
岩手山 御神坂沢
2013年6月1日(土)〜2日(日) メンバー:単独
コース:御神坂沢駐車場〜御神坂沢〜大滝〜鬼ヶ城〜不動平避難小屋〜岩手山〜不動平小屋〜鬼ヶ城〜切通し分
岐〜黒倉山分岐〜犬倉分岐〜網張スキー場
残雪の御神坂沢は魅力的で行きたいと思ってはいたが、なかなか実現できないでいた。御神坂沢も鬼ヶ城も、もう30年はご無沙汰のコースである。 日帰りでは味気ないので一泊して、鬼ヶ城のルンゼを登り、鬼ヶ城を下山しようと思い、渡辺さんに電話すると網張温泉まで迎えに来てくれることになった。 滝はどのくらい出ているだろうか? 荷物を背負って滝は登れるだろうか? と不安はいっぱいあったが、行きたい、登りたいと思う気持ちの方が強かった。
1日(快晴) 6時頃に家を出る。今日は快晴のため、小岩井からは美しい岩手山が望まれたので、柳沢方面へ写真を撮りに行く。こんな美しい岩手山はなかなかお目にかかれないのだ。 御神坂登山口から歩き出し、途中から沢の左にある工事用道路に入っていく。やがて道路がなくなり沢に入るが堰堤があり越えるのに一苦労する。 沢の右にも工事用道をがあったので歩くが、間もなく道路もなくなり沢に戻ると、先にはまた堰堤があった。 やっと堰堤が終わると、水がない枯れ沢にはミヤマキンバイが咲いている。ときおり吹くさわやかな風は気持ちがよく、新緑の葉っぱの緑がまぶしい。 やがて両岸が狭まってくると残雪があらわれ、大滝下の滝が出てきた。ザックが重いので左から滝を巻くが、太いフィックスロープが張られてあった。昔はこんなの無かったが、どうしてあるんだろうか? 50mある大滝からは雪解け水が流れ落ち、水しぶきは日をうけ輝きとても美しい光景だ。右のブッシュから高巻くが、中間地点には雪があり斜面も急で、なかなかやばっこい登りとなりだいぶ時間をくってしまった。アイゼンを持ってきていなかったことを悔いる。 大滝の上に出ると再び雪渓となり、ステップを刻みながら登って行く。ところどころ廊下状となり両岸が狭まり始めると、雪渓が切れた所には滝が出ており水が流れている。 だいぶ高度が上がり、水しぶきをあげる5mの滝が現れた。右から簡単に登れそうだが荷物を背負っては登れず、ザイルをつけ空身で登ってザックを吊り上げた。 次の滝は右のブッシュから高巻き滝上のハイマツ帯に出ると、カモシカに出会った。カモシカは私の存在に気がついていないので、こっそり写真を撮る。呼びかけるが逃げていかなく、挨拶を交わし話しかける。近づくと声を上げて動いたが、またこちらを見ていた。別れを告げ沢に戻る。 特に雪がある時期の山では動物たちとの出会いがある。話しかけても逃げない者もいるので、その時は写真を撮らせてもらう。そんな出会いもまた楽しい。 沢に戻ると残雪もなくなり沢は開け、ガレが鬼ヶ城の稜線に続いていた。しばらくガレ場をたどると、左に雪渓が鬼ヶ城へと続いている所があったので、キックステップで稜線に立つ。 稜線の所々に残った残雪には登りの足跡がうっすらと残っていたが、まだあまり歩いてはいないようだ。お花畑からは雲が湧きあがり、山頂はガスにかすんでいた。 不動平に下ると避難小屋には5人のパーティがいた。八合目の小屋に泊まるつもりだったが、雪解け水が流れており水の確保ができそうなので、この小屋に泊まることにする。 頂上に行きたかったがもうすでに17時近くになっており、疲れていたので明日に登ることにし、荷物を整理して熱いコーヒーを飲む。5人パーティは山頂へと出ていった。 荷物を背負ってのバリエーションは疲れた。塩ホルモンを食べながらの冷えたビールは格別にうまい。5人パーティは、宮城大学の学生と先生だった。酒とおかずのやりとりをし会話をする。歩く時は一人でも楽しいが、やはり夜は人との会話が楽しい。

駐車場から望む御神坂沢と岩手山

沢に作られた堰堤

ミヤマキンバイ

大滝下の滝

50mの大滝

シラネアオイ

大滝の上部

右側から空身で登る

岩場にカモシカ

カモシカとの出会い

鬼ヶ城へのガレ場

鬼ヶ城の奇岩
タイム:御神坂駐車場(7:20)→大滝下(10:00)→鬼ヶ城(16:00)→不動平避難小屋(16:50)
2日(晴れ) 4時過ぎに起き、外に出ると朝日が昇り始めていた。ラーメンの朝食を食べ、荷物を整理して空身で頂上へ向かう。お鉢から右回りで山頂へ向かうと、真っ白い鳥海山が遠くにうっすらと見えた。 今回の目的の一つに、故杉村に花をたむけることだった。登山道の右の岩場を右から回り込んでいくがレリーフが見つからず、もっと上の場所かと思い山頂方向へ登っていくが見つからなかった。 ここ最近、岩手山は冬にしか登ったことがなかったが、新緑の頃の岩手山もまた素敵だ。山は雪のある山ばかりでなく、四季折々に美しさがある。遠くの山は雲のため、早池峰山しか望めなかった。 山頂から同じ道を戻り、先ほどの岩場を少し奥に進むとレリーフがみつかった。持参した花をたむけ、しばらく語り合う。レリーフの脇には古くなった日本酒が供えてあった。 今回の予定は、鬼ヶ城のルンゼを登るつもりであったが、昨日山頂を踏まなかったことと、アイゼンを持参しなかったことでルンゼの登高はやめにして、鬼ヶ城の稜線を網張温泉へと下ることにする。 今日も天気は良いが、お花畑方向から湧き上がる雲で山頂はなかなか姿を現してはくれない。鬼ヶ城本峰付近からの振り返る鬼ヶ城の稜線は美しい。ミネザクラはまだつぼみだが、1ヵ所だけ咲いている所があった。 フェースの頭を過ぎると残雪が続いており、稜線から離れないように下ると切通しに着いた。今の時期は残雪は少ないので、夏道を見失うと戻るのにブッシュ漕ぎとなる。 黒倉山を登るか巻くかで迷ったが、巻く方をとり下って行くと左の沢方向に下り過ぎたため、途中まで登り返し黒倉山を目指して登って行くと鞍部手前の夏道に出た。振り返ると黒倉山をまじえた鬼ヶ城から岩手山への稜線が美しいラインを見せてくれた。 雪の斜面を下り緩やかな登りで犬倉山へと登って行く。夏道は所々出ているがすぐに残雪の下に隠れてしまう。ブッシュ漕ぎにならないように祈りながら登って行くと、犬倉山の手前で夏道に合流した。 渡辺さんと網張での待ち合わせの14時は間近である。元湯の展望台ではハイキングの女性4名と出会った。聞くとスキー場を登って来たと言う。天気に誘われての女子会は楽しそうな雰囲気だ。 スキー場を下って行くとキクザキイチゲがたくさん咲いており、お花を眺めながら下っていくとやっとスキー場の駐車場に着いた。 待ち合わせの時間には間に合ったが辺さんの姿は見えなく、待っても来ないので温泉に行ってバスの時間を調べていると、にこやかな笑顔の辺さんに出会った。

朝日

不動平からの外輪

外輪から山頂

岩手山山頂

鬼ヶ城第一尾根と山頂

雲にかすむ鬼ヶ城稜線

ミネザクラ

黒倉山と鬼ヶ城

キクザキイチゲ

ショウジョウバカマ
タイム:不動平小屋(5:30)→岩手山山頂(6:20)→不動平(7:30)→切通し(10:00)→犬倉分岐(12:40)→網張スキー場
駐車場(13:50) |