モッコ岳
 

沢尻岳稜線から見るモッコ岳

2015年4月4日(土)〜5日(日)

 メンバー:小泉 昌弘(盛岡山想会)、小田中 智
 コース:貝沢集落〜冬道〜前山分岐〜沢尻岳下〜モッコ岳 往復


 盛岡山想会会員の小泉さんと、1泊でモッコ岳と羽後朝日岳に行くことにした。小泉さんは私のクライミングとアルパイン登山の師匠で、20代前半に雲表倶楽部に在籍して登った方である。
 私が数々の岩壁や冬の北アルプスを歩けたのも、彼との出会いがあったればこそだ。もう一緒に歩くのは36年ぶりになる。
 モッコ岳と羽後朝日岳は登山道が廃道となり、雪がある時期しか登れない山である。沢尻岳付近に1泊してのんびり登る予定だった。

4日(快晴)
 5時に自宅に来てもらい、小泉さんの車を置いて私の車で貝沢に向かう。この時期になると夜明けも早くなり、今日はよい天気である。
 貝沢集落の除雪終了点で準備をしていると、3人パーティがやってきた。聞くと盛岡RCC所属だと言い、先に出発していった。
 雪は少し柔らかく若干潜るが、川を渡ってからワカンを履こうと思いツボ足で歩く。先行者の足跡について行くと、夏道の左の尾根に入って行っていた。
 杉林をぬけるとモッコ岳が見え、空は雲一つない良い天気だ。この尾根は前山分岐に続く尾根で、夏道はないので、いわゆる冬道で夏道より距離的に近い。
 小泉さんには食料2kgを背負ってもらっているが、トレーニングしているせいか私の後をピッタリついてきている。
 尾根上に上がるとブナの大木が多くなり、歩きやすい良いルートで、スキーを使うには格好のコースだ。先行パーティの1人はスキーを履いていた。
 前山分岐を過ぎると岩手山が見え、だいぶ雪が少なくなった姿は勇壮だ。張り出した雪庇が切れており、出ている夏道をワカンのまま歩いて行くと、真っ白いモッコ岳が見えてきた。
 モッコ岳手前の鞍部付近には張り出した雪庇が見える。和賀連峰の風は秋田県側から強い風が吹くとみえ、雪庇は岩手県側に張り出している。
 尾根は緩やかで広く、樹林もかなりまばらになったので、高下岳の山容が日に照らされて輝いている。今年は、日曜日に天気の日が多いように感じられる。
 このまま沢尻岳の稜線に上がると明日は風が出るので、手前の森林限界に泊まることにする。テントを設営していると上からスキーで滑ってきた人がいて小泉さんを知っていた。
 もう一人滑ってくると、西和賀町の藤原さんだった。藤原さんには昨年の冬、焼石岳で迷った時にお世話になった方である。尾根で追い越されなかったが、下の杉林付近で追い越したらしい。
 サブザックになると荷物が軽いため、体が浮いているような感じだ。こんな天気の良い日に、素敵な雪景色を眺めながらのんびり歩けるのは幸せなことである。
 稜線に上がると目の前には羽後朝日岳と大荒沢岳が現れ、生保内川を取り巻く尾根と源頭の羽後朝日岳の迫力ある山容がすごい。また、秋田駒ヶ岳の迫力ある山容も素晴らしい。
 モッコ岳の鞍部付近は雪庇の張り出しが大きく、緩やかな尾根の割には風の強さがうかがわれる。
 山頂は広くGPSで三角点の場所を確認する。羽後朝日岳から大荒沢岳、根菅岳、和賀岳の稜線は美しく、3月に高下岳から登った和賀岳ははるか遠くに見える。
 鳥海山は和賀岳の稜線に隠れて見えないが、真っ白い姿の森吉山は遠くに見えている。秋田駒から岩手山に続く稜線の姿は良い眺めだ。こんな光景はなかなか見れないものだ。
 テントに着いたのは15時少し前であるが、外で缶ビールを一本空ける。今夜の夕食はホルモン焼きと湯豆腐だ。 小泉さんと山を歩くのも2人で飲むのもしばらくぶりであるが、45年も昔の雲表倶楽部のことばかり話す先輩には、やはり年齢を感じさせられた。
 夜中に2度も腹が痛くなったのは、雪をカキ氷にして食べたせいだろうか?


登山口手前からのモッコ岳


ブナ林の尾根


沢尻岳


大分雪が少なくなった岩手山


モッコ岳


沢尻岳の稜線


雪庇の亀裂とモッコ岳


根菅岳と高下岳


生保内沢と羽後朝日岳


モッコ岳


大荒沢岳と羽後朝日岳


モッコ岳


大荒沢岳と羽後朝日岳をバックに


高下岳から根菅岳、和賀岳


大荒沢岳と羽後朝日岳


秋田駒ヶ岳


岩手山


沢尻岳直下のテント

タイム:貝沢集落(6:55)→前山分岐(10:30)→沢尻岳直下テント(11:45〜12:45)→モッコ岳(13:50)→テント(14:50)


5日(小雨)
 朝方早くから雨が降り出した。今日は昼まで天気はもつはずであったが、天気の流れが早くなったみたいだ。冬テントにはフライがないので縫い目から雨がもってきた。
 小降りではあるが、今の時期の雨は冷たいので、今日の羽後朝日岳は中止にして、食事後は即下山することにする。
 起きるとすぐにカッパを着て朝飯の支度をする。テント撤収時には、底に雨水が溜まっている程であった。
 テントを撤収して、来た時の足跡をたどり下り始める。昨年は2月始めに雨にあたっているが、今年は初めての雨である。

タイム:テント(8:00)→車(10:15)  

 矢巾の百万石の湯で汗を流し、私の自宅で先輩と別れる。
 私の歩くのは早くはないが、荷物を背負って私と歩けるのは大した先輩だ。さすが私の師匠である。
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