冬の焼石岳 リベンジ
 


2019年1月12日(土)〜13日(日)

 メンバー:居谷さん(神奈川県)、下野さん、藤原 豊さん、小田中 智
 コース:胆沢ダム〜つぶ沼〜金山沢手前〜冬道〜銀明水避難小屋(泊)〜頂上往復〜中沼コース〜胆沢ダム


 焼石岳は、岩手県南西部、奥州市と和賀郡西和賀町の境にある標高1,548mの火山である。奥羽山脈中部に属し、牛形山、駒ヶ岳などからなる焼石連峰の主峰で、栗駒国定公園の一部にあたり、日本二百名山の一つである。
 ブナの原生林に覆われ、山腹には小沼が多く分布しミズバショウや高山植物も豊富である。山はたおやかで高山植物と紅葉は素晴らしい美しさがあり、全国からの登山者に人気の山だ。
 冬は日本海の影響を受け豪雪地帯で風も強く、1月〜2月にかけては晴れる日はめったにない。登山口への林道の距離は長く、スキーを使用しても日帰りではかなりきつい。だからこそ冬の焼石岳は魅力がある。
 中沼コースとつぶ沼コースが合流した先に銀明水避難小屋があるので、1泊2日で行動すると時間的には比較的に楽に登れる。冬は1泊2日のバックカントリーが人気だ。
 避難小屋には石油ストーブが常設しているので、自分が使用する分の灯油を持参すると暖かい夜を楽しく過ごすことができる。

 昨年、居谷さんと下野さんで挑んだが、避難小屋から20分程登ったところで視界が3mとなり、危険を感じたのでそこから戻り敗退に終わった。今年はリベンジで再び挑むことになった。

12日(土)
 家を4時に出て北上で居谷さんを迎え胆沢ダムに向かう。今年は雪が少なく、北上市内でも雪がない状態であり、胆沢ダム手前になってようやく路面が凍っていた。
 除雪終了点で友人の藤原君と合流する。今日は天気はさほど悪くもなくラッセル要員が一人増えたので、つぶ沼コースを登ることにする。
 暗い石渕トンネルを過ぎてスノーシューを履く。平年に比べるとかなり雪は少ないが、その分ラッセルが少ないと楽ができる。一昨日の雨はこの付近でも降ったと見え、雪面が硬いので潜らずに歩けた。つぶ沼登山口から樹林帯に入る頃には日が差し始め、春山のような感じで心もウキウキする。
 夏道は金山沢を渡るのであるが、雪がある時はどこでも歩けるので、岳山を手前から回り込む冬道を行く。 天気は良く風も穏やかで、ラッセルも少ないのでのんびり歩いていく。
 岳山の夏道に合流する頃、銀明水避難小屋を管理・パトロールする方がスキーで追いついてきた。雪が多くても少なくても、登りはスキーの方が楽だ。
 しばらくして中沼コースに合流すると風が吹いてきたが、小屋はすぐそこである。小屋に着くとパトロールの方がおり、明日も来ると言って帰って行った。しばらくして2人パーティが登ってきた。
 この小屋には石油ストーブを常設しており、、灯油を持参すると使用できるので寒い冬はありがたい。熱いドリップコーヒーを飲みながら水を作ると暇になったので、チビリチビリとアルコールをいただく。
 今夜の献立は、海鮮鍋、ラム肉ステーキ、漬物である。まだ明るいが各自で持ち寄ったアルコールを出し合って乾杯する。語り合いながら飲む酒は美味しく、街での宴会と比べると雲泥の差である。


胆沢ダム


猿岩の北面


つぶ沼登山コース


金山沢手前の冬道

銀明水避難小屋

タイム:胆沢ダム(7:00)→つぶ沼登山口(8:30)→金山沢手前(10:15)→銀明水避難小屋(13:50)


13日(晴れ)
 夜中トイレの際にドアを開けると星が瞬いていた。朝食を済ませ、不要物を置き軽い荷物で外に出ると、横岳の稜線が赤く染まり始めていた。天気予報も好転を支持しているので、今日も楽しい一日になりそうだ。
 小屋から20分ほど登ったところが昨年の敗退地点で、視界は3mしかなかったが、今日は日に照らされた雪面がまぶしく、横岳の稜線も青空と日を浴びてくっきり見えている。
 しばらく登ると山頂が見える地点だが、山頂だけは雲に覆われていた。しかし右方には経塚山の山頂部が見えている。
 姥石平は夏道が見えるほどで、例年に比べるとかなり雪が少ないみたいだ。風はいく分強くなってきたが視界は良好で、うっすらと山頂が見え隠れしている。
 山頂からの展望は秋田県側は雲に隠れているが、東焼石岳から経塚山の稜線が見えかくれし、横岳は日に照らされて輝いている。冬に見るこの景色は初めてである。近年の冬にはあのどっしりした経塚山へと縦走したいものだ。
 遠く神奈川県から来ていただいた居谷さんにとっては、2年越しの焼石岳である。前の岩手山は3度目にして山頂に立った。アルプスに比べると岩手の山々はかなり標高が低いのであるが、それなりに厳しい気象条件をそなえている。
 のんびり下り、小屋でパッキングをし直す。下りもラッセルは少ないようなので中沼コースを下っていく。天気が良く連休でもあるせいか5人ほどの方とすれ違った。
 上沼から見上げる横岳は日に照らされて美しく、夏でもなかなか見れない景色である。冬の道は夏道に比べると起伏が少なく、雪で膝への負担も軽減され、ラッセルが無ければかなり歩きやすい。
 林道の帰り道は約1時間半。下山時には余計長く感じられるが、スノーモービルのトレースがあるとかなり楽である。


銀明水避難小屋


朝焼け


横岳


何を見ているのだろうか


焼石岳方面


山頂にて


牛形山


横岳


経塚山


上沼から望む横岳稜線

タイム:小屋(7:05)→姥石平(8:35)→焼石岳(9:20)→小屋(10:55〜11:50)→胆沢ダム(14:55)
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