沢尻岳 リハビリ山行で、体力低下と雪深いためラッセルに苦しむ!
 
沢尻岳
沢尻岳

12月28日(金) 天候:高曇り メンバー:単独

 コース:貝沢集落〜郡界分岐〜前山分岐〜1,091m 往復


 冬の和賀山塊は、秋田県側の影響で特に天候に恵まれないが、入山者も少なくそれだけに魅力がある。
 貝沢岳への登りは急な登りが続き雪深いため、前回の岩手山に続き今回もトレーニングを兼ねてリハビリ山行とする。
 予報では天気もよく、積雪の状態によっては大荒沢岳まで行けるかもしれない。
 下部はスキーを使用したほうが楽であるが、リハビリなのでラッセルし汗を流すために、あえてスノーシューのみの使用とする。

 5時少し前に家を出て沢内へと向かう。沢内に近くなるほどに道路は圧雪状態となり、降雪量もしだいに増えてきた。
 沢内集落の最後の民家に着くと、除雪はここで終わっていた。昨夜から今朝にかけてかなりの積雪があったみたいで、民家の方は自前の除雪機で除雪をしていた。
 車を止める所がないので、民家のご主人にお願いして敷地内に駐車させていただくことにする。その駐車スペースをわざわざ除雪していただいた。
 準備をしていると明るくなり始め、スノーシューを付けて歩き出す。積雪を目測してみると75cm程あった。
 雪は降ったばかりで底が安定しておらず、20cm程の潜りであるが湿雪のため意外に重い。杉林の中の林道は単調で、なかなか徒渉点に着かない。
 山の方からは木々がざわめく風の音が聞こえ、上空は風が強いみたいだ。
 ようやく登山口に着き、牧草地から尾根筋に入って行く。杉林からミズナラとブナの樹木に変わると、細い尾根となり急な登りになってきた。
 しだいに積雪も増えてきて、急な登りになるとスノーシューを大股で前に上げるのがつらくなってきた。
 郡界分岐は大小屋山に向かう尾根上で、風に吹かれて雪が硬くなっているためあまり潜らない所もあるが、ブナの大木の中に入るとひざ下まで潜った。
 美しいブナ林を眺めながら歩き、770mピークを過ぎると、枝の隙間から真っ白いモッコ岳が見え始めた。
 モッコ岳は登山道がないため、雪がある時期しか登れないが、春に沢尻岳から行くのは魅力的だ。
 ラッセルにだいぶ疲れ、前山分岐への急登はかなりきつくなってきた。北東の方向にはギザギザの形の岩手山が見え、いつも見慣れている形とは違った岩手山に励まされながら前山分岐に着く。
 もうすでに13時をまわっており、引き返す時間が近づいているが、せめて1,091mピークまで行き様子をみることにする。
 尾根上は風の影響で中途半端に雪が硬くなっており、体重を乗せるとズズッと潜るので、余計に疲れるラッセルとなってきた。
 ピークからは枝越しに北西の方向に高下岳、東南の方向には大小の三角錐の早池峰山と薬師岳が望まれる。和賀連峰から望む早池峰山は、均整のとれた三角錐で薬師岳と相対しておりひときわ美しい。
 時間はすでに14時を過ぎており、沢尻岳まではこれから2時間はかかると思われるので、リハビリ山行をいいことに、ここから下山することにする。
 下りは早いもので、5時間近くかかった登りも、1時間ちょっとで下ってしまった。ここから貝沢集落までは平坦な道のりで、来る時には2時間半もかかっていた。
 沢の徒渉点を過ぎると暗くなり始めヘットランプを出す。杉林の林道では、疲れた膝が悲鳴をあげ始めていた。
 杉林を頑張って歩いていると、ようやく林の切れ目に集落の電灯の明かりが見えてきた。

杉林の林道
杉林の林道

登山口
登山口

登山口からの沢尻岳
登山口からの沢尻岳

尾根への登りだし
尾根への登りだし

郡界分岐の手前
郡界分岐の手前

前山分岐
前山分岐

岩手山を望む
岩手山を望む

モッコ岳
モッコ岳

1,091mピークからの沢尻岳
1,091mピークからの沢尻岳

早池峰山と薬師岳
早池峰山と薬師岳

小枝越しの高下岳
小枝越しの高下岳

ブナ林の下り
ブナ林の下り

タイム:貝沢集落(6:30)→徒渉点(8:05〜25)→尾根取付き(9:25〜40)→郡界分岐(11:00)→前山分岐(13:10〜25)→
    1,091mピーク(14:15〜20)→郡界分岐(15:20)→貝沢集落(17:30)
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