高下岳から和賀岳 敗退
 


2018年1月13日(土)〜14日(日)
 メンバー:佐藤 博さん、下野さん、小田中 智
コース:銀河高原駐車場〜高下岳登山口〜高畑コース〜高下岳〜根菅岳 往復


 和賀岳は真昼山地の主峰で、岩手県西和賀町と秋田県仙北市の県境に位置する。ブナの原生林が広がる高下岳、薬師岳とともに和賀川源流域を構成し、国の和賀岳自然環境保全地域に指定されている。
 和賀岳は奥羽山系真昼山地に位置するため日本海の影響を受け冬は積雪が多く、真昼山地の中央部のため登山口から山頂は遠く、林道から登山口までの距離も長い。
 岩手県側から登る場合、雪の状態がよくスピード登山をできる方であれば日帰りも可能だが、普通は高下岳か根菅岳付近にテント泊して頂上を狙うのが楽だ。しかし、雪が深く天候の状態が悪ければ1泊でもきつい山である。

13日(曇り時々晴れ間)
 自宅に5時半に集合してもらい沢内に向かう。まだ年が明けて間もないせいか雪の量は少ない。友人の佐藤君と登るのは9月以来である。
 いつもであれば大荒沢集落の除雪終了点から歩き始めるのであるが、銀河高原から大荒沢を徒渉して入った方が早いとの情報があったので試してみることにする。
 銀河高原に車を止め、500mほど林道を進んでから左の林に入る。大荒沢川に出るが浅瀬が見つからず右往左往しながら何とか渡り、急な斜面を登って林道に出た。このルートはダメで、帰りはもう少し下を渡ることにする。
 早池峰の時もそうであったが、今回も雪の潜りは少ない。下雪がすっかり固まっているようだ。これから先もこう願いたいものだ。
 登山口から尾根への登りに入り、標高が上がっていくとブナの木は大木になってきた。広い雪の斜面に出ると青空で新雪が日に照らされてまぶしい。
 ラッセルは少ないながらもラッセル交代しながら進んでいくと、しだいに天候は崩れてきて風も強くなってきた。ここは南峰と北峰の鞍部下の最後の灌木帯であるが、ここから目的地のテン場までは1時間少々かかるので、今日はここにテントを張ることにする。
 雪面は硬いので踏み固める必要もなく4人用テントを張る。テントの中に入っただけで暖かい感じだ。今回の食事は各自なので、自分のコンロで水作りから始める。
 ひと口ふた口飲むウイスキーは格別の味だ。時間はまだ4時ころであるが、待ちきれずに飲み始める。まぁこれはいつものパタンではあることだ。
 各自持参した食事を品評しながら、美味しい楽しい時間はゆっくりと過ぎていった。外では雪が降り始め風も出始めているが、火の気のあるテントの中は暖かく快適だ。
 ある程度酒がなくなって、時間はまだ早いがシュラフにもぐる。


登山口への林道


登山口から山に入る


高畑コース


広い尾根は気持ちがいい


奥が高下岳

タイム:銀河高原(7:25)→登山口(9:20)→テン場(14:20)


14日(風雪のち曇り)
 4時半に起床すると、テントの幕面には真っ白い霜がはっていた。各自で朝食を終えるがまだ暗いので明るくなるまで待つ。
 新雪は10cmほど積もっていて、小雪が降り風が吹いていた。テントと不要な荷物は残し、スノーシューをつけて出発する。歩き始めは膝下まであったラッセルも稜線に出るとほとんど無くなった。
 高下岳の山頂では風速15m程の風が吹き周りの景色は見えなかったが、視界はあったので先へと進んでいく。根菅岳手前の鞍部では視界が悪くなり始め、根菅岳では風も強く視界も良くなく、残念ではあるがこの先は次回の持ち越しとして引き返すことにした。
 今年1回目の敗退である。昨年1月から3月の登山では、9回中4回の敗退であり、4割強は敗退になっている。冬は回数を重ねるごとに敗退の確率が高くなるが、天候を選んで入山できれば確率は上がるだろうが、土・日基本の場合は運もある。
 テントに戻り中で熱いお茶を飲む。時間はたっぷりあるのだから読図をしながらゆっくり下って行こう。登りでは気付かなかった小さな尾根でも、下りになると入り組んでいるもので、地図を見ることによって改めて概念が分る。
 来るときに出た林道地点を過ぎて、地図の堰堤マークに向かって川に向かう。堰堤に降りるところはかなり急な斜面で、堰堤ではスノーシューを着けたまま徒渉する。危なっかしい小沢を渡り樹林帯に入る。
 ここまで面倒くさいことをして、たかだか1kmほど近道してもメリットはないように思う。次回からは集落から林道を歩くことにする。
 車窓から見える岩手山は晴れていて美しく、やはり奥羽山系だけが天気が悪いようだ。


高下岳への登り


高下岳 標識が新しくなっていた


根菅岳


根菅岳鞍部の樹氷


高下岳 北峰と南峰


大荒沢の堰堤

タイム:テン場(6:50)→高下岳(7:25)→根菅岳(8:30)→テン場(9:35〜10:35)→銀河高原(13:50)
↑ページの先頭に戻る