岩手山 上坊コース 冬山トレーニング
 


2016年11月12日(土)〜13日(日)
 メンバー:佐藤 博、小田中 智
 コース:上坊登山口〜ツルハシ分れ〜平笠不動避難小屋(泊)〜頂上直下 往復


 体力強化と脚力強化のため、岩手山上坊コースを選んだ。このコースは昔に通ったきり歩いていなかったし、かなり上まで樹林帯のため見通しが効かないため、ただひたすら登るコースでトレーニングには最適である。
 平笠不動避難小屋はこ綺麗な小屋で日当たりがよく、窓からは山頂が見えるので良い小屋である。冬トレと称して22kg程の荷物を背負って登るのであるが、小屋では食べ物と酒が目当てである。せっかく山に登るのであるから日帰りで帰らず、泊まって酒を飲まないともったいない。

12日(曇りのち晴れ)
 佐藤君を7時に迎えて焼走りへと向かう。焼走りから望む岩手山は、第一噴出口跡から白くなっているので初冬の山を楽しめそうだ。
 今日のザックの重量は22kg程の重さである。最近になってようやく手術した膝の痛みが和らいできたので楽しみながら登れると思う。
 ダラダラした登りからようやく傾斜が強くなり、二合目付近から雪が出始めてきて、先週あたりの古い足跡が残っていた。ツルハシ分れ付近では20cm程の積雪となった。
 登るにしたがい上空の空は青空になったが展望は何もない。三十六童子を過ぎると雪の重みでブッシュが細くなり、積雪も増えて歩きにくくなった。ツルハシ分れから佐藤君がラッセルを変わってくれたので楽ではあるが、体重と荷物の重量の差で更に潜るのでキツくなってきた。
 小枝に付いた樹氷が青空を背景にして濃い青と白のコントラストが美しい。山頂部の姿が小枝の間から見えてくると、やがて真っ白く輝く全体像が見えた。日に照らされた雪は輝き、小枝の樹氷とオオシラビソの樹氷も輝きとても美しい。
 小屋に入ると室内は明るく窓からは山頂が見えていた。ツエルトを張りコタツに入りぬぐだまる。ガソリンコンロを焚くとツエルト内はすぐに熱くなった。
食料は各自で、私の夕食は牛ホル炒めとタコ刺しである。まずはビールで乾杯する。家にいるより暖かく、家の食事より豪華?である。これだからお泊まり登山はやめられない。
 燗をつけた日本酒で再び乾杯し、しばらくぶりの再会を祈念する。これからまた一緒に冬山を楽しめそうだ。


登山口付近


小枝に貼り付いた雪


ナナカマドと山頂


樹氷と山頂


1峰と小屋


平笠不動避難小屋


山頂方面

タイム:登山口(9:20)→ツルハシ分れ(12:40)→平笠不動小屋(15:55)


13日(晴れのち曇り)
 昨夜は19時前に寝たのであるが、目覚めたのは7時近かった。今日は山頂に行って下るだけである。今朝も良い天気であるが、夜半から風の音が強くなったようだ。
 ザックのヘッドを外すとサブザックになるので、アイゼン、水、食料を入れて出発する。ハイマツ帯が切れるまでラッセルがあり、そこでアイゼンを履く。風はしだいに強さを増していったが、まだ風速15m程だ。お鉢はたぶん風速20mを越しているものと思われる。
 お鉢に出るとやはり風は20mを越していた。天気は良く裏岩手の山々が綺麗に見え、鬼ヶ城のギザギザのラインがひときわ美しい。
 風は次第に強くなり風速30m程になった。2本のストックで踏ん張ってないとよろけてしまい、山頂はすぐ目の前であるが、このまま行っても下りで大変になりそうなのでここから戻ることにする。今回は体力トレーニングであるので無理する必要もない。
 昨年の2月の岩手山のガイドの登山のことである。馬返しコースから登り八合目に泊まり、翌日山頂に登り下山して六合目にさしかかっての時だった。いきなり風が強くなり風速は35mくらいになった。下ろうとしたが風が強すぎて立っていられないのである。しかたなく大倉石の岩陰で1時間ほど待つがいっこうに風は弱くならず、這いながら左にトラバースして沢筋に入り脱出したことがあった。
 登りは這って何とかなるが、下りは這っては下れない。
 小屋から下っていくと2人パーティが登ってきた。昨日のトレースは固くなっているので変に下りにくく、ワカンを持参しなかったことを悔いる。
 駐車場に着くと調度いいタイミングで雨が降り出してきた。雨に当たらずホッとした。


朝の山頂方面


小屋と1峰


山頂を目前にして


鬼ヶ城と秋田駒ヶ岳


黒倉山と裏岩手


屏風尾根と八幡平


下山時の山頂方面

タイム:小屋(8:35)→山頂直下(9:55)→小屋(11:15)→登山口(13:45)
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