北八甲田・岩木山 紅葉ツアー
 


2018年10月11日(木)〜13日(土)
 メンバー:吉田さん(81歳)、小松崎さん(神奈川県)、木島さん(神奈川県)、小田中 智
 コース:八甲田ロープウエイ〜赤倉岳〜大岳避難小屋〜毛無岱〜酸ヶ湯温泉
     岩木山八合目リフト〜岩木山 往復

八甲田大岳(1,585m) 日本百名山

 八甲田山は、那須火山帯の中の八甲田火山群地域を八甲田連峰と称する。大岳を主峰として高田大岳、井戸岳、赤倉岳、前嶽、田茂萢岳、小岳、硫黄岳、石倉岳、雛岳と10の山々を北八甲田、櫛ヶ峰をはじめ6峰の山々を南八甲田という。
 秋には、カエデやナナカマドなどが赤や黄色に色づき、美しい見事な紅葉が見られる。ロープウエイからの眼下に絶景の紅葉の絨毯が広がる。中腹には多くの紅葉スポットもある。
岩木山(1,625)m 日本百名山
 岩木山は、津軽平野南西部に位置する二重式火山で、山容は円錐形、山頂は三峰に分かれている。山麗には温泉が湧出し、昭和41年に八合目まで津軽岩木スカイラインが完通した。
 九合目付近では6月〜7月頃に岩木山特有の高山植物「みちのくこざくら(別名イワキコザクラ)」が咲く。山頂からは360度の展望があり、天気のいい日は北海道まで見渡せる。眼下には美しい紅葉が広がる。

11日(曇り時々小雨)
 盛岡駅前で関東からの方を迎えて高速道に乗る。今日は北八甲田山を登る予定であったが、天気が良くないので紅葉観光とし、八甲田山は明日登ることにする。
 まずは紅葉スポットで人気の城ヶ倉大橋の紅葉からスタートする。駐車場に車を置いて橋の中ほどに歩いていくが紅葉はまだで、全体的な色づきはこれからであった。
 酸ヶ湯温泉に寄ると駐車場のナナカマドがものすごく美しかった。ここの先にある地獄沼は白っぽい沼と黄色に染まる木々のコントラスが美しい。
 睡蓮沼は草紅葉が美しく、珍しいホソバツルリンドウの白い花が咲いていた。103号を谷地温泉方面に下っていくと、ブナの黄色の紅葉がとても美しかったが枯れ始めていた。
 蔦温泉で昼食を食べ、十和田湖へと奥入瀬渓流を登っていく。紅葉はまだであるが、川岸の散策道脇にはナラタケのキノコがあり、吉田さんの指導のもとに小袋に半分ほど採れた。来年はキノコ採りツアーもいいかもしれない。
 平日の小雨降りの天候ではあるが、休憩所には観光バスが止まっていた。十和田湖のレストハウスでお茶して、今夜の宿である谷地温泉に向かう。
 谷地温泉は開湯400年の歴史がある温泉で、日本三秘湯の宿として知られている。足下自噴(浴槽の底から直接自噴する)の湯はポコポコと湧き出る柔らかなお湯で、38度の霊泉と言われる下の湯と42度の白濁した上の湯の二つの湯が自慢の宿だ。
 名物料理は、岩魚料理で高田大岳山麓涌き出る綺麗な湧き水で育った新鮮な岩魚の塩焼きと刺身だ。岩魚の骨酒や、地元産の採れたての山菜やキノコを使った季節ごとの田舎料理も美味しい。
 ゆっくり温泉につかり、湯上りのビールは美味しい。食事も美味しくほろ酔い気分が気持ちいい。最近は酒量が減り酔いやすくなったが、少ない量で気分が良くなるのは歳のせいではあるが、ほろ酔いで満足できるのもまた良いものだ。


城ヶ倉大橋から


酸ヶ湯温泉駐車場のナナカマド


八甲田大岳登山口


地獄沼


睡蓮沼


ホソバツルリンドウ


奥入瀬渓流


奥入瀬渓流 雲井の滝


12日(曇り一時暴風)
 ロープウエイの始発は9時なので、それに合わせて仕度する。小雨が降っているが、今日は雨が降らない予報である。ロープウエイに乗って上りだすと一面がガスに覆われ景色は見えなく、紅葉もまだ早いようだ。今年の紅葉は遅いように感じる。
 ガスと風があるためカッパの上下を着て出発する。木道は濡れており、板には滑り止めが無いため少しの傾斜があるだけでも滑りそうで怖い。
 森林限界を過ぎると風にさらされ、しかもガスのため展望は全くない。井戸岳から大岳避難小屋への下りは風の通り道で、風速20mを越し強いところでは25mの強風が吹いている。風でよろけるのでロープの柵につかまりながら慎重に下っていく。小屋付近では風が当たらなく、今までの強風が信じられないようだ。
 小屋で昼食にし、大岳に登るのは中止にする。大岳の森林限界を過ぎると風の通り道となり、独立したピークのため先ほどの風より強くなる可能性があるからだ。
 滑りやすい木道を下り毛無岱への急な階段に出ると、うすく草紅葉に染まった毛無岱の全容が見えた。この位置は雲ラインの境目で下の方には青空もあった。
 後ろを振り返ると雲は上がり始め大岳が見え隠れしており、正面には南八甲田の櫛ヶ峯が見え、下界は晴れ渡っている様子だ。櫛ヶ峯に登る登山道は荒れており、往復の時間がかかりすぎるため困難な山であるが、残雪期にはワカンをつけて楽に登れて楽しく、晴れていると北八甲田の峰々が美しい。
 ぬかるみにハマルのを気おつけながら下ると酸ヶ湯温泉に着いた。タクシーに乗り車を回収して弘前へと向かう。車窓からは上部が雲に隠れた岩木山が見えた。
 りんご畑のりんごを見つめながら嶽温泉へ向かう。関東の方は帰りにはりんごを買って帰ると言い、明日の買い物が楽しみの様子だ。日が暮れるのがめっきり早くなり、夕暮れ時に宿である嶽温泉「山のホテル」に着いた。
 嶽温泉は約320年の歴史ある温泉で、湯治場として親しまれ6件の温泉宿がある。山のホテルは黒と白を基調とした民芸風の旅館で、先代は宿を経営しながらのマタギだった。固形燃料を使用し炊き上げるマタギ飯を考案した。
 名物「マタギ飯」をはじめ、新鮮な山菜料理・獣肉(熊・鹿・兎)などの料理や、鮎・岩魚の料理、手作り食前酒など、名峰岩木山の大自然の旬の味を堪能出来る宿だ。風呂は天然の青森ヒバを贅沢に使った大浴場で、泉質は硫黄の匂いが濃い泉質で源泉かけ流しの温泉だ。
 食事には別注文で熊の串焼きと鹿の串焼きを頼んだ。熊の肉は臭みがなく食べやすく美味しかった。また、日本最大の淡水魚として知られる魚「イトウ」の刺身が出てきた。珍しい食材に感嘆しながら頂いた。


大岳避難小屋前にて


毛無岱


櫛ヶ峯(中央)


毛無岱


大岳(右)、赤倉岳・井戸岳(真ん中)、田茂萢岳(左股)


13日(曇り)
 今朝は冷え込んで天気がいい感じだ。スカイラインを登って行くといくらか紅葉しているが全体の色づきはなく、葉は枯れかかっている。東北以北の今年の紅葉はどうしたのだろうか?
 八合目の駐車場では曇りで上部の山は雲の中だ。リフトの運転は9時からで少しの間待つ。リフト終点はガスっており肌寒く今日もカッパだ。
 登って行くと晴れ間が広がり山頂方面が見えてきた。冬に来た時には嶽温泉から登り途中で雪洞を掘って泊まり、リフトの下をラッセルして登ったが、終始風雪で何も見えなかったが充実感は大きかった。雪がある時期に白神山から眺める岩木山の姿は勇壮で美しい。
 岩場のような急な登りを登りきると、山頂にある鈴が収まった三角のコンクリートがあった。上空が一時的に青空になったが、周りには低い雲が降りているため残念ながら展望はなかった。
 帰りには雲が上がったので山頂方面がクッキリ見え、下には鰺ヶ沢の街と日本海が見えた。駐車場に下るとやっと白神山が見えた。下界は天気が良いようだ。
 山麓にある岩木山神社をお参りする。神社に入る鳥居では岩木山の姿は見えなかったが、帰りには山門の中に岩木山の姿が収まった。弘前に向かい地元の野菜がたくさんある「四季彩館」で買い物をする。神奈川県の方々は、帰りが重いのを覚悟でりんごをいっぱい買っていた。
 盛岡で冷麺と焼く肉を食べてお別れする。楽しいたのしい3日間はあっという間にすぎた。81歳の吉田さんは口も山も元気で、いつも話しの中心にいて私のツアーには欠かせない方である。


八合目からのリフト


鳥の海噴火口と山頂方面


鳳鳴ヒュッテと御倉石


山頂方面


岩木山山頂


岩木山神社鳥居


岩木山神社


手水舎
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