神室山 ガイド登山
 


2015年11月22日(日)〜23日(月)
 メンバー:昆さん、吉田さん、佐藤 博、小田中 智
 コース:西ノ又林道登山口〜パノラマコース〜前神室山〜神室山〜避難小屋 往復


 神室山に行きたいという依頼をいただいた。
 神室さんは標高が低いながらも山は深く、盛岡から登山口まで片道2時間半近くかかるので日帰りは無理のため、山頂直下の避難小屋に泊まることにする。
 11月下旬のため小屋内は寒いが、室内には石油ストーブがあるので、灯油を持参するとストーブが使えるし、銀マットと毛布も常設している。
 コースは沢沿いの西ノ又コースと稜線をたどるパノラマコースがあり、一周することができる。しかし、10月末頃で吊り橋の鉄板が撤去されるため、通過は歩きづらくなり危険を伴う。
 この頃は新雪がある時期でもあるので、コースはパノラマコースを往復し、小屋で美味しい物を食べながらのんびりできる計画とした。

22日(うす曇り)
 佐藤君が5時に家に集合し、昆さん、吉田さんを迎えて高速道に乗る。今年は暖かく、通年であれば岩手山の中間部までは白いのであるが、今は山頂にも雪が無い。
 登山口の駐車場には2台の車があり、テントも張ってあった。今日は連休でもあり雪が無いので、富士山ナンバーの車があった。天気は穏やかで日もさしこんでいる。初冬の時期ではあるが、今日は晩秋の登山日和である。
 小屋には水が無いので、水2L、灯油2Lと炊事用具でザックの重量は20kgであった。佐藤君に食料全てを持ってもらったので助かった。
 歩き始めてすぐに急登となった。登山道に日が当たり10月後半の山みたいで暖かみがあった。急な登りから尾根道となり、大きなブナの大木が見事だ。
 一休みすると、佐藤君はブナの実を拾い始めた。先週は三ッ石で食べたがけっこう美味かった。佐藤君が酒を買ってくるのを忘れたというので、車のカギを渡そうとしたらいらないという。ペットボトルのキャップ1杯をショットにして売ることにする。山ではあるコールが最も重要であるのだ。(笑)
 第一ピークを過ぎると高松岳から虎毛山の姿が見え、後方には栗駒山がうっすらと見えた。高曇りみたいな天気ではあるが、遠方の山も見えているので稜線での展望が楽しみだ。
 第二ピークの登り付近で富士山ナンバーの単独者に会った。連休で東北の山を登りに来ているという。やはり日本200名山に入っている山だけある。
 第三ピークの稜線に立つと展望が良くなるが、前神室山が邪魔して神室山の姿はまだ見えない。栗駒山の山頂付近には幾筋か白くなっているが、それ以外の山は黒々としている。
 前神室山に着いてやっと神室山頂が見え、奥に小又山、火打岳がかすんで見えた。しかし、山頂はまだ遠い。鳥海山の山頂は見えないがさすが、東北第2位の高峰だけあって上部は白くなっていた。
 写真を撮っていると下山してきた3人の中に見た顔があった。数年前に盛岡山想会に在籍した小田さんだった。駐車場にテントを張っていたパーティだった。
 山頂手前には1,325mピークがあり、山頂はまた陰に隠れた。やっと山頂に着いたのは15時を過ぎていた。7時間半ほど費やして山頂に着いたが、全員元気である。
 神室山に登りたかった2人には感動のピークで、しばらく写真を撮ったり眺めたりとのんびりする。今夜泊まる神室山頂上ホテルはすぐ下にあるのである。
 小屋は誰もいなく貸切で楽しめそうだ。マット、毛布、テーブルを借用して、食卓と寝床を作る。食卓はテーブルと毛布を利用してコタツを作る。石油ストーブ2台に灯油を入れ、ぬくぬくの夜を過ごせる準備が出来あがった。
 まだ時間は早いが、本ディナー前の乾杯をする。佐藤君はアルコールを持ってきていなかったので、ペットボトルのキャップを渡すが受け取らなかった。1杯500円の約束であったが、出世払いだと言う。再来年は退職する年齢なのであり、これから出世するはずはないのだが。(笑)
 今夜の夕食は、野菜サラダ、生玉子付きすき焼き、鯛の焼魚に大根おろし添えである。背中にストーブがあるので熱くてダウンを脱いだ。コタツの中にはガソリンコンロを入れていたが、熱いのでコンロを炊事に使用する。
 飲み物はビール、焼酎、紹興酒、ウイスキーがあった。飲んで、話し、笑ってと夜は長く楽しい。しかし、腹も苦しくなり、酒がなくなると寝るしかない。2人は昨夜、今日の神室山に興奮して睡眠不足だという。


西ノ又登山口


831ピークへの登り


高松岳(左)、栗駒山(中央)、虎毛山(左)


前神室山

1,325mピークと神室岳        


前神室山を振り返る


1,325mピークと神室岳


前神室山
         

神室山へ向かって


山頂にて


山頂にて

小又山への縦走路       


前神室山を振り返る
         

避難小屋


山頂にて


ブナの実 これを剥いて食べる

タイム:登山口(7:50)→第一ピーク(10:30)→前神室山(13:00)→有屋分岐(14:15)→神室山(15:10〜25)→
    避難小屋(15:30)

23日(ガスのち曇り)
 御来光に合わせて起きるとガスっていたので、再びシュラフに潜りウトウトする。昨夜は20時に寝たので、10時間近く寝ているのであるがまだ眠い。若者は何時間でも寝れるというのであるが、もう我々はしばらくするとずっと眠れるのであるから、そんなに寝なくてもいいはずであるが。(笑)
 日本そばとチャーハンの朝食をすませ、パッキングをする。灯油と水がなくなったので、ザックはだいぶ軽くなった。掃除をして出発の準備を整える。
 まだガスっているのでカッパを着て出発する。展望は全くないが、昨日たくさん雄大な展望を見せてもらったので悔いはない。雨が降らないだけでもありがたい。
 前神室山の鞍部でガスが晴れたので、カッパの上をぬいだ。後は下るだけではあるが、ピークの登り返しがある。休みながらのんびり下って行く。
 第一ピークからの下りは急で長く疲れた。膝がガクガクし始めた時、駐車場の車が見えた。
秋の宮山荘で入浴すると、このホテルは11月末で閉館になるという。ここの風呂は広く良い温泉なだけに残念だ。スパッチェ休憩センターでラーメンを食べ家路につく。
 帰りは沢内経由で帰っていく。


前神室山から見る山頂方面

タイム:避難小屋(8:45)→第一ピーク(10:30)→登山口(13:05)

 11月末の神室山は雪を心配したが、晩秋の山みたいで暖かった。初めての神室山登頂は感激していただいたみたいであるが、何より天気に恵まれたのが良かった。展望があるのと無いのとでは雲泥の差である。
 山小屋生活も楽しんでいただいたみたいで、何から何まで素晴らしく素敵な神室山であった。

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