三ッ石山登山始め ガイド登山
 


2016年1月10日(日)〜(月)
 メンバー:昆さん、吉田さん、渡邉 正一(福島県)、佐藤 博、小田中 智
 コース:松川温泉登山口〜三ッ石山荘〜三ッ石山 往復


 この計画は10月に計画し募集すると数名の参加者がいたので早くから催行を決定し、冬山経験が少ない方を対象にネットでも募集をした。
 大松倉山から眺める岩手山が美しく、小屋に泊まって薪ストーブを焚き、美味しい食事をしながらお話をするのを目的として計画した。11月後半には小屋で焚く薪を、佐藤君と荷揚げしておいた。
 網張から三ッ石山荘までの距離は短く、翌日山頂を往復して下山するのも楽である。しかし、スノーシューで歩くためスキー場のリフトに乗れなく、スキー場を登るアルバイトが必要となる。
 また、大松倉山付近は風が強いため、風が強いようであれば松川温泉からのコース変更も念頭においた。
 お客様2名、友人2名の計5名で、冬の三ッ石山登山始めを行うことになった。

10日(曇りのち小雪)
 昨夜の天気予報では15m以上の風速がある予報のため、コースを松川温泉に変更する。家を6時に出発しそれぞれの方を迎え、一本木で福島から来る邉ちゃんと待ち合わせる。
 コンビニで買い物をし出発しようとしたら、邉ちゃんが私の車の空気圧が少ないことを見つけた。それからすぐに空気は無くなりパンクとなった。
 JAFに連絡して来てもらい、パンクの状態を見てもらうが特に異常はなかった。下山時にタイヤの空気が無くなっていたら電話することにして、2台で松川温泉に向かう。
 町には雪が無いが、柏台から温泉に向かうと雪が出始めた。トイレがある駐車場には新雪が20cm程積っていた。今回は友人の2名のラッセル者が居るので、楽をしながらラッセルが楽しめそうだ。
 先週あたりのトレースがあり、新雪が積もっていたが底が硬いため歩きやすく、階段の急登をゆっくりと登って行く。みんなスノーシューであるが、佐藤君だけショートスキーを履いており、下りの滑降を楽しみにしていた。これは抜け駆けか?彼はテレマークスキーの名手である。
 急登を登りきった所で一休みする。残念ながら岩手山は雲に隠れていたが、木々に積もった雪は美しい雪景色である。積雪は40cm程あるが、風が吹き込む所では風に飛ばされ夏道が露出していた。
 しばらく登って行くと、樹林の切れ間から姥倉山、黒倉山、屏風尾根の姿がかすんで見えた。目印の赤テープとトレースに導かれながら、佐藤君と邉ちゃんのラッセル者は見えなくなった。
 登りが緩やかな所まで来ると薄日がさし込み、雪景色が日に輝きとても素敵な場所だ。冬山は寒く厳しさが多いが、こんな景色を時々見せてくれるから、冬山には特に魅力を感じる。幸せなひと時である。
 沢を越える急な登りを2ヵ所超えると山荘はもうすぐだ。右斜面には三ッ石山が見えており、登山者の姿と声が聞こえてきた。山荘には私たち以外にも宿泊者がいるようだ。
 小屋に入ると7名程のグループがおり、薪ストーブで室内は暖かくなっていた。まずはお湯を沸かして熱いお茶を飲む。私は紅茶にウイスキーを入れていただく。
 まずは雪を溶かして水を作る。今夜のメニューは、キムチ鍋、刺身盛り合わせ、フグのバター焼き、野菜サラダ、生ハムだ。アルコールは各自である。
 サラダを用意して、まずはビールで乾杯する。山で楽しいことは、景色を眺めることばかりでなく、泊まって食べながら飲み話すことである。私はこれを楽しさの一番においている。
 冬山の食べ物は冷凍すると生物でも大丈夫なので、家で食べる食事より山の方が美味しい食事を食べることができる。キムチ鍋は豚肉を多めに持参したので、二回戦に分けて作ることにする。
 みんなフグはあまり食べたことが無いと言い、フグのバター焼きは美味で、日本酒にピッタリだった。みんなお腹が苦しくなり、キムチ鍋の二回戦は止めにして、肉を焼いて先客達に挨拶に行く。
 彼らは、労山の盛岡山友会スキー部隊の方々だった。飲みながら会話しおいとまする。少しの時間、邉ちゃん、佐藤君と飲みながら話し、シュラフに潜る。薪ストーブを焚いた室内は熱いくらいだった。


登り出し


枝に積もった雪も美しい


屏風尾根、黒倉山、姥倉山


雪景色


バージンスノーをかき分けて


うっすらと三ッ石山が見えた

タイム:松川温泉駐車場(10:25)→三ッ石山荘(15:30)
 

11日(風雪のち小雪)
 6時に起床し、食事の支度をする。メニューは、日本そばのぶっかけ、ピラフだ。まずはモーニングコーヒーをいただく。
 山頂往復は荷物を持たず、サイドバックに水と少しの食料を持ち空身で出発する。小雪が降り、木々には雪が積もり白一色の世界である。今日もラッセル者は先へと登って行った。
 稜線に立つと風が強くなり、視界も悪くなり風は冷たい。稜線は雪が硬くなり、風雪の中に山頂の岩場が見えてきた。握手を交わし写真を撮る。風速は13m程と、冬山経験が少ない方にはちょいとキツイ冬山だ。
 吹雪かれた場合景色は何も見えないが、苦労すれば苦労した分、山頂での感慨は大きくなる。冬山では特にそれが大きい。
 稜線を外れると風は無くなり、右寄りに下って行くと登り時のトレースにぶつかった。小屋でコンロを焚き、熱いお茶を飲みながらおやつを食べる。山頂を踏んだ後の、幸せなひと時である。
 昨日のトレースは風で飛ばされており、新たに20cm程の新雪が積っていた。雪はフワフワで気持ちが良いラッセルだ。小沢を2つ越えると新しいトレースがあった。先ほど登って行ったトレースみたいだった。
 急な下りになるとスノーシューでは歩くきにくくなる。これはスノーシューの欠点で、ワカンを履いて下ったほうがはるかに楽で早いのであるが、2種類持つと重い。
 駐車場に止めた車の空気は減っておらず安心した。西根の道の駅で食事し、邉ちゃんと別れる。


出発時の山荘


白一色の世界


先を行くラッセル者(車)


山頂にて


山荘を後にする


下山口

タイム:山荘(8:10)→三ッ石山(9:15)→山荘(9:50〜10:40)→駐車場(13:30)
 
 風が強いためコースを松川に変更したが、風が無いため寒くはなく、雪景色がとても美しく、コースを変更して正解だった。山小屋での薪ストーブは暖かく、とても心に残る山小屋生活だった。
 山頂では吹雪で寒かったが、こんな状態でも喜んでいただいた。この山行をサポートしてくれた邉ちゃんと佐藤君に感謝したい。
 今回も邉ちゃんにはパンクを助けてもらった。今後は私の助手として、同行をお願いしたいものだ。
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