鶏頭山 ガイド登山 今年一年、無事に登山を終わることができました!
 
風雪の鶏頭山
風雪の鶏頭山

2013年12月29日(日) 天候:曇りのち風雪 メンバー:下野さん、小田中 智

 コース:鶏頭山登山口〜避難小屋〜ニセ鶏頭〜鶏頭山 往復

 岩手県内宮古の方から冬山登山の依頼をいただいた。ネットからの依頼では県内の方は少なく、しかも冬山の依頼は県内からは初めてである。
 先週も鶏頭山に行っており、前回のトレースは生きているものと思われるので、今回はラッセルが少なくて済むかもしれない。
 時期的にあと数日で今年も終わろうとしているので、これが今年の山納めである。記念に残る登山になることは間違いない。

 岳駐車場を6時の待ち合わせなので、家を5時に出る。大迫への道路は若干の雪があり、凍っているのでゆっくりと向かう。
 駐車場から登山口まで車で行ってみると入れたので、お客様と合流して私の車で登山口まで入る。
 上空には青空が見えるが上部は風が強いため、上空ではゴーゴーと風の音が聞こえる。山頂での天気予報は、曇りで風速16mとある。風速20m程までなら登ることは可能であるが、ホワイトアウトではどうしようもなく、山は現地に行きそこで判断するしかない。
 先週のトレースに新雪が10cm程積もっているが、23日に登山者が入っているみたいでしっかりしたトレースがついている。しばらくツボ足で汗を流し、スノーシューを着ける。
 新調したMSRは、今までのスノーシューに比べると装着が面倒くさいが、歩くとずいぶん歩きやすい。
 尾根に出ると青空から陽がさし、新雪に反射してキラキラと輝き、見ているだけでも美しく山に来た喜びがあふれてくる。
 前回のトレースに助けられながらも、ラッセルを交代しながら2ピッチで小屋に着いた。天気はしだいに崩れかけてきた。
 小屋に入り、熱いコーヒーとクッキーでティータイムとする。若い頃は体力に任せムタムタと歩いたものであるが、今は体力も弱くなってきたので、何かにつけてはゆっくりと休むことが多くなった。今はゆっくりと休にながら歩くのが楽しく、のんびりと山を歩けることに幸せを感じる。
 ニセ鶏頭の岩場の基部までのラッセルを心配したが、先週のトレースがうっすらと残っているので、それをたどるとあまり潜らずにすんだ。
 岩場付近からは風雪と変わったが、岩場に雪が着いたため先週に比べると登りやすくなっていた。スノーシューの前歯を利用して鉄梯子を慎重に登り、風雪のニセ鶏頭に立つ。
 まわりの景色は全く見えないながらも視界は100m程あるので、これからの前進には問題はない。稜線には30cm程の新雪が積もっており、稜線上の上り下りは極力左斜面の腹を歩くが、潜るのと細いブッシュの通過に体力を消耗する。
 下野さんは若いだけあって体力があり、ラッセルを交代するとかなり楽をさせてもらった。鞍部を過ぎると風が強くなり、風速10m、視界20mの山頂に着いた。
 残念ながらまわりの景色は全く見えないが、思ったより良い条件で山頂に立てたのは嬉しい。天気が良いにこしたことはないが、このくらいの天気の方が達成感というか登りがいはある。握手を交わし、写真を撮って早々に立ち去る。
 ニセ鶏頭の岩場は登りよりもまして慎重に下り、雪とたわむれながら小屋へと下る。体が冷えているので、この時のカップ麺はとても美味しい。いちいちコンロを出さなくてもよいのでテルモスはとても便利だ。
  新調したMSRは下りが滑って歩きずらいので、小屋からはスノーシューを外して下る。締め具もめんどうなので帰ったら使いやすいように工夫する必要がある。
  時おり股まで潜り滑ってはコケて、雪と戯れながら、早い時間に登山口に着き、今年最後の登山を無事に終えることができた。
 下野さんは、冬に早池峰山と岩手山に登りたいと言っているので、また一緒に登る時が楽しみである。

畳石から上の急登
畳石から上の急登

小屋への尾根上
小屋への尾根上

避難小屋
避難小屋

ニセ鶏頭の岩場
ニセ鶏頭の岩場

岩場の登り
岩場の登り

岩場
岩場

ニセ鶏頭
ニセ鶏頭

鶏頭山鞍部
鶏頭山鞍部

風雪の鶏頭山
風雪の鶏頭山

帰りのニセ鶏頭
帰りのニセ鶏頭

岩場の下り
岩場の下り

タイム:登山口(6:20)→避難小屋(9:00〜20)→ニセ鶏頭(10:35)→鶏頭山(11:30〜35)→避難小屋(13:10〜40)→
    登山口(14:45)


一年を振り返って
 今年は47回の登山をおこない、その中で30回のガイド登山を行った。お客様は複数回の方も含めて、21回の方がインターネットから申し込みをいただいた。
 遠方からのお客様では兵庫県から来県いただき、県外遠征は北海道羊蹄山が遠くの山行となった。
 昨年は山想会の80周年のためあまり歩けなかったが、今年は思わぬ数のインターネットからの申し込みがあり、他県の方々との出会いがあった。また、NHKカルチャー登山講師になったことで多くの方々との出会いもあった。
 どの山行を振り返ってもそれぞれの山行にはドラマがあり、思い出に残る出会いと楽しい登山ばかりだった。私にとっての登山感は、いろいろのスタイルでの登山であるがゆえに楽しく、ガイドとしての登山も楽しく、今では山は私の人生の一部になっている。
 今年の春は五竜岳で、滑落のため九死に一生をえたが、生きれたことで今年の素晴らしい一年があったと思う。
来年は今年以上に、皆様に喜んでいただける企画をし、多くの方々との出会いを通して楽しい山、素敵な山にご一緒できるよう頑張りたいと思う。
 お付き合いしてくださった皆様に対し、厚く心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 また、来年もよろしくお願い申し上げます。
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