岩手山 洞ヶ沢 今の時期にか楽しめない洞ヶ沢、雪が無くなると滝だらけの沢
 
洞ヶ沢

4月22日(日) 天候:晴れ メンバー:三浦 功、大家 貫悦、千葉 健吉、千葉 貴子、小田中 智
  コース:洞ヶ沢林道〜洞ヶ沢〜屏風尾根三峰 往復


 盛岡山想会の例会登山として企画された。
 洞ヶ沢は、岩手山屏風尾根の北面に位置する沢で、夏には水流があり、大小の滝がたくさん続き登攀を対象とした困難度の高い沢である。
 洞ヶ沢は、昭和33年頃盛岡山岳会により初そ行されたが、昭和39年に盛岡山想会により全ての滝を登る完全そ行がなされた。
 大きい滝は20数mあり、オーバーバーハングやシャワークライム、急傾斜のツルツルの滝などがあり、人工でなければ登れない滝が5セットあり、F16まで数えられているが小さい滝も合わせると30を数え、登りがいのある登攀そ行が楽しめる沢だ。
 冬は、廊下の側壁や滝には氷が張り、アイスクライミングができるが、アプローチが遠くラッセルも強いられるので、アイスクライミングを楽しむためだけの登山には向かない。
 残雪の時期は、雪が滝を埋め尽くしているので歩きやすく、急な斜面を登る登高を楽しめる。雪の状態により滝の下や出口はシュルンドが開いているので、部分的には緊張感も味わえる。

 4時に滝沢のコンビニに各自の車で集合する。下山は屏風尾根を下り七滝コースを下山するので、駐車場へ車を置き、私の車で洞ヶ沢林道へ行く。

焼走り駐車場より
焼走り駐車場より

屏風尾根の全容
屏風尾根の全容

 歩き始めて20分も林道を歩いて行くと砂防ダムがあり、更に奥には鉄パイプで組んだ土石流止めがあった。上空ではゴーゴーと風が唸っていて上部はそうとう風が強そうだ。

洞ヶ沢入口
洞ヶ沢入口

一休み
一休み

しだいに沢巾が狭くなる
しだいに沢巾が狭くなる

 沢には雪があり時々膝まで潜るので、ワカンを付けると楽に歩けた。やがて8m程の滝が出ており、急傾斜のためザイルをつけて登る。
  しだいに沢巾が狭くなってくると廊下状となり、滝が埋まった急な斜面が出てくる。部分的にシュルンドが開いている所もあるので、後続のためしっかりとしたステップを刻む。

廊下の急斜面
廊下の急斜面

 所々の側壁には氷の太い氷柱がぶら下っており、青く輝いていて神秘的で美しい。間もなくオーバーハングの滝に行く手を阻まれ、右からザイルをつけて高巻く。

滝の上部はオーバーハング
滝の上部はオーバーハング

 沢に戻ると沢は二つに分かれ、本流の左股の入口にはブルーアイスの氷の滝ががあるため、右股へと急になった斜面を登って行く。

左俣の氷の滝
左俣の氷の滝

 やがて前方に三峰が見えると斜度はさらに増し、急な登りで屏風尾根に着いた。三峰の左には岩手山の頂上部が見えている。

屏風尾根三峰
屏風尾根三峰

屏風尾根から岩手山
屏風尾根から岩手山

 アイゼンを付け赤倉岳に向かおうと稜線上に出ると、ものすごい風が吹きつけ歩くのに厳しいくらいだ。貴子は歩けないので、三峰からお花畑に降りようと三峰に向かうが、風はますます強くなり這わないと歩けないくらいに吹きつける。

屏風尾根上
屏風尾根上

 このままではどちらに進むこともできないので、登ってきたルートをそのまま下ることにする。雪の状態から見て全層雪崩の心配はなく、急な斜面もアイゼンを付けているので、そのまま下るのが一番安全なのだ。
 千葉夫妻はザイルでアンザイレンして慎重にしばらく下り、部分的に急な部分はステップを刻みながら後続が降りるのを待つ。所々で緊張感を味わいながら、ドンドンと下って行く。

下りのシュルンドの通過
下りのシュルンドの通過

洞ヶ沢林道
洞ヶ沢林道

 七滝の駐車場でみんなと別れ、それぞれに家路へと帰る。
 約30年ぶりに登った洞ヶ沢だった。残念なのは屏風尾根を下って、黒倉岳東壁の写真が撮れなかったのが残念だった。

タイム:洞ヶ沢林道(5:40)→洞ヶ沢→屏風尾根三峰(12:00〜40)→洞ヶ沢林道(16:30)
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