乳頭山 ガイド登山 お二人のためだけに時が流れた、のんびり登山
 

乳頭山

2013年6月11日(火) 天候:快晴 メンバー:山岸さん、国澤さん、小田中 智

 コース:黒湯温泉〜一本松温泉〜一本松コース〜乳頭山〜田代平山荘〜孫六コース〜孫六温泉

 乳頭山〜千沼ヶ原の登山教室が2人の参加によって始めて催行することになった。3日ほど前に偵察ずみなので残雪の状態も把握している。
 天候は連日暑さが続いているため、かえって暑すぎるのが心配なくらいだ。

 5時に国澤さんを迎えに行き、山岸さんを迎えて乳頭温泉へと車を走らせる。お二人とは、前回のNHKカルチャーでご一緒させていただいていた。
 なんだかんだで2時間かかって黒湯温泉に着いた。軽い体操をして歩き始める。今日は晴れで、まだ暑くなる前の沢筋はすがすがしく、濃い色の緑が美しい。
 ゆっくりとしたペースで会話をしながら、沢沿いの登山道を歩いて行く。途中山菜採りの方と行き違う。彼女たちも道端のタケノコを数本見つけザックに収める。
 一本松温泉は小さい湯だまりがあり温度もちょうど良いが小さいため、スコップで掘ると天然浴ができそうである。
 ここから沢を離れると所々にはまだ残雪が残っている。満開になったコブシの花を眺めながら、ゆっくりゆっくりと登って行く。
 稜線の展望台に出ると視界は開け、どっしりとした秋田駒ヶ岳の全容が見えた。日なたに咲く高山植物も多く見られ、写真を撮り、植物を見つめながら登って行く。
 山頂からは、残雪が残る森吉山が見えるが、天気が良すぎるせいか遠くの山々はかすんで見えない。残念ながら岩手山には雲がかかっていて望まれなかった。
 ここまでの時間はだいぶ予定時間をオーバーしているので、千沼ヶ原への往復はあきらめ、山頂でゆっくりと昼食タイムとする。まだ6月の中旬ではあるが陽ざしは真夏のごとく強いが、吹く風は涼しく気持ちがよい。
 おにぎりを食べていると単独の女性が来たのでたずねると、滝ノ上から登ってきたが残雪が多くルートがわかりづらかったと言う。下りは千沼ヶ原から平ヶ倉沼を通り滝ノ上に下山すると言う。まだ登山を始めて日が浅いというが、女性一人でこういう計画で登るのはすごいと思う。
 ようやく重い腰を上げて下山を始める。道すがらにはイワカガミの群落があり、濃いピンクの花びらが誇らしげに咲いていた。田代平はまだ残雪が多く、湿原は雪に隠れている。山荘で一休みして孫六温泉へと下って行く。
 登山道の所々には残雪があり落とし穴がある。雪解け水も流れグチャグチャで、こんな登山道には長靴が適しているのかもしれない。
 標高が下がるに従い道も乾き歩きやすくなってきた。足元にばかり注意してきたせいか、セミの鳴き声と沢の水音がより高く聞こえるようになってきた。美しいブナ林の小枝の隙間から降りそそぐ太陽の光に照らされたブナ林が輝いて見える。
 今日はゆっくりペースでのんびりと歩き、休みたい時に休み、美しい花や景色にカメラを向け、話のたびに立ち止まり、今日の一日はお客様二人のためだけにゆっくりと時は流れていった。
 振り返ると、私自身の今までの山登りはセコセコした時間に追われた山登りで、こんなにものんびりした山登りをしたことはないような気がする。なぜか幸せを感じる山行であった。お二人に感謝である。

登山口の一本松沢
登山口の一本松沢

一本松沢に架かる橋
一本松沢に架かる橋

一本松温泉付近
一本松温泉付近

展望台から眺める乳頭山
展望台から眺める乳頭山

展望台から眺める秋田駒ヶ岳
展望台から眺める秋田駒ヶ岳

シラネアオイ
シラネアオイ

エゾツツジ
エゾツツジ

ミヤマキンバイ
ミヤマキンバイ

ヒナザクラ
ヒナザクラ

乳頭山
乳頭山

乳頭山
乳頭山

山頂の断崖
山頂の断崖

乳頭山山頂で
乳頭山山頂で

笊森山
笊森山

単独行の彼女と
単独行の彼女と

イワカガミ
イワカガミ

田代平
田代平

田代平から望む乳頭山
田代平から望む乳頭山

木漏れ日のブナ林
木漏れ日のブナ林

孫六温泉に架かる橋
孫六温泉に架かる橋

タイム:黒湯温泉(7:20)→一本松温泉(8:20)→乳頭山(11:40〜12:50)→田代平山荘(13:50〜14:10)→
    黒湯温泉駐車場(16:20)

 黒湯温泉の入浴は16時で終了だったため、国民宿舎に行き入浴する。露天風呂のすぐそばにはブナ林があり、安らぎを感じさせてくれる風呂だった。
  ロビーには、湯めぐりコース、自然の小径(自然観察コース)、鶴の湯入り口〜蟹場コースを案内するガイドさんがおり、話を聞かせてもらう。コースのガイドは無料で、道路から見る遊歩道はきれいに整備されている。時間がある方は、散策をガイドしてもらうのもよい。

コース説明
コース説明

コース図
コース図

  山岸さん、国澤さんを送り届け、自宅に帰ったのは20時を過ぎていた。
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