仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳 ツアー登山
 


2016年9月1日(木)〜4日(日)
 メンバー:渡邊 正一さん、幸坂さん、佐々木さん、小橋さん(神奈川県)
 コース:2日/北沢峠〜薮沢分岐〜馬ノ背ヒュッテ〜仙丈ヶ岳〜小仙丈ヶ岳〜北沢峠
     3日/北沢峠〜双児山〜駒津峰〜甲斐駒ヶ岳〜駒津峰〜仙水峠〜北沢峠

 甲斐駒ヶ岳を登りたいという佐々木さんの依頼で、仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳ツアーを計画した。
 昨年まで一緒に登った81歳の田村さんも参加する予定であったが、ツアーから2ヶ月を前にして急に亡くなった。甲斐駒ヶ岳に行きたがっていただけにとても残念だ。ご冥福をお祈りします。

1日(晴れ)
 佐々木さん、幸坂さんの自宅に迎えに行き、滝沢ICから高速道に乗る。天気予報では終日天気が良さそうだ。
 福島西ICで古くからの友人である渡邉ちゃんと合流して、一路茅野駅へ向かう。横川SAで昼食にするが、近くには妙義山の日本離れした威容な山容が見えている。
 諏訪ICで長野自動車道を降り、茅野駅で小橋さんと合流した。渡邉ちゃんと運転を交代しながらの走行なので合間を見て一眠りする。
 今日の宿泊地である仙流荘は、長野県側の南アルプス林道の入口の宿で、露天風呂からはギザギザにとんがった鋸岳の山容が見えた。
 今日は天気が良く、車内でかいた汗を流し、まずは風呂上がりにビールで乾杯する。

2日(晴れのち曇り)
 始発のバスは長蛇の列で混んでおり、3台目のバスで北沢峠に向かう。南アルプス林道の途中からはノコギリの刃のような鋸岳が見え、運転手はバスを停めて説明してくれた。
 北沢峠で身支度を整え、仙丈ヶ岳に向かって登り始める。原生林の中の登山道は日が当たらず涼しく、広く歩きやすい道をゆっくりと登って行く。
 藪沢分岐から薮沢に向かって緩やかな道を下って行くと、ナナカマドの実が真っ赤に色づいていた。薮沢の冷たい水を飲むと、汗で火照った体はひと時涼しくなった。
 沢の合間からは鋸岳が見え、その奥には赤岳の頭が霞んで見えている。甲斐駒ヶ岳から鋸岳へ縦走したら気分が良さそうだ。
 馬ノ背ヒュッテから稜線に上がると背後に甲斐駒ヶ岳の白い頂きが見えた。明日登る山であるが、花崗岩の岩がまるで雪が積もっているかのように白く輝いている。
 正面にはなだらかな山稜の仙丈ヶ岳が見えている。仙丈小屋を過ぎると、今まで天気は良かったのであるが、雲がだいぶ多くなってきた。
 山頂は雲に覆われ周りの山々は見えなかったが、ついさっきまで見れた景色だけでも十分だった。
 砂礫の稜線を下って行くと岩の隙間にミヤマキンバイが一輪だけ残っていた。もう花は終わっているはずだが、岩手から来た私達を待っていたかのように、鮮やかな黄色だった。
 小仙丈ヶ岳から急な下りで藪沢分岐に合流すると、北沢峠までは残り半分の時間だ。
 今夜泊まるこもれび山荘は峠の道路脇にある宿で、外観は洒落た感じの山荘だ。寝どころに荷物を置いて、まずはビールで乾杯する。
 18時の夕食後、朝早い出発なので早々に眠る。


北沢峠の登山口で


ヤマトリカブト


鋸岳の山容


赤く色づいたナナカマドの実


薮沢の徒渉点


甲斐駒ヶ岳


仙丈小屋と仙丈ヶ岳


山頂への稜線

山頂にて


ミヤマキンバイ

タイム:北沢峠(7:10)→藪沢分岐(9:10)→仙丈小屋(11:45)→仙丈ヶ岳(12:25〜45)→小仙丈ヶ岳(13:50)→
    北沢峠(16:00)


3日(晴れ時々曇り)
 3時過ぎに起床し朝食弁当を食べる。空には星がキラキラと輝き好天を告げている。体操をして、ヘットランプをつけて暗い道を登って行く。
 朝食べた弁当が胸ヤケを起こし、軽いムカツキで調子が悪い。朝早くの食事であるが、今までこんなことは一度もなく、これも年齢を重ね老いてきた現実なのだろうか?
 双児山の稜線に出ると後方に、日に照らされた仙丈ヶ岳の上部が見えてきた。空は青空で今日も晴れである。渡邊ちゃんからは私は雨男と言われているのだが、この好天は強い晴れ女いるせいだろうか。
 調子はまだ戻らずゆっくりペースに助けられながら、甲斐駒ヶ岳から続く鋸岳の稜線、双児山の奥に見える昨日登った仙丈ヶ岳を振り返りながら登って行く。
 駒津峰に着くと正面には白く輝く甲斐駒ヶ岳が間近に見えてきた。なんと素晴らしく素敵な景色だろうか。2ヵ所の岩場を慎重に下ると鞍部の六方石に着いた。
 山頂へのルートは時間が押していることもあり、摩利支天側の巻き道から摩利支天には寄らずに山頂へ向かう。駒津峰からの岩場を歩いていると調子がようやく戻ってきた。
 白い砂礫の道は歩きにくく、今までの疲れもありペースは落ちてきた。登るにしたがい雲が湧き始め、今日の山頂も展望はない。
 山頂でスイカを食べてくださいという若者がいた。ボッカのためにまるごとの大きなスイカを背負ってきて、無料でみんなに配っていたのだった。遠慮なくいただくととても甘く美味しいスイカだった。今どきこんな若者がいることに驚きを感じる。
 甲斐駒に来たがっていた田村さん、さぞかし名残惜しかったことだろう。プリントした写真を神社に入れて、みんなで冥福を祈りお別れをする。
 あとは一路、16時のバスに間に合うように仙水峠を経て下山するのみだ。駒津峰からの下りでは一瞬雲の切れ間から白い山頂が見えた。
 北沢峠でバスを待つ間、まずはビールで乾杯する。車中ではほろ酔い気分で居眠りをしながらバスに揺られる。
帰りの宿も仙流荘で、湯に浸かって汗を流す。夕食には南アルプスワインで乾杯する。


双児山


鋸岳


双児山と仙丈ヶ岳


甲斐駒ヶ岳


鋸岳


振り返った駒津峰


山頂にて


故 田村さん ご冥福をお祈りします


駒津峰から下った所

タイム:北沢峠(4:05)→双児山(6:40)→駒津峰(7:40)→甲斐駒ヶ岳(10:20〜50)→駒津峰(13:00)→北沢峠(15:40)


4日(晴れ)
 今日もいい天気だ。ゆっくりと朝食をいただき、新潟経由で帰るため車に乗り込む。茅野駅で小橋さんと別れ、寺泊の魚のアメ横に向かう。
 アメ横で遅い昼食に海鮮ものを頂き、お土産の海鮮物を買う。今回のツアーも運動量の割には美味しいものをたくさん頂き、帰ってから体重計に乗るのが怖い。
 渡邉ちゃんを家まで送り、趣味で作ったリンゴをいただいて家路につく。


おすすめの宿泊所 仙流荘 食事よし 対応よし


 今回のツアーは、山頂でこそ展望がなかったものの、全体的には天候に恵まれ、とても楽しいゆったりとしたツアーだった。
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