白山 ツアー登山
 


2017年7月22日(土)〜26日(水)
 メンバー:渡邉 正一さん(福島県)、加藤さん(千葉県)、佐々木さん、櫻田さん、小笠原さん、小田中 智
 コース:別当出合〜砂防新道〜室堂平〜御前峰〜室堂平〜観光新道〜別当出合


 白山のツアーは昨年の予定であったが、私の膝の手術のため1年先延ばしになっていた。
 一ノ瀬まで11時間ほどかかり遠くのため、白山だけではもったいないので、近くにある荒島岳のかけもち登山とした。
 大野市から東尋坊は近いので、さらに東尋坊の観光も加えたツアーを計画した。友人の邉ちゃんが参加してくれるので、酒飲みと運転を2人でできることが嬉しい。

 白山は石川、福井、岐阜、富山の4県にまたがり、最高峰の御前峰を中心に、大汝峰、剣ヶ峰、別山を主峰とする峰々の総称である。
 面積47700haにも及ぶ白山国立公園として大勢の登山者に親しまれ、ユネスコの生物圏保存地域に指定されるなど、その自然環境は国際的にも高い評価を得ている。
 白山の一番の特徴は、頂上付近の高山植物の豊富さで、7〜8月に高山植物が山肌を埋め尽くす景観は、まさに雲上の楽園だ。
 白山で発見・命名され、ハクサンまたはゴゼン(御前峰)の名を冠した植物は、ハクサンコザクラ、ハクサンフウロ、ゴゼンタチバナなど30種余りある。また、高山帯を有する山としては日本列島でもっとも西に位置し、白山を西限とする植物は、ハイマツをはじめアオノツガザクラ、ミヤマクロユリなど100種以上ある。

 荒島岳は福井県大野市に位置し、深田久弥によって『日本百名山』に加えられた山体は、三方が切り立った斜面で見上げると独立峰の印象を与える。
 山中のブナ林は、北面の勝原からの登山道周辺でも、下生えにオオバクロモジを配した巨木が立ち並ぶ多雪地帯の林相を示していて見事だ。
 また、急峻な地勢は鬼谷や荒島谷川などいくつもの滝を形成し、中でも大垂滝は落差が60mあり、福井県下第一である。

22日
 3時過ぎに家を出て3名を迎えて高速道に乗る。明日から山の天気はあまりよくない予報であるが、雨だけは降らないことを願う。
 福島で高速道を降り邉ちゃんを迎える。彼とはいつも電話で話しているが、今年は初めての登山である。糸魚川駅で東京から新幹線で来る加藤さんを迎えてメンバーは全員が揃った。
 車中は和気藹々とした雰囲気の中で、後ろの席からは笑い話が聞こえてきて、時には話の中に私も参加し、飽きないで遠い道のりを走ることができた。
 16時過ぎに車乗り入れ終了点である一ノ瀬にやっと着いた。宿泊先は一軒宿である「永井旅館」で、さっそく木の風呂に入浴する。風呂上がりの冷たいビールは格別だ。
 明日は雨の予報なので夕食時に天気祭りをする。

23日(小雨)
 マイカー規制のため、登山口までバスに乗り別当出合に向かう。朝食を食べてからなので一番のバスではないが、日曜日のせいかバスは混んでいた。
 登山口には、白山開山1300年という看板があり歴史の深さを感じさせられた。砂防新道を歩き始めて1時間もしないうちに小雨が降ってきた。
 甚之助避難小屋では登山者と下山者がごった返していた。上部は天気が悪いとみえ早くに下山してきたことと思う。
 小屋を過ぎると花たちが現れ始めたが、雨のせいか感動するほどのこともなく、先を急ぐように登っていく。
 室堂平付近は標高も高いためガスがかかり、景色は何も見えないが雨足は強くないのでそればかりは助かった。
 白山室堂には12時過ぎに着いたが、宿泊受付が13時からなので待たされる。宿泊棟は別棟のため傘をさして移動する。部屋に案内されカッパを脱ぐと衣類はすっかり濡れており、着替えをしてスッキリする。
 乾燥室の温風はかなり弱いため干しても乾かず、トイレはさらに別棟、食事は受付の場所ためまた移動しなければならないため不便な建物だ。北アルプスに比べると施設や設備は悪く、大勢の登山者が集まる山小屋にしてはお粗末だ。雨が降らなければ問題ないのであろうが、雨降りの場合は悪いところだけが目立ってしまう。
 昨日は混み合ったようだが、今日はそれほどでもなく、寝る部屋はゆとりがある部屋割りだった。着替えが終わると邉ちゃんと飲み始め、夕食時にはかなりできあがっていた。


別当出合登山口にて


キヌガサソウ


ウラジロナナカマド


ヨツバシオガマ


イブキトラノオ

タイム:別当出合(7:00)→甚之助小屋(10:05)→白山室堂(12:05)


24日(曇り)
 朝食を終え出発の準備をしていると、メンバーの1人の登山靴の新しい敷かわが古いものに差し替えられたと言い、もう1人はスパッツがなくなったという。また館内放送ではよその方のカッパのズボンがなくなったとの放送もしていた。
 今まで多くの山を歩いてきたが、忘れ物をしたことがあっても泥棒にあった話は聞いたことがなく、白山は今回がたまたまなのか頻繁にあることなのだろうか?しかし登山でそんなドロボーじみたことがあるのは大変なことだ。
 今朝方まで雨が降っていたが止み、外はガスがかかっており風が強そうだ。この天気ではお池めぐりをしても何も見えないので、山頂に行って早々に下山することにする。
 白山日祥神社にお参りし山頂に向かうと、神社脇にはクロユリがたくさん咲いていた。クルマユリなども咲いていたが撮影は下山時に残し先を急ぐ。
 登るごとに風が強くなり、白山奥宮では風速15mほどになった。山頂は目前である。一年越しとなった白山山頂は何も見えない乳白色で、お池めぐりをしたかったがこの天候では山頂を踏めただけでも良しとしなければならない。
 クロユリの群落は見事で、これだけ咲いているのは他にもあるのだろうか?クルマユリの群落も見事で花の時期はピッタリだったようだ。
 雨が降っていないので下山路は観光新道を下るべく、黒ボコ岩より別れる。このコースは花が豊富で、斜面にはクルマユリやシナノキンバイの群落が目を見張るばかりに咲いている。
 昨日は雨のせいでゆっくり花を見つめる余裕がなかったが、今日は曇り空ではあるが雨は降っていないので、お花をじっくり眺めながら下っていく。
 尾根から分かれると急な下りとなり、沢沿いにつけられた急な登山道は雨が降ったら沢になるような下りで、一気に工事用道路まで下る。
 バスから降りて車に乗り込むと同時に雨が降ってきて、間一髪のタイミングで雨に当たらずにすんだ。今夜の宿は大野市の勝原駅近くの民宿なので、ナビの案内で宿に向かう。
 宿は勝原駅の近くの「民宿 林奏」で、登山客専門の宿宿だ。湿度が高いため冷房がない部屋は暑苦しい。火照った湯上りの体を扇風機の風を当て、冷たいビールで中からも冷やす。
 1泊2食5,500円の料金のため食事は期待していなかったが、こだわりの手作り料理は立派な食卓だった。


クルマユリ


コイワカガミ


クロユリ


アオノツガザクラ


ミヤマアキノキリンソウ


シナノキンバイ


ハクサンシャジン


ニッコウキスゲ


イワベンケイ


ノアザミ


シモツケソウ


ササユリ

タイム:白山室堂(6:25)→御前峰(7:15)→白山室堂(8:05)→別当出合(13:15)


25日(小雨のち曇り)
 夜中に突然サイレンが鳴りびっくりしたが、九頭竜川の放流によるサイレンだった。夜から朝にかけて大量の雨が降っていたようだ。
 朝から雨なので荒島岳登山は中止にして、今日は観光日にする。観光に出かける時間まで早いので、朝食後しばらくゆっくりする。
 出かける頃には雨が止んだので九頭竜ダムへ向かっていくと、川は茶色く濁った濁流となっており、昨夜の雨の量の多さを物語っていた。この天気の悪さは、北陸地方に前線が停滞しているためのようだ。
 ダムの資料館の中で九頭竜ダムができるまでの映像を見て、帰りには土砂降りの雨に見舞われた。
 次に曹洞宗の本山である永平寺に向かう。参拝し車を止めた店に入ると、石井スポーツ盛岡店の四戸さんに会った。石井スポーツとコープ協賛による白山ツアーで来たが、一ノ瀬から別当出合の道路が雨で危険になったため入山できず、登山をやめて観光しているという。
 私たちより1日遅れで盛岡から新幹線で来たらしいが、明日はそのまま帰るという。とても気の毒であり、私たちはまだ運が良かったほうだった。
 今日の宿は東尋坊の民宿なのでナビの案内で走っていく。時間的に早いが小雨が降ってきたので、観光船は明日の朝にして東尋坊タワーを見物した。
 宿は東尋坊の近くにある「料理・民宿 明治」で、漁師と海女の宿だというので食事が楽しみだ。入浴して湯上りのビールは格別だ。ツアーに来ると飲んでばかりいるので体重は増える一方で、帰ってからの減量が大変だ。
 夕食は舟盛りがついた期待どうりの魚づくしの料理だ。この肴で飲む日本酒はまた格別だ。

26日(晴れ)
 最終日になってやっと青空がみえた。観光船から眺める雄島と東尋坊は素晴らしい。テレビで見る東尋坊の断崖は迫力あるが、実際は高さが30m程で小さく、三陸海岸の方が遥かにスケールが大きい。
 糸魚川駅で加藤さんと別れ、福島で邉ちゃんと別れると間もなく皆さんともお別れになり淋しい気持ちだ。


東尋坊の観光船


東尋坊


東尋坊にて

 雨の白山は全く展望が見れなかったし、荒島岳は雨で登れなかったが、クロユリとクルマユリの大群落を眺め、福井県の観光もできたので、天気が悪い状態の中を考えると満足できたツアーだったように思う。



白山温泉 永井旅館 木の風呂と料理が良かった


民宿 林奏 登山客専門の宿 格安料金ながら料理が良かった


民宿・御料理 明治 海の幸が美味しかった 漁師と海女の宿
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