秋田駒ヶ岳 スキー滑走
 

男女岳

2015年5月17日(日)〜18日(月)

 メンバー:17日/単独、18日/三浦 功(盛岡山想会)
 コース:国見温泉〜阿弥陀避難小屋〜男女岳滑走〜男岳〜五百羅漢〜国見温泉


 盛岡山想会の残雪期訓練があるので顔を出し、阿弥陀小屋に1泊して翌日スキーをすることにする。
 今年は雪が少ないので雪が繋がっているか分からないが、新調した兼用靴でどこまで歩けるか試すこともしたかった。
 スキーは担いで登らなければならないことも考えて、ショートスキーを持っていくことにする。

17日(霧雨と強風)
 自宅を3時に出て国見温泉に向かう。会の連中は駐車場にテントを張り泊まっていたが、動く気配がないので先に行く。阿弥陀池付近で合流することにしている。
 温泉からの急登を終えても雪は無く、夏道が続いている。ザックの重量はスキーを背負っているので20kg程だろうか?
 しばらく登って左の沢状に入り朝食にする。沢には雪が詰まっており、もっと下から入ればよかったが、入りそびれてしまった。横長根も雪がなさそうでスキーで登れそうもないので、ここで仲間を待つことにする。
 しばらく待つとようやく話し声が聞こえてきたので、笹を揺らして脅かしてやる。そのまま沢状を登って行くと途中で雪が切れていて藪こぎをしいられた。藪を漕ぎながらストックに乗ってしまったのか、買ったばかりのストックが折れていた。
 横長根分岐で仲間と合流すると、風が大分強くなってきた。左足の土踏まずの上があたって痛くなってきた。ムーミン谷分岐手前で先行していた仲間が下りてきた。風が強いので横長根分岐付近で雪上訓練をするという。
 花は横長根分岐から咲き始め、ショウジョウバカマ、ムラサキヤシオツツジ、シラネアオイ、ミネザクラ、オオバキスミレが目についた。
 分岐を過ぎると風がますます強くなり風速20m程になる。登って行くと風はドンドン強くなり、風速35mとなり歩けないほどになった。立っている杭とロープにつかまるが、立ち止まっている方が長くなってきた。
 単独行者が登って行ったが、私は仲間の元まで一旦下ることにする。横長根分岐付近で仲間と合流し、歩行訓練などを指導する。間もなく訓練は終わり仲間たちは下って行った。
 しばらく横長根分岐で時間をつぶし、再び登り出し、ムーミン谷コースに入って行った。砂礫をトラバース気味に行くと残雪となり雪渓はだいぶあるが、例年に比べると少ない。
 この谷は雪が解けるとチングルマが咲き乱れ、谷全体がチングルマで埋めつくされる。谷は風が無い代わりにガスり、男岳分岐への登り口が分かりづらい。
 アイゼンを履き登り始めるが、足はすっかり擦れているようで、マメ中足だらけ状態で痛い。小さい石が音もなく時々落ちてくる。斜面はだんだん傾斜が強くなり、雪はけっこう硬いので、しっかりストックを突きながら登って行く。
 分岐では強風を心配していたがそれほどでもなく、男岳の山頂には行かず阿弥陀小屋へ向かう。小屋は誰もいなく貸切だ。この小屋の2階が広間で、西側と東側の窓からは夕日と朝日が見れるのである。
 小ぎれいな小屋で毛布が6枚ほど置いてあるので、寒い時期には助かる。荷物を整理し昼食とする。時間も早いのでシュラフに潜って昼寝する。
 ゆったりとした時間がゆっくりと過ぎていく。風の音が聞こえるが、天気は回復し太陽が出ている。起きると寒いので、椅子と毛布でコタツを作り中にコンロを入れる。
 コタツは暖かく、ラジオを聞きながらのコーヒーは格別である。まったりとした時がゆったり過ぎていった。家にいるとこんな時間はなく、きっとパソコンをしていることだろう。
 夕方ころに三浦さんが来る予定であるが、来ないところをみると都合が悪くなったのかもしれない。この辺は携帯が通じない場所である。夕方を過ぎると天気が悪くなり、風もかなり強くなってきた。
 夕食はサラダ、焼魚、ジンギスカンだ。ビールで一人乾杯する。一人でのお泊まり山行は久しぶりだ。つまみを食べながら、しずかに一人で飲む酒もまた美味い。仲間と登る山も楽しいが、一人の山もまた楽しい。


ムーミン谷分岐


阿弥陀池と男岳


男女岳


湯森山と岩手山


18日(晴れ)
 明るくなった時、東側の窓を覗くと岩手山の後ろの雲が赤くなり始めていた。間もなくご来光だ。冬期入口に出て少し待つと陽が昇り始め、ますます雲が赤くなり始めた。黒とオレンジのコントラストが素敵な美しさだ。
 スキーで滑るにはまだまだ時間があるので、またひと眠りする。7時過ぎに起き、ラーメン炒飯の食事をする。荷物をパッキングしてようやく外に出る。
 目の前に男女岳の雪の斜面が見える。昨日の風と天気が嘘のようで、空は真っ青で快晴だ。雪は山頂までは繋がっていないみたいだが、下まで滑ると面白そうだ。2本も滑れば最高である。
 シールを付けて登って行く。9時もとうに過ぎているので雪はだいぶ柔らかくなっている。滑るには最適な雪質だ。雪が切れる所まで登り、シールをはずし靴を締める。
 滑りだすとザラメ雪とショートスキーと兼用靴のため、思い通りに曲がってくれた。とても楽しい。これをするためにスキーを担いできたのであるが、その価値は十分である。
 もう一度登り始めると三浦さんの声がした。どうやら今朝発で登って来たらしい。雪はベタベタでシールが剥がれるほどだ。再び滑って、三浦さんが待つ小屋へ滑って行く。
 彼はスキーを持ってこなかったので、男岳山頂へ向かう。空には霞がかかってきたが、それにしても良い天気だ。山頂から見る遠方は、霞がかかっているようでスッキリ見えなかった。
 山頂から五百羅漢に急な登山道を下って行くと、足の痛さは最高潮になっていた。途中で三浦さんからテーピングテープをもらい靴下を脱ぐと、4cm程の円形に皮がむけていた。妥協しないで歩いたせいでこうなったが、いた仕方ない。
 道脇には小ぶりながらミヤマキンバイがいっぱい咲いていた。この分では今年のムーミン谷のチングルマの開花も早そうだ。
 左にある雪渓を尻滑りで下ると下は急傾斜の斜面だったので、右に向かって夏道に戻る。途中で昼食にする。
 昨日、横長根で見た花たちは寒さでちぢこまっていたが、今日は暖かい陽射しを浴びて元気に咲いていた。
 横長根分岐から少し下った所で右の雪渓を下って行く。テーピングをした足は雪の上のせいもあり、いくぶん楽だった。
 駐車場で三浦さんと別れ、石塚旅館で薬師の湯に入っていく。


岩手山から昇る朝日


岩手山から昇る朝日


男女岳の滑走斜面


分岐から男岳


痲岳


男女岳


金十郎尾根と田沢湖


男岳山頂


ムーミン谷から男岳に山頂直下に続く雪渓


男岳分岐に続く雪渓


女岳と男岳


ミヤマキンバイ


ミネザクラ


シラネアオイ


オオバキスミレ


ムラサキヤシオツツジ


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ショウジョウバカマ
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