岩手山馬返し お花見登山
 


2019年7月10日(水)〜12日(金)
 メンバー:加藤さん(千葉県)、桐生さん(千葉県)、矢野さん(千葉県)、渡邉 正一さん、小田中 智
 コース:焼走り登山口〜平笠不動小屋〜岩手山〜不動平避難小屋(泊)〜お花畑〜大地獄〜七滝登山口


 岩手山の依頼があったので、コマクサの時期に合わせて焼走りから登り、不動平避難小屋で1泊し、鬼ヶ城から七滝に下山するように計画した。
 焼走り登山口には、国の特別天然記念物に指定された「焼走り熔岩流」があり、第1噴出口跡の上からの火山砂礫にはコマクサが群生している。群生の規模と株の大きさは全国でも珍しいようだ。
 また、それ以外の花の種類も多く咲いているので、ゆっくり登りながらお花見登山と洒落こむことにした。
 岩手山登山のコースタイムはどのコースでも往復9時間弱を要するため、のんびりお花見をするためには九合目の避難小屋に泊まるとゆっくり楽しむことができる。
 また、遠方から来県される方は盛岡に前泊しなければならないので、どうせ泊まるならと登山口に近い友人の別荘に泊めていただくことにした。友人の佐藤君は、盛岡市中ノ橋の居酒屋「たそがれ屋」の主人で、手作りのツマミが好評の店である。

10日
 友人の別荘は八幡平温泉郷にあり、源泉かけ流しの温泉風呂があり、暖炉がある山小屋風の別荘だ。焼走り登山口に近いし夜はみんなで酒を飲めるということで、わざわざ居酒屋を休ませてお世話になった。
 手作りのツマミを囲みながら飲む酒は美味だ。

11日(晴れ)
 朝食をごちそうになり、私の車を下山口の七滝登山口に置く。みんなを焼走り登山口に送ってもらい、福島の友人である邉ちゃんと合流した。彼とは昨年秋以来の再会で、これからが楽しみだ。
 邉ちゃん農園で作った桃とスモモを各自に分担し、ゆっくりと歩き始める。最近の気候は朝晩が涼しく、今日は晴れているが樹林帯のため日が当たらず涼しげだ。
 第1噴出口跡が近づくと花が現れ始め、噴出口跡を過ぎるとピンク色のコマクサが現れた。株は大きく多い株には10個以上もの花弁がついているものがあり、今が一番の咲き頃で可愛い。各自がカメラを構え、群生するコマクサとハクサンチドリを撮りまくっている。
 コマクサが終わると道脇にはミヤマカラマツの白い花が咲き、カラマツロードとなり見事だ。こんな姿を見たのは初めてである。登るごとに花の種類が増え、歩いているより立ち止まっている時間の方が長いくらいだ。
 三十六童子の岩場にムシトリスミレが風に揺れており、岩に咲くムシトリスミレも初めて見た。風が出始めてきたので涼しく、花に囲まれてゆっくりと歩くには気持ちがいい。
 平笠不動小屋で昼食にし休んでいると、山頂付近は風がかなり強いらしく、目前に迫る山頂を断念して下山してきた方もいた。天気は良く外輪を歩いている姿が見えるが、山頂直下は風が強い場所でもある。
 お鉢に向かって砂礫を登って行くと徐々に風が出てきたが相変わらず天気は良く、裏岩手の縦走路が見えている。お鉢に出ると風は強くなり、山頂手前では風速20m弱まで強くなった。下山した方が引き返した時間帯から、風はいく分弱くなったと思われる。
 遠方の山々は見渡せなかったが天気は良く、こんなに晴れるとは思っていなかっただけにうれしい。風が強いので写真を撮って左回りで下って行く。
 故杉村君に手を合わせ、岩手山神社奥宮で安全祈願をする。1日に山開きがあったためか新しい柄杓などがあった。
 不動小屋に荷物を置き、八合目へと水くみに行く。邉ちゃん農園の桃を洗い食べるととても美味しかった。本人は今年の桃は甘くないと言っていたが、山で食べるせいか十分な美味しさがあった。
 不動小屋は先客がおらず貸し切りのようだ。荷物を整理しながらチビリと飲むウイスキーは、ことのほか美味しく腹にしみ込んだ。一眠りして夕食の支度をする。
 今夜の夕食は、ステーキ、寄せ豆腐、サラダ、パスタで、肉を焼いてビールで乾杯する。やがて、安比から来たという若者たちが来て、彼らは八幡平市の消防隊で訓練だという。仕事とはいえ訓練で安比から来たのだから、本当にご苦労様だ。
 久しぶりに邉ちゃんと話すのは楽しく、1本のワインはすぐに空いてしまった。明日の天気を祈りつつシュラフに潜る。


溶岩流


ハクサンシャクナゲ


イチヤクソウ





ミヤマカラマツ


コマクサ


コマクサ


ハクサンチドリ


ミネヤナギ


ササバギンラン


シラネアオイ


サンカヨウ


ムシトリスミレ


ヤマオダマキ


白いハクサンチドリ


ミヤマキンバイ


平笠不動から見る山頂


屏風尾根と御釜湖


鬼ヶ城


山頂へ向かって


山頂にて


妙高岳


岩手山山頂


イワテハタザオ


イワギキョウ


ヨツバシオガマ


コケモモ


鬼ヶ城最高点

タイム:焼走り登山口(6:40)→平笠不動小屋(11:40)→山頂(12:55)→不動平避難小屋(14:00)


12日(小雨)
 一昨日の天気予報に反して、夜中から小雨が降り風も吹いている。この状態では鬼ヶ城は行っても大変なので、お花畑経由で七滝へ下山することにする。この状態では大きいカメラは使用できないのでザックにしまう。、
 お花畑に下ると多くの花が咲いており、登山道はハクサンイチゲロードだ。小型カメラを持参しなかったことを悔いる。
 大地獄への下りは急傾斜のザレ場で足元がヤバイ。急なザレ場を過ぎるとキバナシャクナゲが多く咲き、やはり雨でもカメラはあった方が良い。
 湯の華採取跡付近はぬかるみが多く、ここは長くつの世界だ。樹林帯に入ると風がなくなったせいで虫が多く、イライラしながら下って行く。ここの登山道もカラマツロードで、最初から最後まで花が咲き、正にお花見登山にふさわしいくらいに多くの花たちに出会えた。
 焼走りの駐車場で邉ちゃんから桃を1箱頂戴し別れる。焼走りの湯で汗を流し、盛岡で名物のじゃじゃ麺を食べてみんなとお別れした。

タイム:不動平避難小屋(6:45)→七滝登山口(11:45)





 友人の居酒屋 「たそがれ屋」盛岡市中ノ橋通二丁目6-1 おつまみは店主が作る手作り
↑ページの先頭に戻る