40)→
    一合目テン場(15:10)


15日(風雪のち曇り)

 6時半ころ起床すると、ツエルト内は霜で真っ白く、雪で左右のスペースはいくぶん狭くなっていた。レトルトのピラフと生そばの朝食をし、ゆっくりとした気持ちでスープを飲む。
 風雪の中ツエルトを撤収し、下って行く。新雪は20cm程積もっていたが、底雪がある程度硬いので膝下くらいしか潜らない。
 夏道から早めに右にそれ、尻セードで沢に下る。これから残雪期にむかって、この尻セードが楽しみの一つでもある。今年は何か滑る工夫を考えなければならない。
 馬返しで一休みし下って行くと、歩くスキーの6人程がやってきた。馬返しの小屋で昼食をするという。この辺は鞍掛山にかけて、スノーハイクを楽しむ方々がいるみたいだ。お昼を食べるのにスノーハイクも素敵な楽しみ方である。
 柳沢への直線道路は長い。下へ真っ直ぐ見えるため、よけい長く感じる。今日は行動距離が短いせいもあり、疲れる前に車に着いた。

テン場から出発
テン場から出発

馬返し
馬返し

柳沢へ下山
柳沢へ下山

タイム:一合目テン場(8:30)→馬返し(9:25〜35)→柳沢(10:35)

 お山の湯で入浴するつもりだったら、お山の湯手前から相の沢付近の道路が積雪のため通行止となっていた。大した積雪はなかったように思うが、吹き溜まりになってしまったのだろう。
 愛真館でゆっくりと入浴し、途中でラーメンを食べる。盛岡駅に居谷さんを送り、盛岡の駐車場に下野さんを送りお別れする。
 今回は関東から東北にかけての悪天候で、四合目半までしか登れなかったが、冬山はとかく天候の確率が悪い。残念ではあるが、山頂を目指してまた訪れていただくことを願う。
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