神室山 西ノ又〜パノラマコース
 


2017年8月28日(月)〜29日(火)
 メンバー:須藤さん(宮城県)、小田中 智
 コース:パノラマ登山口〜西ノ又コース〜神室山〜パノラマコース〜登山口


 神室山(1,365.3m)は栗駒国定公園の西部に位置し、秋田・山形の両県に連なる神室連峰の主峰である。
 山頂近くには鏑山大神が祀られ、古来から山岳信仰の霊場として多くの人々に登拝されてきた。今日では健脚者向きのフィールドとして人気のある県内屈指の名山である。
 登山道は秋田・山形の両県側から整備されており、特に秋田県側は沢や滝、やせ尾根、湿原など、変化に富んだコースと、豊富な高山植物が魅力だ。
 神室山から南に延びる稜線は、神室連峰最高峰の小又山、怪峰の火打岳と連峰の主要三座を結ぶ縦走路が最上町まで続いている。
 山頂からは、鳥海山、月山、葉山など山形県内のほとんどの山々を一望する見事な大パノラマが広がる。
 神室連峰には、約130種にのぼる高山性および亜高山性の植物が分布し、県内でこの連峰のみに見られる希少植物も存在する。また、イヌワシ、クマタカなどの動物が生息し、春の山麓にはヒメギフチョウが舞う。

 神室山日帰り登山の依頼を頂いたが、登山口まで車での往復移動時間を考えると日帰りは難しくなり、どこかに宿泊しなければならなくなる。
 登山口付近の宿に泊まって日帰り登山するよりも、山頂の避難小屋で1泊して行動したほうが楽しくのんびり山を歩けることを提案して、1泊2日での登山となった。

28日(高雲り)
 パノラマコース駐車場に8時に待ち合わせし出発する。最近秋田県は大雨に見舞われ洪水被害があったばかりであったが、登山口までの林道は問題がなかった。
 傾斜の緩い沢沿いの登山道をゆっくり登っていく。二つの吊り橋を渡ると沢から離れ、蝉音と沢音を聞きながら尾根をトラバースするように歩いていくが、ところどころ急な岩場があり足元に注意する。
 沢に降りると三十三ひろの滝があり、細い水流が幾重に重なり流れ落ちている。小屋で使用する炊事用水を汲むが沢水はけっこう冷たかった。
 沢を渡渉し、いよいよ本格的な登りになる。この急登は胸突八丁坂と呼ばれかなりの急な登りである。したたる汗をぬぐいながら登りきると、傾斜が緩いクマのひるね坂となり、間もなく御田の神に着く。
 この辺は草原で高山植物が咲き乱れ、数箇所の池塘がある所だ。寒くなければ昼寝にもってこいの場所である。
 尾根に出ると道には散りかけたハクサンフウロが咲き、ようやく神室山が見えてきた。うっすらと日差しがあるがうす雲が多く、風がないので爽やかな天気だ。
 山頂は穏やかで薄日が差し、小又山への縦走路が南方へ続き、遠く火打岳が見える。東には虎毛山、その奥にうっすらと栗駒山がかすんでいる。雲で遠くの山は見えないが、このくらい見えただけで十分である。私自身、神室山でこの展望を見れたことはあまりない。
 のんびり山頂で過ごし、少し下って小屋に入る。平日のためか小屋には誰もいない。時間も早いので少しの間昼寝をする。
 夕食はもつ鍋、焼き魚、野菜サラダであり、まずはビールで乾杯する。山で飲む酒はことさら美味しく、これを味わうのが楽しみでもある。


コース案内図


第2徒渉点の吊橋


三十三ひろの滝


御田の神


ハクサンフウロ


神室山


神室山とハクサンシャジン


神室山と避難小屋


神室山山頂


小又山への縦走路


前神室山への稜線

タイム:登山口(8:05)→三十三ひろの滝(10:05)→御田の神(12:05)→神室山(13:30)→小屋(13:45)


29日(曇りのち雨)
 外はガスで風はあまりない。今日の天気予報は曇りから雨の予報であり、できるだけ雨にあたらないことを願う。
 ラーメンとチャーハンの朝食を食べ出発する。雨の中の西ノ又コースを下るのであれば大変であるが、パノラマコースは雨が降っても問題はないので気が楽だ。
 ガスで前の景色が見えない分、前神室山を越えるのは楽なような気がする。第二ピーク付近で雨が降り出し

本降りの雨となったが、だいぶ下っていくと雨は止んだ。
 今年は7月に入ると天気が悪くなり、カッパを着ないで全日程歩いたのは大朝日岳だけだ。9月からは秋晴れの天気が続いてほしいものだ。
 秋の宮山荘で入浴と食事をして解散する。


ガスにけむる山頂


ミヤマアキノキリンソウ

タイム:小屋(6:40)→前神室山(8:05)→登山口(11:00)
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