オプタテシケ山〜十勝岳 ツアー登山
 
美瑛富士から望むオプタテシケ山
美瑛富士から望むオプタテシケ山

2014年9月26日(金)〜30日(火) 

 メンバー:加藤さん、小松崎さん、本堂 芳太郎(盛岡山想会)、小田中 智
 コース:美瑛岳登山口〜美瑛岳避難小屋〜ベベツ岳〜オプタテシケ山〜美瑛岳小屋〜美瑛富士〜美瑛岳〜十勝岳
     〜雲ノ平〜望岳台


 オプタテシケ山は十勝連峰北部に位置する山で、大雪山系のトムラウシ山へと縦走路が続いている。美瑛富士下には避難小屋があるのでそこからオプタテシケ山へ登り、翌日に美瑛岳から望岳台に下る計画をする。
 8月末に紅葉狙いで計画すると、東京の方々が参加することになった。天候と体調次第では、美瑛岳から十勝岳へと足を伸ばす工程も思慮に入れた。
 このコースは全く水場が無いため、3日分の水を背負って登らなければならなく、体力的にきついルートである。

26日
 17時半に盛岡駅で東京のお二人と合流し、滝沢市で本堂さんを乗せ高速道に乗る。今日は天気が良かったので、今年2回岩手に訪れた加藤さんに初めて岩手山の姿を見せることができた。
 岩手山SAで食事し、八戸港へ向かう。北海道は今年3回目のツアーである。入船手続きを済ませ乗船する。
 今回は普通の金曜日のためか乗船者は多くはなかった。本堂さんと2人で明日からの天気祭りをする。

27日(晴れ)
 下船後、さっそく道央道に乗る。千歳までの並木道はうっすらと紅葉が始まっていた。岩見沢SAで朝食を食べ、白金温泉へと向かう。
 滝川ICで高速道を降り、国道38号から那英山の峠を越え、上富良野から白金温泉へとナビの案内で走る。温泉地で水と昼飯を仕入れ、登山口に向かう。
 美瑛川に沿った林道から右に入るとゲートがあり、教えられた鍵ナンバーで鍵を開け、さらに奥へ2kmほど進むと美瑛岳登山口がある。
 ザックの重量は28kgあったが、本堂さんに荷物を分けると22kg程となった。女性陣も炊事用水を持ってくれたので荷物が増えないで助かった。
 避難小屋までのコースタイムは4時間程の行程であり、ゆっくりと歩きやすい道を登って行く。所々に黄色く色づいた紅葉がとても美しい。
 左に樹間の隙間から美瑛富士がチラチラ見えてはいるが、全体の姿は望めない。やがて樹高が低くなると天然庭園と呼ばれる所で、大きい岩ゴロとなり歩きづらくなった。
 やがて森林限界になるが、山裾で美瑛富士の全容は望めなく、山頂部に雪を頂いた旭岳が遠くに見えた。間もなく草紅葉が美しい斜面の先にはベベツ岳方面が見えたが、オプタテシケ山は白い雲に覆われていた。
 数組の登山者と行き交い、水無沢川の源頭を渡り急斜面を抜けると石垣山が見え、間もなくいきなり避難小屋が現れた。小屋の中には単独後者がおり、2人がオプタテシケ山に行ってるという。
 本堂さんが家に電話したことにより、御嶽山の噴火と事故のことを聴く。かなりの死傷者が出ているということで、同じ登山者として複雑な気持ちだ。
 今夜のメニューはすいとん、野菜サラダ、牛ホルモン炒めである。すいとんは、昨日家で30分かけて練ったものである。手伝ってもらいながら練った粉を薄くうすく伸ばしてお湯に入れる。薄く伸ばしてスープとは別のお湯に入れるのが、美味しくいただく秘訣である。
 私と本堂さんでウイスキーをいただき、食事と会話で楽しい時間がゆったりと流れていった。

美瑛富士登山口
美瑛富士登山口

淡い黄色に染まった紅葉
淡い黄色に染まった紅葉

美瑛富士
美瑛富士

旭岳
旭岳

ベベツ岳方面
ベベツ岳方面

美瑛富士
美瑛富士

石垣山とベベツ岳
石垣山とベベツ岳

タイム:美瑛富士登山口(11:00)→美瑛富士避難小屋(16:00)


28日(曇り時々ガスのち雨)

 単独行のお兄さんは、トムラウシ山を目指して朝早くに出て行った。4時の起床予定が眠ってしまい、5時近い時間に起きてしまった。
 朝食はうどんとピラフである。早速支度して朝食とする。天気は曇ってはいるが上空は明るいので、晴れそうな雰囲気だ。今日の行動は、オプタテシケ山の往復と美瑛富士の往復のため、荷物は日帰りの荷物である。
 出発時には、美瑛富士の山頂部に朝日が当たり輝いている。体操をして出発する。間もなく前方に、雲に隠れそうになりながら美瑛岳も見えている。
 避難小屋分岐から石垣山に登って行くと、ナキウサギらしき声が聞こえるが、いっこうに姿を現してくれない。ベベツ岳を過ぎるとガスり始め、エゾシマリスが姿を現した。
 鞍部へと下り始めると、トムラウシへ向かったはずのお兄さんが登ってきた。尋ねると天気が悪いので戻ってきたという。たしかに風が出始めオプタテシケは全く見えなかった。
 ジグザグの登りから急な登りで山頂に着いた。景色は全く見えなく、寒いので写真を撮ってすぐに下る。帰りには3パーティと出会ったが、なぜか北海道は単独行が多い。
 石垣山を下り始めると、鳴き声とともにリスの姿が見え始めたので、出てくるのを待ちながら昼食とする。昼食は、朝お湯を注いだ乾燥米のマジックライスとカップラーメンである。最近の乾燥米は昔と比べたら雲泥の差で、とても美味しく食べれる。
 下り始めるとガスが晴れ美瑛富士が見えてきたので、登るべく美瑛富士分岐へ向かう。振り返ると登ってきたベベツ岳がスッキリと見えている。
 新得町側の斜面の紅葉が美しく、見とれながら歩いて行くと、美瑛岳が黒い雲に覆われ雨が降り出してきたので小屋に戻る。小屋にはトムラウシに向かったが戻ってきたお兄さんがいた。
 熱いお茶を飲み、シュラフに潜っておしゃべりが始まった。私はそのうちに眠っていた。
 今夜のメニューは、牛ステーキとパスタである。お兄さんは明日トムラウシに向かい、最終的に旭岳まで行くと言う。今夜はお兄さんも含めてパーティとする。
 アルコールもなくなったのでシュラフに潜っていると、20時頃になって2人パーティが入ってきた。尋ねると望岳台から登ってきたと言う。
 夜中には風の音がだいぶ強くなっていた。

美瑛富士
美瑛富士

石垣山
石垣山

石垣山と美瑛富士
石垣山と美瑛富士

ベベツ岳にて
ベベツ岳にて

エゾシマリス
エゾシマリス

オプタテシケ山
オプタテシケ山

オプタテシケ山山頂で
オプタテシケ山山頂で

石垣山
石垣山

美瑛富士
美瑛富士

美瑛岳
美瑛岳

石垣山とベベツ岳
石垣山とベベツ岳

タイム:小屋(6:00)→ベベツ岳(7:25)→オプタテシケ山(9:10)→美瑛富士避難小屋分岐(12:05)→
    美瑛富士避難小屋(13:00)


29日(晴れ)
 4時に起床し朝食の準備をする。メニューは、日本そばと餅である。荷物を整理してパッキングする。水と食料がなくなったので、ザックはだいぶ軽くなっていた。
 外は快晴で、朝日で美瑛富士が輝いている。今朝はだいぶ冷え込んだため、霜柱が立っていて寒い。
 振り返るとベベツ岳の後ろに尖ったオプタテシケ山の山頂が突き出ていて、昨日あの山を登ったのだと思うと、初めて登った実感がわいてきた。前方には青空を背景に美瑛岳がそびえている。
 美瑛富士分岐に荷物を置いて、空身で山頂を目指す。山頂からの展望は、オプタテシケ山の後ろにトムラウシ山、右へ石狩岳、クマネシリ岳、ニペソツ山、ウペペサンケ山が見え、オプタテシケ山の左に旭岳から北鎮岳が見えた。南西には美瑛岳、富良野岳が見え360度の展望だ。
 分岐に戻り、美瑛岳へと急な登りを登り、美瑛岳分岐の一段下に荷物を置き、美瑛岳に向かう。外輪に出るとポンピ沢の向こうに尖った十勝岳、その後ろに富良野岳が見えた。大きく迫力ある美瑛岳の火口である。
 岩稜をたどると間もなく、尖った美瑛岳の山頂に着いた。天気も良いし、遅い時間の船に乗ると時間的にも余裕があるので、十勝岳を回って望岳台に下山することにする。
 これから向かう十勝岳は近いだけに迫力があるが、昨日登ったオプタテシケ山からトムラウシ山の山容は特に素晴らしく感動的だ。さっき下に見えていた人はもう登ってきた。足の速い単独のおばちゃんだ。
 荷物に戻り、岩稜帯を下っていく。苫小牧港に電話して、遅い出発の船に予約変更をする。すれ違う登山者はみな単独行だ。あまりにも天気が良いので登ってきた人達だろうか?
 鋸岳手前の鞍部で昼食にする。今日は風もなく、ポカポカ陽気だ。平ヶ岳への登りは鋸岳を巻く道だが砂礫の登りで、登るごとに後戻りして疲れる登りだ。
 間もなく青空は曇空となり、平ヶ岳に着くと急に雲が湧き始め、十勝岳山頂が雲に薄れてきた。岩礫の急な登りで、最後の山頂である十勝岳に着いた。
 さっき湧き上がった雲は晴れ、南西方向の縦走路に富良野岳、その遠方に芦別岳と夕張岳が見えていた。今日は朝から最後まで天気に恵まれ、それぞれのピークで素晴らしい展望を見ることができた。
 あとは下るだけで、3時間も下ると望岳台に着くのである。急なザレ場を下り、途中からペースを上げて下っていく。噴煙は左の前十勝から上がっているが、昭和噴火口からは上がっていない。
 上空をヘリコプターが旋回しながら飛んでいるのは、御嶽山噴火の影響なのだろうか?十勝岳避難小屋付近でタクシーの予約を入れる。美瑛岳登山口に停めた車に戻るためである。
 小屋付近にはシラタマノキが一面に咲いていてきれいだ。下には望岳台が見えている。振り返り振り返り十勝岳と美瑛岳を見つめ、歩いてきたコースをふりかえってみる。
 タクシーで美瑛富士登山口に行き、車を回収する。苫小牧まで休まずに走り、「苫小牧温泉ほのか」でゆっくりと汗を流し、海鮮丼の夕食を食べる。
 24時発の船は指定席ではない古いタイプの船であったが、平日のためか空いており、久しぶりのビールで乾杯しゆったりと寝る。

美瑛富士をバックに避難小屋にて
美瑛富士をバックに避難小屋にて

イワギキョウ
イワギキョウ

美瑛岳
美瑛岳

ベベツ岳とオプタテシケ山
ベベツ岳とオプタテシケ山

美瑛富士分岐と美瑛岳
美瑛富士分岐と美瑛岳

美瑛富士への登り
美瑛富士への登り

美瑛富士
美瑛富士

美瑛富士山頂にて
美瑛富士山頂にて

オプタテシケ山
オプタテシケ山

オプタテシケ山の後方がトムラウシ山、旭岳(左奥)
オプタテシケ山の後方がトムラウシ山、旭岳(左奥)

オプタテシケ山の右から 石狩岳、ニペソツ山、ウペペサンケ山 クマネシリ岳(石狩岳とニペソツ山の間の奥)
オプタテシケ山の右から 石狩岳、ニペソツ山、ウペペサンケ山 クマネシリ岳(石狩岳とニペソツ山の間の奥)

美瑛岳と富良野岳(右奥)
美瑛岳と富良野岳(右奥)

オプタテシケ山とトムラウシ山
オプタテシケ山とトムラウシ山

美瑛富士とオプタテシケ山
美瑛富士とオプタテシケ山

美瑛岳の火口と十勝岳
美瑛岳の火口と十勝岳

美瑛岳山頂
美瑛岳山頂

美瑛岳山頂にて
美瑛岳山頂にて

山頂から望む美瑛富士とオプタテシケ山 奥は大雪連峰
山頂から望む美瑛富士とオプタテシケ山 奥は大雪連峰

鋸岳と十勝岳
鋸岳と十勝岳

美瑛岳の爆裂火口
美瑛岳の爆裂火口

美瑛岳火口 来た道を振り返る
美瑛岳火口 来た道を振り返る

平ヶ岳と十勝岳
平ヶ岳と十勝岳

十勝岳
十勝岳

十勝岳山頂
十勝岳山頂

オプタテシケ山の山頂とトムラウシ山
オプタテシケ山の山頂とトムラウシ山

美瑛岳 旭岳(左奥)、トムラウシ山(右奥)
美瑛岳 旭岳(左奥)、トムラウシ山(右奥)

十勝岳山頂にて
十勝岳山頂にて

富良野岳 夕張岳(左奥)、芦別岳(富良野岳後方)
富良野岳 夕張岳(左奥)、芦別岳(富良野岳後方)

下ホロカメットク山(左)、境山(真ん中の台形)
下ホロカメットク山(左)、境山(真ん中の台形)

美瑛岳 旭岳(左奥)、トムラウシ山(右奥)
美瑛岳 旭岳(左奥)、トムラウシ山(右奥)

下りで振り返った十勝岳
下りで振り返った十勝岳


昭和火口

群生するシラタマノキ
群生するシラタマノキ

十勝岳避難小屋と十勝岳
十勝岳避難小屋と十勝岳

望岳台脇の紅葉
望岳台脇の紅葉

望岳台にて
望岳台にて

タイム:小屋(6:00)→美瑛富士(7:35)→美瑛岳(9:40)→十勝岳(13:30)→昭和噴火口(14:30)→望岳台(16:20)

30日
 7時半に八戸港に着いたが、下船で時間がかかった。どうやら、乗船するのが遅いと下船も遅くなるようだ。今日も晴れで、岩手山がクッキリと見えている。
 岩手山SAで遅い朝食を食べ、本堂さんを送り、盛岡駅で2人とお別れをする。
 今回の登山は避難小屋泊まりのため、荷物を背負っての登山であったが、みんな体力がある方々で、十勝岳までの縦走と足を伸ばせた。
 オプタテシケ山は天候が悪かったが、最終日には最後まで好天に恵まれ、素晴らしい展望と紅葉が美しい風景が楽しめた。
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