鶏頭山 ニセ鶏頭の岩場は岩手県離れした岩場の眺めで、意外と早池峰山は遠い!
 
鶏頭山

2月5日(日) 天候:曇り メンバー:単独
  コース:岳〜鶏頭山避難小屋〜ニセ鶏頭〜鶏頭山 往復


 冬の鶏頭山から早池峰山への山稜はとても魅力的だ。夏は昨年登っているので、冬の山稜を日帰りで往復したいと思う。
 しかし、コースは長いので、12時間以上の行動になると思われる。冬はラッセルがあるので、その時の雪の状態で時間は変わるが、鶏頭山頂上へ遅くとも10時に着かなければならない。
 とにかく早出をして、挑んでみることにする。無理の時は、鶏頭山往復でもかまわない。
 今週は大きな寒波がきて積雪もあったが、ようやく天気が良い予報が出た。

 朝3時に起床し、4時前に家を出る。岳の駐車場に車を置き、フリートレックを履いてヘットランプの明かりを頼りに歩き始める。
 登山口から昨日のトレースがあり、30cmほどの窪みになっている。3日ほど前に降った雪だろうが、いずれにしろ例年に比べ早池峰山系も雪は少ない。
 トレースの上をスキーで歩くが、ショートスキーなので下りの歩幅にちょうど良く合い、汗を流しながら登って行く。
 尾根状に近くなる頃になると、やがて東の空がうっすらと明るくなり始めてきた。今日は天気が良さそうだが、上空からはゴーゴーという風の音が聞こえる。

夜が明け始める
夜が明け始める

尾根状への登り
尾根状への登り

 尾根状に出ると風で所々が吹きだまりとなり、ショートスキーではけっこう潜った。やがて、梢の間から真っ赤に燃える御来光が見えた。

もうすぐ薬師岳から御来光
もうすぐ薬師岳から御来光

尾根状で御来光
尾根状で御来光


尾根状で風が吹く

 小屋の手前の木々の隙間から、ニセ鶏頭の岩場が見える。いつもながら遠くから見ると、岩手離れした迫力がある岩場である。実際基部まで行くと大したことはない。
  避難小屋に着くと8時を過ぎており、この状態では10時前に鶏頭山に着くのは無理なので、ここで早池峰山はあきらめゆっくりと小屋の中で休む。

小屋手前からのニセ鶏頭
小屋手前からのニセ鶏頭

避難小屋
避難小屋

 小屋からニセ鶏頭の岩場の基部までは、ショートスキーでは新雪に潜りスキーのヘッドを上げるのが大変だ。しかし、太陽に照らさせた雪片がキラキラと輝き美しい。やはり、雪の山は美しい。

ニセ鶏頭の岩場
ニセ鶏頭の岩場

 岩場の基部でスキーをデポし、ワカンに履き替える。時折晴れていた天気も曇りとなり、薬師山の頂上部には雲がかかっていた。
 岩場の鉄梯子を過ぎ、頂上手前の斜面は雪が深く股まで潜る。荒い呼吸をしながらニセ鶏頭に立つ。ここから見る鶏頭山は迫力があり美しい。中岳から早池峰山は雲の中で見えなく、昨年春に登ったのっぺりした毛無森の姿は雄大だ。

岩場の上から見る毛無森
岩場の上から見る毛無森

ニセ鶏頭への出口
ニセ鶏頭への出口

ニセ鶏頭
ニセ鶏頭


ニセ鶏頭から見る鶏頭山

 鶏頭山の鞍部まではでこぼこの稜線なので、斜面をトラバースするが腿まで潜り、一人でのラッセルに着かれてきた。鞍部手前の稜線に出ると吹きさらしとなり、ようやく潜らなくなった。

鞍部からの鶏頭山
鞍部からの鶏頭山

 鞍部から岩場を登って行くと、ようやく鶏頭山に着いた。避難小屋から3時間以上もかかり、岳からは7時間以上もかかってしまった。やはりこの時期では早池峰山は遠すぎ、せいぜい3月末から4月になって雪が安定しないと無理のようだ。
 天気も悪くなってきたので写真を撮り、すぐに下山する。踏み跡をたどって行くと、ニセ鶏頭の頂上に人影が見えた。日曜日で天気が良い予報にもかかわらず、登山者は見えない。

鶏頭山
鶏頭山

鶏頭山から見るニセ鶏頭
鶏頭山から見るニセ鶏頭
 ニセ鶏頭に着くと単独のおじさんがいた。岳の駐車場を9時に出てきたと言い、6人程は途中で戻ったと言うので、登りは舗装道路状態のトレース跡だったのだろう。もう鶏頭山は見えなくなっていたが、写真を撮りたいのでもう少し待つと言っていた。
 潜るのでさほどスピードは出ないが、それでも2・3度は転ぶ。
 下り始めでプロテクターを着ければと思ったが、斜面が緩くなると潜ってしまいラッセルとなる。時間も早いので小屋でお湯を沸かす。カップラーメンにお湯を注いでいると、さきほどのおじさんがやってきたのでコーヒーをご馳走する。
 話を聞くと、登山道が無く雪がある時期でしか登れないコースを、いろんな山を単独で登っていると言う。
 カップラーメンおにぎりは美味しく、またコーヒーを味わって飲み、こんな山でののんびりもまた楽しい。
 試作2号器の下り用プロテクターを装着する。締め具を締めると、登山靴はプラスチック製の登山兼用靴へと早変わりして、足首がしっかりと固定された。

下り用プロテクター 試作器2号
下り用プロテクター 試作器2号

下りの舗装道路
下りの舗装道路
  下り始めると斜面が緩いので、滑らず潜ってしまうのでスキーを脱いで背負って下る。小さい岩場を過ぎ急な下りとなるなる時、再びスキーを履いて滑ると、確かに後傾姿勢で滑れて良い感じであるが、斜度が緩くなると潜ってしまいラッセルとなる。
 スキーは諦め、背負って下る。この新雪の時期、ショートスキーでは潜ってしまい、登りも下りもあまりメリットは無いように思う。雪が安定した3月後半からが威力を発揮するような気がする。今度からは長めのスキーにしよう!
 再来週に、山想会の例会登山を小田越コースで行うので、道路の下見に峰南荘へ行く。下山した登山者いて様子を聞くと、雪は少なく、林道にもそんなに雪が多くないと言う。

タイム:岳(5:00)→避難小屋(8:25〜9:00)→ニセ鶏頭(10:55)→鶏頭山(12:15)→避難小屋(14:00〜15:00)→岳(16:50)
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