女神山〜鹿ノ子山縦走 ガイド登山
 
真昼岳
真昼岳

2014年10月25日(土)〜27日(月)

 メンバー:嶋脇さん、小田中 智
 コース:女神山登山口〜女神山〜真昼岳〜峰越登山口〜鹿ノ子分岐〜峰越登山口〜林道〜兎平登山口〜
     真昼温泉手前


 夏の終わりに島脇さんから、女神山〜真昼岳〜薬師岳〜和賀岳〜高下岳縦走の依頼を頂いた。
 峰越登山口から甲山までの間の登山道の刈払い状態が心配である。ネットでの情報では2〜3年前に刈払いが行われている様子なので、あとは行ってみるしかない。
 水場はコース中ないので水を持参し、2泊3日を重装備での行動はきつい。よくこういう計画を考えるものだと感心する。いま和賀連峰にハマっている彼である。
 高下岳からの下山は高畑コースに下りるので、登山口に車をデポしなければならない。朝では時間がもったいないので前日の夕方に車をデポし、夜は女神山登山口で私の車に泊まることにする。

24日(晴れ)
 山伏トンネルに夕方集合し、高畑コース登山口に嶋脇さんの車をデポし、女神山登山口に私の車で向かう。
 いつものごとく晩酌をし、シュラフに潜る。外は満天の星空である。明日の天気予報も晴れの予報だ。

25日(快晴)

 5時に起床すると、まだ暗い中1台の車がやってきた。登山者だが、女神山を登るにしてはずいぶんと早い到着だ。
 6時過ぎに出発する。今回の重量は、共同用荷物を分担したので18kg程である。周りの木々は色づき紅葉が美しい。
 急な登りを終えて、傾斜の緩いブナ林を歩いていくと、木々の間から朝の日差しが眩しい。上空には青空が広がっている。
 山頂はダケカンバに囲まれているため展望は悪い。急な下りで鞍部に降り、868mピークを越えると展望がよくなり真昼岳の全容が見えてきた。空は青空で雲一つない。
 真昼分岐に合流すると遥か遠くに和賀岳が見えている。明日にはあの山付近まで行くのかと思うと、ずいぶん遠い道のりだ。
 手前のピークの急登にさしかかると、兎平からの登山者に追い越される。南西方向には鳥海山、東には早池峰山がかすんで見える。
 山頂には三輪神社が祀られる社殿があり避難小屋にもなっている。ここまで来ても明日向かう和賀岳は遠い。
 真昼岳に登るには峰越登山口からが一番近いので、ポツポツと登山者が登ってきた。峠には数台の車が止まっていた。
 ここから甲山まで国土地理院の地図には登山道の記載がない所だ。しかしながら登山道はしっかりとあり、かなり急な下りで鹿ノ子山へと稜線が続いている。
 アップダウンの多い稜線はやがて、刈払い後に笹が伸び歩きづらくなってきた。840mピークからは更にブッシュが混じりうっすらとしか踏み跡がなくなってきた。
 鹿ノ子山分岐に着いたのは16時を過ぎていたのでそろそろテン場を見つけなければならない。風鞍に向かって下り始めるが、藪こぎ状態だ。
 所々にある赤テープを見つけながら、平らな場所を探す。間もなく笹薮の中に、やや平坦な所を見つけたのでテン場に決める。
 3人用のエスパースは快適で広い。ネットでの明日からの天気予報は、明日から雨が降り明後日は雪で、風も明日から強くなる予報だ。
 この藪漕ぎの状態では明日中に薬師岳に着けるはずもなく、エスケープしても車までは戻れないので、嶋脇さんと話し合った結果、残念ではあるがここから戻ることにする。
 夕食はすき焼きである。たっぷりの具を食べながら山を語る。

白糸の滝
白糸の滝

ブナ林の紅葉
ブナ林の紅葉

女神山
女神山

ミヤマアキノキリンソウ
ミヤマアキノキリンソウ



女神山を振り返る
女神山を振り返る

真昼岳
真昼岳

和賀岳
和賀岳

真昼岳
真昼岳

真昼岳
真昼岳

三輪神社が祀られる社殿
三輪神社が祀られる社殿

真昼岳にて
真昼岳にて

振り返る真昼岳
振り返る真昼岳

和賀岳に続く尾根
和賀岳に続く尾根

タイム:女神山登山口(6:15)→女神山(7:55)→真昼分岐(9:20)→真昼岳(10:40〜50)→峰越峠(12:45)→鹿ノ子山分
    岐(16:20)→幕営(16:40)

26日(雨)
 夜中にトイレに起きると夜空には星が輝いていた。
 5時に起床し、食事の用意をする。空は曇り空だが明るい。下山し始めて間もなく雨が降り出し、すぐに強い雨になった。すぐにカッパを着るが、それまでに結構濡れてしまった。
 昨日4時間もかかった道のりはやはり長い。アップダウンの登りと最後の長い急登は疲れた。峰越峠は風があり、濡れた体は寒い。
 ここから真昼岳を経て、女神山から車まで6時間程かかる。体が濡れた状態で4時間も風に当たって歩くにはリスクが高い。峰越林道を真昼温泉に下れば4時間程だ。
 迷うことなく後者を選び、林道を歩く。風があたらないので寒くはないが、長い距離の林道歩きは飽きる。風が当たるアップダウンの稜線を歩くよりは楽なので仕方ないとあきらめる。
 3時間歩いてやっと兎平登山口に着いた。距離は10kmあり、途中が崩れている所があり通行止めになっていた。峰越峠には通行止めの標識は見当たらなかった。
 ここから沢内街道まで8.8kmあるが、携帯が通じないのでタクシーは呼べない。1時間半ほど歩くとようやく携帯が通じたのでタクシーを呼ぶ。女神岳登山口に置いた車を回収し、今夜は近くの温泉に泊まることにする。
 タクシーに乗りながら温泉を紹介してもらい、女神山登山口に向かう。宿は巣郷温泉にある「クアハウス巣郷」なので、湯田から秋田県の県境に向かう。
 温泉にゆっくりと浸かり冷えた体を温める。夕食は豪華で、びっくりである。温まった体に冷たいビールが美味しい。

幕営地にて
幕営地にて

鹿ノ子山
鹿ノ子山

峰越峠
峰越峠

西和賀町真昼山系滝巡りガイドマップ
西和賀町真昼山系滝巡りガイドマップ

紅葉する林道
紅葉する林道

真昼温泉
真昼温泉

タイム:幕営地(6:40)→峰越峠(10:35)→兎平登山口(13:30)→タクシー(15:30)

27日(雨)
 ゆっくりと起き、朝風呂に入って食事する。今日は錦秋湖の紅葉を見て、真昼温泉に入って、嶋脇さんの車を回収して帰る予定である。

 今回の計画は距離的に長く、道路の刈払いがなければ2泊3日では無理な工程だ。天候と刈払いで敗退となってしまったが、女神山から鹿ノ子山分岐まで縦走できたことは良かったと思う。


★嶋脇さんのからの声
 女神山から和賀岳への大縦走路があると知り、藪の状態や道の状態を兼ねて今回ガイドを依頼した。水場も避難小屋も少ないこの縦走はやはり厳しい山行になった。
 天候悪化により鹿ノ子山から引き返したが、目標は単独での女神山ー真昼岳ー和賀岳ー白岩岳登山口なので、十分今後の参考になった。
 鹿ノ子山からの先の藪の状態が気になるから、来年になると思うが下見にいく予定だ。 
 今年の冬場も小田中ガイドといろいろ歩きたいと思っているので、ご指導等よろしくお願いします。
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