七時雨山 美しい双耳峰から眺める岩手山の迫力は素晴らしい!
 
七時雨山(左が南峰、右が北峰)
七時雨山(左が南峰、右が北峰)

1月31日(木)〜2月1日(金) メンバー:渡辺 正藏、岩淵 一雄、小田中 智

 コース:七時雨温泉ゲート〜車之走峠〜七時雨山南峰〜北峰 往復


 お客様より冬の七時雨山に、車之走峠から登り南峰から北峰に縦走したいとの依頼があった。私は登ったことがなかったので調べてみると、美しい双耳峰で魅力的な山だった。
 コースは北面の田代平高原と南面の車之走峠からの2コースがあり、田代平高原からが一般的であるが、冬場はどちらも冬期通行止めになっている。
 道路と山を偵察するため行って見ることにし、盛岡山想会の大先輩の渡辺さんと岩淵さんを誘うと、同行するというので天気の良い日を選択して行くことになった。
 初めてのルートなので前日の明るいうちに道路を確認し、テントに泊まり宴会をし、翌日から登ることにした。

31日(晴れ)
 矢巾を12時に出発し、渡辺さんを迎えに大志田に向かう。そして、岩淵さんを迎えに八幡平市に向かう。
 岩淵さんの玄関からは洞ヶ沢から屏風尾根と岩手山の迫力ある山容が見える。この景色を朝な夕なに見上げているのかと思うとうらやましくなる。
 彼らは山想会の先輩であるとともにヒマラヤ遠征の仲間でもあるが、年齢が離れているせいもあり個人山行では一緒になることがあまりなかった。
 途中で宴会の食料を買い込み、平舘から地方道17号を寺田に向かい、県道227号を北上した。
 七時雨温泉の手前で道路状況を訪ね、温泉のすぐ先で道路は冬期閉鎖になっていた。今日はここにテントを張って泊まり、明日の朝から歩くことにする。
 熱いコーヒーを飲み、宴会の準備をする。献立は、キムチ鍋と刺身、玉子焼、うどんである。5時頃から始まった宴会では、久しぶりに一緒になる仲間との話がもりあがり、寝たのは11時頃だという。
 長時間の宴会のため、持ってきたガスはすっかり無くなり、朝食に使用するガスまで無くなってしまった。

1日(快晴)
 5時過ぎに起きる。飲み過ぎのためと睡眠不足のため、頭がボーッとしている。ガスがないので朝食抜きで、身支度を整える。
 辺さんはスノーシューを履き、歩くスキーを背負う。淵さんは山スキーを履き、ワカンを背負う。私はスノーシューを履くと、それぞれ思い思いの格好で歩き始める。
 間もなく小屋があり、田代平へ行く県道227号と別れ、車之走峠に向かう林道へと左に曲がり、水汲沢に架かる橋を渡る。
 空は雲一つない快晴である。林道はスノーモービルが走ったトレースがあり、その上を歩くと全く潜らないので楽に歩けた。
 カーブした林道を登って行くと、七時雨山の山容が見え始めてきた。辺り一面は牧野のため遮るものがなく、美しい双耳峰が青空の中にくっきりと浮かんで見えてきた。
 標高が低いわりには美しい三角形の山で、とても見ごたえのある美しい山だ。手前の山が南峰、後方の右の山が北峰で、南峰の方が3m高い。
 車之走峠の手前でスノーモービルの跡がなくなり、10cm程もぐる雪面を蹴り上げると、粉雪が太陽にキラキラと輝きこれもまた美しい。
 車之走峠手前の登山口で仲間を待つ。辺さんと淵さんは体調が悪いというので別れ、単独で山頂を目指す。
 地図とGPSで現在地を確認し、雑木林の中をゆっくりと登って行く。顕著な尾根はないが上へと登って行くと、間もなく目印の赤布があった。
 細いブナ林からダケカンバに変わると徐々に傾斜も増してきた。樹高が低くなると上部の斜面が見え出し、後ろには勇壮な岩手山がそびえている。
 この辺りの兎は登山をするのだろうかと思うほど、兎の足跡が山頂へと続いている。トレースをたどると、間もなく南峰に着いた。
 山頂はけっこう風があり、風に揺れる北峰はすぐそこに見える。目の前の南方向には岩手山から八幡平、南東方向には早池峰山がかすんで見える。あまりにも天気が良いせいか、遠くの山々はかすんで見えない。
 鞍部から北峰へと続く雪稜には、小さな雪庇が右側に張っている。鞍部からは雪が柔らかく、ラッセルをしながら登って行くと間もなく北峰に着いた。
 秋田方面や青森方面の高い山々にはかすみがかかり見えなかった。風が強いので写真を撮り、すぐに下山する。
 南峰の手前では、風で作られたシュカブラに風が吹きつけ、風と共に舞う粉雪が美しい姿を見せてくれた。
 山頂からの下りは早いもので、休まないうちに登山口に着いた。
 林道から振り返ると、快晴の青空に浮かぶ七時雨山の双耳峰がいつまでも見送ってくれた。
 林道の途中の道の真ん中に、赤いリンゴがポツリと置いてあった。これは辺さんの仕業である。後から下る私のために、持ってきたリンゴを置いていってくれたのである。
 とても嬉しくリンゴにかぶりつくが、大きいリンゴをたいらげるにはしばらく時間がかかり、立ち止まってほおばる。
 しばらく単調な林道を歩いていくと田代平へ続く県道にぶつかり、間もなく仲間が待っている車に着いた。

車之走峠への林道
車之走峠への林道

七時雨山が見え始める
七時雨山が見え始める

スノーモービルの跡
スノーモービルの跡

七時雨山の全容
七時雨山の全容

七時雨山
七時雨山

林道を歩く渡辺さん
林道を歩く渡辺さん

登山口はまだ遠い
登山口はまだ遠い

七時雨山南峰
七時雨山南峰

車之走峠手前の登山口
車之走峠手前の登山口

ここからしばらく山は見えなくなる
ここからしばらく山は見えなくなる

兎のトレースが山頂へと続く
兎のトレースが山頂へと続く

七時雨山南峰
七時雨山南峰

南峰と岩手山
南峰と岩手山

岩手山
岩手山

北峰
北峰


北峰

北峰山頂
北峰山頂

北峰から見る南峰
北峰から見る南峰

風に舞う峰
風に舞う峰

帰りの七時雨山
帰りの七時雨山

タイム:ゲート(6:40)→登山口(9:40〜50)→南峰(11:50)→北峰(12:20)→南峰(12:40)→登山口(13:30〜40)→
    ゲート(15:30)
↑ページの先頭に戻る