大峠の滝 アイスクライミング
 


 大峠の滝は、国道106号宮古に向かって区界峠から平津戸駅を過ぎ、大峠トンネルを抜け、下平第2トンネルに入る手前の左の斜面にある。
 車は下平第2トンネルすぐ右の旧国道に止め、平津戸方面に100m程戻ると右の斜面に沢状があり、10分ほど登ると滝に着く。
 盛岡から約1時間とアイスクライミングをするには便利で、時にはクライマーが登ったり、時には滝観賞に訪れる方がいるみたいだ。
 滝は落差10m、斜度は90度とアイスクライミングを楽しむにはちょうど良く、下部は岩壁が浅い洞窟のようになっているため、氷の滝の裏側に回り込むことができる。
 下から見上げた滝は迫力があり、氷柱の迫力と氷の美しさがある。こういう規模の滝は県内には珍しいので、これを眺めに来るだけでも楽しいと思う。

2019年2月18日(月) 
 メンバー:佐藤 博さん、小田中 智
 2年ほど前からアイスクライミングをしたいと思い、氷用の装備を揃え始めたが、入院やパートナーの関係でなかなか行けずにいた。
 年明けとともに偵察に行ってみると、今年は暖かい年で氷はまだ発達しておらず、せいぜい1ヵ月を過ぎないと無理のようだ。2月になり偵察に出かけると氷は下まで続いており機は熟された。
 落差10m、傾斜90度と若いころに登った氷柱よりもグレードは上のようだ。登れるかどうかも分からないが、遊びと考え64歳の手習いとなった。下から見ているだけでも美しい氷の表情だ。
 右の斜面から滝上へと回り込んでザイルを垂らした方がよさそうで、ザイルをつけて急な斜面を登って行く。上の木で40mザイルを垂らすが下まで届かず、もう少し下ってザイルを垂らすと支点は滝の右だったため、ぶら下がると振られるが我慢することにする。
 近年は10m以上の岩場も登っていなく、懸垂下降も久しぶりである。支点をセットしたりセルフビレイをとったりする動作や仕方がトロくさく、ザイルワークさえも64歳の手習いだ。
 中古で購入したアックスであるが効きは抜群で、装備の進歩に驚かされるばかりだ。腕の方はイマイチで、ビレイ地点までたどり着くことができなかった。
 佐藤君は軽快にビレイ地点に立った。この差は何なのだろうか?体重の差か、センスの違いか、彼もまた久しくクライミングから離れていたのであるから、スタートラインは同じなはずだ。
2度目のチャレンジでは腕の疲れが加わり、なかなか上へと進まないが、気合を入れて1回目の到達地点まで登ってぶら下がった。佐藤君は更に上へ登り別の支点にザイルをかけ替えて下ってきた。
一番上に下降の支点を残していたので佐藤君が回収に登って行った。
完登することはできなかったが、氷の感触、道具の使い方、アイスクライミングの楽しさを十分満喫できた。また近い日に訪れたいと思うほど心に残り、胸躍るものがあった。


このような氷柱になるのは毎年ではないみたいだ


岩が掘れているため氷柱の陰を回り込める


登る佐藤君


登る小田中


2019年2月23日(土)
 メンバー:下野 徳之さん、小田中 智
 また登りたいと思う気持ちが募りパートナーを探し、佐藤君用のアイスアックスを購入して自ら試してみることにする。
 1日半に渡って雨が降り続いたので、氷は崩落しているだろうと半分諦めながらも行ってみることにする。下野さんは宮古市の方なので駐車場に集合した。
 小沢を登って行くと滝の姿が見え、沢自体も半分から上は凍っていた。登下降の訓練にもなる氷の斜面だ。もしやと思い滝下から見上げると氷は上まで続いていた。これはラッキーである。
 滝の上へと斜面を回り込み、ザイルをセットし懸垂下降する。前回のトロクサさを受け止めシュミレーションしたためか、まずまずスムーズな行動ができた。氷はかなり水を含んでおり、表面の陰からは水の流れる音が聞こえている。
 登り出すと、氷に水が多く含んでいるせいでアックスの効きが悪く氷がボソッと欠けてしまう。アイゼンの効きもイマイチで止めようかとも思ったが、3回、4回と打ち込むと効いてくれたので登って行く。
 前回は8割程度しか登れなかったが、氷の状態が悪いながらも前回の感触を生かして完登することができた。上部の氷の状態が悪いので、クライミングは今日を最後にした方が良いみたいだ。
 下野さんは初めての経験で、数メートルしか登れなかったが、まだまだやる気満々だで幾度もチャレンジした。2本目も無難に完登し、さらにビレイ点まで登りザイルをかけ直して下降した。
 楽しい、楽しすぎる。むかしロッククライミングで味わった緊張感や達成感、そして楽しかった思い出がよみがえってきた。来週は岩手山御神坂沢大滝を登りたくなった。
 64歳の手習いは始まったばかりだが、歳を取って登れることの先が見えてきた今、この気持ちを大事にして挑戦したいと思う。仕事がない時はクライミングだ!


氷はかなり水を含んでおり、氷が欠けてしまう


支点から懸垂下降する小田中


登る小田中


登る下野さん
↑ページの先頭に戻る