八甲田大岳 大岳から硫黄岳を経て睡蓮沼へと、快晴の中スキーで滑降する!
 
八甲田大岳

5月12日(土)〜13日(日) 天候:12日/小雨、13日/晴れ
 メンバー:渡辺 正藏、國本 旗男、佐藤 泰、小泉 昌弘、中村 勲、三浦 功、藤原 裕、本堂 芳太郎、
      小田 嘉洋、小田中 智
 コース:ロープウェイ山頂公園駅〜赤倉岳〜八甲田大岳〜仙人岱ヒュッテ〜硫黄岳〜睡蓮沼


 昨年入会した新人の歓迎会を、テント泊により八甲田で例会山行として行うことになった。
 今の時期の八甲田は、まだ残雪が豊富でいまだに冬の状態なのだが、そのためか残念ながら新人は2名の参加にとどまったが、会員は8名参加したので久しぶりに10名の大部隊となった。

12日(土)
 13時に滝沢インターに集合し、私の車と中村さんの車に分乗する。私の車にはスキーと荷物を積み込み、中村さんの車には7名が乗り高速道を走る。
 小雨でガスのため、残念ながら城ヶ倉渓谷の景観は望めなかった。酸ヶ湯温泉の上の駐車場に車を止め、2台の間に8人用のテントと佐藤さんのテントを張る。
 テントに10人が入り、食事の支度にかかる。当然ながらコック長は私で、買い込んできた食料を仕分ける。今晩のメニューは、サラダ、キムチ鍋、生タラのムニエルと今回も豪華版である。
 サラダを作って、まずはビールで乾杯する。心ある人が持参したツマミ、ワイン、ブランデーと次から次と差し入れが出てきて、徹夜で飲んでも飲みきれない量だ。
 キムチ鍋の一回戦を食べながら、話題は例によって昔話へと飛んでいった。キムチ鍋のニ回戦は売れないので止めにして、うどんを入れてキムチうどんにした。
 話は尽きることがなく、飲んだ時の時間がたつのは早いもので、5時から飲み始めたのがアッという間に10時になっていた。宴会をしめると、車2台、テントへと各自好きな寝ぐらへと散っていった。

13日(日)

 6時頃、外をワサワサと歩く足音で目が覚める。さっそく朝食の支度にとりかかる。
 メニューは日本そばとレトルトのピラフである。そばは鶏肉とシイタケでダシをとり、とき玉子とネギを入れ完成。レトルトのピラフはフライパンで炒めたが、サッパリとしてなかなか美味しかった。
 みんなでテントを撤収して、出発の準備にかかる。ロープウェイの始発は9時なのであせる必要もない。天気はまだ曇っているが、青空がのぞいているのでやがては晴れるであろう。
 9時始発のロープウェイには定員オーバーのため乗れず、並んで次の便を待つ。やはり乗る人のほとんどはスキーかボードを持っていて、春の滑りを楽しむ人で混雑している。
 山頂公園駅に着くと、昨夜の雨からサラッと雪が降ったみたいで、赤岳の木々は新雪を付け、太陽に照らされ白く光っていた。

山頂公園駅
山頂公園駅

盛岡山想会の勇士
盛岡山想会の勇士

 途中から戻る辺さん、國さん、私と小田さんはツボ足で歩き、他の者はシールを付け歩き始めた。
 アオモリトドマツに付いた雨は朝の冷え込みで凍り、太陽に照らされてキラキラと輝いて美しい。冬の真っ白い樹氷も美しいが、氷だけの樹氷もまた美しい。山の表情はその時により変わり、それぞれがまた美しい。

アオモリトドマツの樹氷
アオモリトドマツの樹氷

輝く樹氷
輝く樹氷

赤倉岳への登り
赤倉岳への登り

氷が被った登山道
氷が被った登山道

 先行の7人パーティに追いつくと、昨日は吹雪の岩木山を登ってきたと言っていた。振り返ると南方には、頂上部が尖って格好良い岩木山が見えた。
 稜線に出ると風があるので、登山道から脇にそれた斜面で後続を待つ。登るにしたがい風はますます強くなるが、天気はしだいに良くなり陸奥湾が見えた。

赤倉岳 後方に岩木山
赤倉岳 後方に岩木山

 やがて井戸岳の赤茶けた火口内壁が見え、左には三角錐の高田大岳、前方にはこれから向かう八甲田大岳が見えている。昨年は2週間遅れで来ているが、昨年よりも雪は多い感じだ。

井戸岳の火口と八甲田大岳
井戸岳の火口と八甲田大岳

井戸岳の火口内壁
井戸岳の火口内壁


高田大岳

 大岳鞍部避難小屋にはたくさんのボーダーがおり、皆は若者たちでワイワイと春の八甲田を満喫していた。一休みして行動食を食べ、大岳の登りにかかる。

大岳鞍部避難小屋で
大岳鞍部避難小屋で

大岳への登り
大岳への登り

井戸岳の火口
井戸岳の火口

高田大岳
高田大岳

 雪の斜面から急な登山道で一汗かいて山頂に立つ。皆で記念写真を撮ったが、残念ながら撮り損じていた。
 昨年登った南八甲田の峰々はゴールドラインの向こうに櫛ヶ峰へと続き、昨年楽しく滑った斜面が見えている。
 仙人岱へと夏道を下りすぎたため、左にガレをトラバースして雪の斜面に出る。急な斜面で仙人ヒュッテへと続いており、その奥にはこれから下る睡蓮沼がある。
 自作の下り用補助具を装着しフリートレックを履く。左ひざを痛めているため、滑り始めるまで少しの時間と勇気が必要だった。滑り始めると陽に照らされ腐れた雪は曲がりやすく、補助具を利用して後傾姿勢で滑っていく。各自それぞれのスタイルで滑降を楽しんでいた。

大岳から滑った斜面
大岳から滑った斜面

 ヒュッテでこのまま睡蓮沼に下る人と、硫黄岳へ登り滑るパーティに分かれ4人で鞍部へと下り、スキーを引っ張って硫黄岳へと登って行く。
 硫黄岳からの斜面はけっこう急な斜面で、さきほど別れたパーティは下で待っている。見られているのを滑るのは恥ずかしいが、滑り始めるとこれがまたおもしろい。半分下って立ち止まると急にスキーが滑らなくなった。おかしいと思いながら滑走面を見ると、なんとプレートが剥がれ落ちているではないか。剥がれたプレートは少し上に転がっていた。
 ヒュッテで見た時は確かに一部が剥がれていたが、全部が剥げるとは思ってもいなかった。2月に半分剥がれた部分を、自分が接着剤で接着した部分だった。
 仕方なくスキーを担いで仲間の所に行くと、こんなの初めて見たと笑われてしまった。俺だってこんなの初めてなのだ。
 皆は先に滑って行ったが、佐藤さんは自分の板の後ろに乗ってみろ言ってくれ、乗ってみるが膝を痛めているので歩くことにする。あとは頑張って歩くのみだ。目印の竹竿とシュプールの跡に導かれながら、ドンドンと下って行く。
 睡蓮沼では、ロープウェイから車を持ってきてくれた、辺さん、國さんが待っていてくれた。先行者との時間を聞くと、15分ほどの遅れであり安心した。
 まさかこのコースを、スキーを持っていながら歩くとは思ってもいなかった。天候に恵まれ、岩木山の雄姿を見ながら大勢の仲間と歩く山はとても楽しかった。

タイム:ロープウェイ山頂公園駅(9:40)→赤倉岳(11:20)→八甲田大岳(13:00)→硫黄岳(14:15)→睡蓮沼(14:50)
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