八ヶ岳 阿弥陀岳〜硫黄岳縦走
 


2017年9月2日(土)〜5日(火)
 メンバー:佐藤 博、吉田さん、櫻田さん、小田中 智
 コース:美濃戸山荘〜行者小屋〜阿弥陀岳〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜美濃戸山荘


 八ヶ岳連峰は赤岳(2,899m)を主峰に、南北30kmにわたって2,000m級の峰が連なる。周囲の山から望むと裾を長く引き、均整のとれた姿だ。
山梨県と長野県にまたがる裾野は、諏訪盆地、佐久盆地、甲府盆地へと広がっている。標高1,200m位までは高原野菜が栽培され、また牧場が広がりその上に広葉樹林、針葉樹林、灌木帯、お花畑、荒々しい岩稜へと続く。
 八ヶ岳は、夏沢峠を境として北を北八ヶ岳、南を南八ヶ岳と呼ぶ。北八ヶ岳は鬱蒼とした原生林に池が点在し、その神秘さに心ひかれて歩けば、草原や笹原が出るなど開放感を味わえるエリアである。
 南八ヶ岳は明るくアルペン的な山容で、稜線にはお花畑が広がり、岩壁にはクライマーの声がこだまする。八ヶ岳は、南北合わせて、日本の山を凝縮したような山である。

2日(曇り)
 それぞれの自宅を周り、7時に高速道に乗る。7月から日照時間が少なかった日が続き、雨のため毎回カッパを着用する山行ばかりであったが、今回は天気が良い予報だ。
 佐久南ICで高速道を降り白樺湖を通り、蓼科高原でお茶をして美濃戸に向かう。山容は雲に隠れ見えないが、お天気が良い高原の雰囲気はのどかでいい感じだ。
 宿泊する美濃戸高原ロッヂはペンションで、こじんまりとして家庭的な感じで温かみがある宿だ。温泉に入り湯上りの冷たいビールがうまい。夕食は手作り料理で美味しかった。

3日(晴れ)
 明後日もここに泊まるので荷物を残し出発する。デコボコの林道をゆっくり走り、美濃戸山荘の駐車場に車を置く。遅めの時間なので駐車場は満車に近かった。
 南沢をゆっくり歩いていくが、老いも若き者みんなに追い抜かれていく。上空は日差しが強そうだが、樹林帯は日陰になり清々しく気持ちがいい。
 3ピッチ歩くと広い河原になり横岳の岩稜と赤岳が、青空に中に見えてきた。行者小屋で早めの昼食にする。
 今日の宿泊は展望荘で、時間的に余裕があるので急きょ阿弥陀岳経由で行くことにする。中岳のコルまでは急な登りで、ペースを落としながらゆっくり登っていく。
 阿弥陀岳への登りは急な岩場で、落石に注意しながら登りきると間もなく山頂に着いた。山頂から眺める赤岳や横岳の展望は素晴らしいのだが、上部には薄い雲がかかり残念ながら見えなかった。
 急な岩場を慎重に下り、中岳を越えるといよいよ赤岳の登りにかかる。ジグザグの道を登っていくと小さいコマクサを見つけ、トウヤクリンドウも咲いていた。思わぬ花に励まされながらザレ場を登っていく。
 文三郎尾根分岐を過ぎると岩場帯になり、岩場が好きな吉田さんは嬉しそうに登っていた。私も岩場が好きで、岩場は変化に富んでいるため、単調な登山道を歩くよりは疲れていても楽しさがある。
 権現岳からの縦走路に合流すると山頂は間もなくだ。山頂は薄い雲の中で展望はないが、阿弥陀岳を越えてきたという達成感が嬉しい。
 山頂のすぐ先には小屋があるが、下の展望荘には風呂があるため、標高2,700mの山小屋の風呂にロマンを求めてそこに泊まることにしていた。
 吉田さんが友人からもらった宿泊券は個室無料券で、1室の個室料金が無料となった。夕食はバイキングで、この高所で生ビールを飲めるのはうれしい。
 夕食後念願の風呂に入るが、お湯を沸かせないみたいでぬる過ぎたが、入っている方が暖かいのでしばらく浸かっていた。


行者小屋と横岳付近


横岳


ホソバトリカブト


阿弥陀岳への岩場


間もなく阿弥陀岳


阿弥陀岳にて


中岳と赤岳


カワラナデシコ


阿弥陀岳


ミネウスユキソウ


赤岳への登り


コマクサ


赤岳の岩場


権現岳への縦走路


赤岳山頂


赤岳山頂


横岳への稜線

タイム:美濃戸山荘(7:10)→行者小屋(10:15〜50)→中岳のコル(12:00)→阿弥陀岳(12:55)→赤岳(15:45)→
    赤岳展望荘(16:30)


4日(高曇り)
 目覚めると朝焼けになっていた。雲はだいぶ高いが、その上から日が差しこみ、富士山は上半分が雲に浮かんでいる。素敵な朝だ。
 食事をしてゆったりと出発する。空は曇りであるが視界は良好で峰々と近くの山々はクッキリ見えている。たいして期待はしていなかった天候であるが嬉しい天気だ。
 御嶽山や金峰山は雲海に浮かび、昨日登った阿弥陀岳と赤岳は勇ましい姿を見せてくれている。前方にはこれから向かう横岳の岩稜と台形型の硫黄岳が待ち構えている。素晴らしい景色だ。
 横岳付近の岩場はクサリやハシゴが点在し、スリル満点で吉田さんは楽しそうだ。側面から見る大同心の岩壁もカッコイイ。この岩壁を若い頃に登らなかったことを悔やむ。
 前方にはこんもりとして山頂部が平らな硫黄岳、その奥には北八ヶ岳の蓼科山と横岳が見えている。左下には行者小屋がすぐ下のように見え、素晴らしい絶景だ。
 硫黄岳山荘で少し早い昼食をする。硫黄岳の登りは平べったい石が積み重なった道で、付近にはたくさんのトウヤクリンドウが咲いていた。今の時期に花が見れるのは嬉しいことだ。
 硫黄岳の山頂は平坦な頂で、今回の縦走の最後のピークである。薄い雲がかかり展望はなかったが、今まで展望がよく快適な行程であったためか、みんな満足気な顔をしていた。
 下り始めると日がさし始め、逆光に横岳の岩稜が輝いていた。あとは赤岳鉱泉まで急な下りをひたすら下るだけである。
 赤岳鉱泉でゆっくり休み、美濃戸へとゆっくり下っていく。
 ロッヂで汗を流し、火照った体に冷たいビールが心地よくしみた。夕食は牛の焼肉で、日本酒が美味しい季節になってきたようだ。


朝焼け


富士山


中岳と阿弥陀岳


赤岳


横岳付近にて


大同心と硫黄岳、蓼科山


硫黄岳


横岳、赤岳、阿弥陀岳


硫黄岳山頂にて


トウヤクリンドウ


横岳から阿弥陀岳の稜線

タイム:展望荘(7:10)→横岳(8:30)→硫黄岳(11:05)→赤岳鉱泉(12:40〜13:10)→美濃戸山荘(15:10)

5日(晴れ)
 朝をゆったりと過ごし9時に宿を出発して、宿から紹介された「たてしな自由農園原店」へ行き買い物をする。採れたての高原野菜や果物が豊富で、他にもお土産品がたくさんあった。
 3人で運転を交代しながら盛岡へと帰っていった。
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