白峰三山縦走
 



2018年9月16日(日)〜20日(木)

 コース:広河原〜大樺沢二俣〜八本歯のコル〜北岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜大門沢小屋〜奈良田
 メンバー:加藤さん(千葉県)、佐々木さん、吉田さん、小橋さん、渡邉 正一さん(福島県)、小田中 智


 南アルプス北部にそびえる標高3,193mの北岳は、富士山に次ぐ日本第2位の高峰だ。山麓から遠望する頂きは、古く平家物語にも登場し、白根(白峰)と呼ばれた。北岳の南に連なる間ノ岳は、標高第3位の高峰で北岳に立って初めて、その重厚感ある山容を現わす。間 ノ岳からさらに南に延びる稜線には、農鳥岳がそびえ、この3座をあわせて白峰三山と呼んでいる。3座を結ぶ雲上の稜線は、高山植物の花々と雄大な展望に恵まれ、南アルプスを代表する縦走コースの一 つになっている。
 白峰三山の縦走は、日本の標高第2位の高峰北岳を踏み、第3位の間ノ岳、連なる農鳥岳は白峰三山と呼 ばれ、南アルプス北部でも人気のコースだ。標高3,000m峰を越えていく縦走は南アルプス・北アルプスの山々、富士山の展望が素晴らしく、最後の農鳥岳から見る北岳と間ノ岳はひときわ感概深い。

 北岳を縦走したいとの要望がありメンバーを集めると4名となり、友人の邉ちゃんを含めて総勢6名の大人数になった。
 縦走はとても魅力的なコースであるが、メンバーの足がそろわないと苦労するコースで、今までに2回行っている。

16日(曇り)
 家を4時に出て各自の家を回り高速道に乗る。加藤さんとは甲府駅14時過ぎの待ち合わせで、福島の邉ちゃんの家に着いたのはだいぶ早い時間だった。予定よりも早く甲府に着きそうなので、待ち合わせの時間を早めていただく。
 久喜インターから圏央道に入ると八王子手前から渋滞が始まり、相模湖までかなり渋滞している交通情報が流れていた。実際には八王子JTC手前から車が動かなくなり、甲府での待ち合わせ時間にはかなり遅れそうだ。
 こうなったらあきらめるしかなく、幸いトイレの要望がなかったのが助かった。中央道の談合坂を過ぎると車の流れは元に戻ったが、付近のサービスエリアはトイレのためか長蛇の列だ。
 甲府に着いたのは14時半頃で、加藤さんをだいぶ待たせてしまった。今までの中でこのような交通渋滞は初めての経験で、年配者の我々にとって大変なのはトイレである。
 甲府からの奈良田に向かうナビの案内は高速道の指示であり、3年前にはなかったが新しい道路ができたようだ。後で調べてみると中部横断自動車道が1区間できているのだった。
 奈良田温泉の宿「民宿 えびなや」には思ったより早く着き、早くも酒盛りが始まった。「民宿 えびなや」はバス停に近く、料金が安い割には料理も良く、ログハウスの部屋もある民宿だ。
 夕食時に下山したパーティと話したら、風がものすごく強く雨も降ったので悲惨で危険な縦走だったと言っていた。


17日(曇り)
 5時30分発のバスに乗るために早めの朝食にしていただく。昨夜は何故かほとんど眠れなく頭がボーッとしている。空には青空が見え悪くない天気のようだ。
 連休が終わったせいか広河原行きのバスでは座ることができた。しかし、広河原に着くと多くの登山者がいた。雲は低く山頂方面は見えないが、今日は雨さえ降らなければよく、明日こそは晴れの天気であってほしい。
 ゆっくりと登りだし、例によって多くの後続に追い抜かれながらもマイペースを守っていく。一昨日までの雨のせいで大樺沢の水量は多く、登山道にも水が流れている所があった。
 コースタイムどうりの時間で二俣に着き、トイレ休憩と腹ごなしでゆっくりと休む。バットレスには雲がかかり全く上部の景観は見えなかった。
 ここから左俣コースはしばらくザレ場が続くのであるが、最近の雨のせいか所々崩れだいぶ歩きにくくなっている。ザレ場が急になる頃にはバットレスの四尾根の岩壁が見え始めたが、上部は雲の中だ。
 急な木製のハシゴは、湿って濡れているのと所々斜めになっているので慎重に登って行く。高度が上がってくると、部分的に葉っぱは色づき始め紅葉が始まりかけていた。
 八本歯のコースは途中から一気に急傾斜になりコルに出るためキツいコースだが、晴れていればバットレスの眺めが素晴らしく、花の時期には右俣コースより花が多く咲き、紅葉の時期には鮮やかな色どりで美しいコースである。
 コルからの絶景は雲の中ではあるが風は弱い。それでも高度が高いため涼しすぎるのでカッパの上を着て、ゴロゴロした岩の稜線を登って行く。
 1名の方が体調を崩したため、北岳山荘へトラバースする分岐でパーティを2つに分ける決断をする。邉ちゃんに山頂に行く3人を託し、私は体調が悪くなった方と北岳山荘に向かうことにする。
 トラバースコースは、途中に岩場がありクサリ場やハシゴがある場所があるので気が抜けないコースだ。ゆっくりゆっくりと休みながら山荘へと下っていく。
 山荘は混んではいなかったため、一枚の布団に一人で寝れるようだ。生ビールを飲みながら山頂パーティの到着を待つ。ここから見る富士山は美しいのであるが、残念ながら明日の好天に思いをつなぐ。
 食事後はすぐに布団に入り眠る。昨夜はほとんど眠れなかったので、邉ちゃんから酒の誘いを無視して狸寝入りする。


大樺沢


バットレス


ナナカマド


八本歯の頭


北岳


ハクサンイチゲ


北岳を振り返る

タイム:広河原(6:50)→二俣(10:00)→八本歯のコル(13:20)→北岳(15:05)→北岳山荘(15:20、16:20)


18日(晴れ)

 朝食は5時で、食後はすぐに出発することにする。外に出ると天気が良く、小屋の裏に回ると雲海に浮かぶ富士山の上部が見えた。間もなく日が昇るのであるが雲が高く厚いため雲海に色づきはなく、時間がかかっているため歩きながら眺めることにする。
 日が昇り始めると一機で良いショットは撮れなかったが、北岳や間ノ岳は朝日で輝いていた。道脇にはウラシマツツジの葉が真っ赤に染まっている。なんと美しい朱色だろうか。
 中白根山に立つと近くに間ノ岳、北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、遠くには奥穂高岳、鹿島槍ヶ岳、木曽駒ヶ岳など、北アルプスから中央アルプスの山々が見渡せた。ひときわ大きく富士山が見えるのだが、上部しか見えないので美しさはイマイチだが、昨日我慢した甲斐があり素晴らしい展望だ。
 間ノ岳から見える北岳、甲斐駒ヶ岳の姿は勇壮で、その姿をバックにして写真を撮る。風は弱いが季節がら寒いのでカッパの上を着こんでいる。ここでのんびりできたら嬉しいのだが、大門沢小屋までたどり着くにはのんびりする余裕はない。
 農取小屋に着いた。ここの親父は癖が悪い名物親父ではあるが、ここに泊まるとのんびり歩いてこれる。しかし翌日の工程が長くなるし、小屋の水は雨水で食事も悪いので、大門沢小屋に泊まることにした。大門沢小屋にしても食事は良くもなく、北岳山荘に比べると雲泥の差がある。
 西農鳥岳の登りは急で、さらに農鳥岳も遠い。今日最後の登りだと諦めてひと踏ん張りする。やっと最後の登りを終え、白峰三山最後のピークである農鳥岳の山頂に着いた。
 正面には南面にバットレスを従えた半円形の塩見岳が近くになり、奥には荒川三山、赤石岳が見えている。農鳥岳から下ると山々は見えなくなり最後の展望になる。来年は塩見岳方面を企画してみたいと思う。
 大門沢下降点を過ぎるといよいよ本格的な下りとなり、一気に河原へと下っていく。縦走してきた体にはここの急な下りが一番苦しい。ゆっくりゆっくりと下っていく。
 樹林帯に入り緩やかな下りで小屋に着いた。まずは缶ビールで乾杯するが、疲れた体にはこれが一番だ。小屋の親父が見えないと思ったら亡くなったようだ。この小屋の食事も質素で、外で飲みなおして暗くなると同時に布団に入る。


雲海に浮かぶ富士山


ご来光


北岳


間ノ岳


北岳 後ろは八ヶ岳と甲斐駒ヶ岳


間ノ岳 後ろは北岳


農鳥岳 後ろは塩見岳、悪沢岳、赤石岳


ウラシマツツジの紅葉


西農鳥岳と農鳥岳


間ノ岳


農鳥岳 後ろは北岳

タイム:北岳山荘(5:45)→間ノ岳(8:05)→農鳥小屋(10:00)→農鳥岳(12:20)→大門沢小屋(16:35)


19日(晴れ)
 質素な朝食を済ませ、コーヒーを飲んで出発する。今日は4時間ほどの行動で奈良田に着く。吊橋と沢を横切る小さな橋を渡るのであるが、一昨日に下山したパーティは増水した沢を渡るのが大変だっただろう。
 駐車場のすぐ手前で先に歩いていた方に呼び止められ、車のバッテリーがあがったので助けてほしいと言われ、車で戻ってバッテリーにつなぐ。
 今日の宿泊地は石和温泉で前回の時に泊まった「石和温泉 やまと」である。近くになワイナリーが2件あり、試飲と買い物をする。3日ぶりに入る風呂は気持ちがよく、風呂上がりのビールが疲れた体を癒してくれた。
 この地の名物は、ほうとう、馬刺し、鳥モツで、たくさんのおかずでご飯が食べれないほどだ。


大門沢小屋にて


広河内の流れ


森のような感じで気持ちが落ち着く

タイム:大門沢小屋(6:50)→奈良田(11:20)


20日(曇り)
 ゆっくりとした朝を過ごし出発する。甲府駅で加藤さんと別れ、盛岡へと車を飛ばす。近年は1人での運転がきつくなり、交代で運転してもらうのは助かる。福島で邉ちゃんと別れると、盛岡が近くなり、もうすぐみんなとも別れると思うと寂しくなる。ワイワイみんなで過ごす登山はことのほか楽しい。
 1人の方を北岳山頂に立たせれなかったのが残念でならない。

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