神室山縦走 敗退
 


2019年2月9日(土)〜11日(月)
 メンバー:下野さん、小田中  智
 コース:鬼首道路かもしか橋手前の駐車場〜1,154mP〜東稜〜1,050m付近最高到達点 往復


 真冬の神室山は雪深く天気も悪い。標高1,365mの山でありながら、日本海の影響を受け雪深く湿雪で風も強い。 山は深く大きく尾根筋はナイフリッジの稜線で、東北の山で痩せ尾根が続くのは珍しく、冬は雪庇が大きく張り出している。
 やはり登るなら1月から3月始めの冬山が魅力で、今年は連休ということもあり、雪深い2月に2泊3日で挑むことになった。

9日(曇り)
 5時家に集合していただき湯沢に向かう。今年は雪が少なく田んぼにも雪はなく、秋田道に入ると雪らしい雪が出てきた。
 湯沢に入るとやはり雪は多く、鬼首道路かもしか橋手前の駐車場では平年並みの雪の量があった。
 スノーシューをつけ山に入ると先日の雨で下雪は硬く、積もった新雪は30cm程で、新雪が無かったらラッセルはなかったことだろう。雪球が転がり落ちそうな沢から尾根に上がると、思ったよりラッセルは少なかった。
 1,035mの尾根上の雪庇を越えると見晴らしが良くなるのであるが、風雪のため遠くは見えない。しかしラッセルはさほどでもなくなり歩きやすくなった。
 軍沢岳から続く1,154mピークからは、これから進む尾根や天狗森方面の稜線が見えたが、神室山は雲に閉ざされていた。もう14時も過ぎたが風も弱く、今日のテン場である1,115.4mピーク手前には2時間もすれば着きそうだ。
 柔らかい雪を踏み固めてテントを張る。山に泊まっての楽しみは、何といっても夕食である。酒とつまみを食べながら語り合い、明日の好天を念じてシュラフに潜る。
 夜中には雪が降っている音がしていた。


沢状から尾根へ上がる


新雪が木々に積もり美しい


1,035m直下の雪庇


1,035mの稜線上から進む尾根


1,115.4mP手前のテント場

タイム:駐車場(8:30)→1,035m(12:30)→1,154mP(14:20)→1,115.4mP手前(16:10)

10日(曇り時々晴れ)
 朝には10cm程の新雪が積もり雪も降っていたので、縦走は止めにしてテントから神室山を往復することにする。
行動し始めると雪は止み視界もよくなり、これから進む尾根から神室山がボンヤリ見えている。尾根には日が当たり青空も見え始めた。最高のコンディションになることだろう。
 新雪は風に飛ばされて潜らず、雪面が硬くなってきたのでアイゼンに履き替え、スノーシューはデポする。この雪ならすんなり稜線を歩けると思ったら、1,160mピーク手前のやせ尾根に替わった所で雪が急に深くなった。
 青空に包まれて稜線は輝いているのであるが、雪は柔らかく股まで潜り、傾斜が強い斜面では雪かき状態で雪面を切ると少し雪が崩れてきた。この状態で上部の急な雪面になると軽い雪は雪崩れそうである。
 ちょっと崩れてバランスを崩すと冬路沢へと落ちて行くので、この天気で引き返すにはもったいないのであるが、雪崩の危険性を感じたので、ここで進行を止めにして引き返すことを決断した。下野さんに伝えるともう少し手前からでも良かったと納得していただいた。
 大きな登り返しをしてテントに着いた時はまだ昼前であったが、今夜もここに泊まることにする。昼食にパスタを作り、昼寝をする。
 夕食の酒は、敗退したばかりなのかホロ苦い味だった。


進む尾根


1,160mPと神室山


1,160mPへ


神室山への稜線


高松岳方面


登って来た尾根


テントが見える

タイム:テント(6:50)→1,050m最高到達点(9:20)→テント(11:35)


11日(曇り)
 朝は少しゆっくり起きると、また新雪が15cm程積もっていた。朝飯を食べすぎてムカつき中々調子が戻らず、登り返しのピークは遠い。
 1,035mの尾根でスキーの単独者が来たと言いすぐに滑って下って行ったと言う。雪庇の下りは尻滑りをし、雪山のもう一つの楽しさをいく分味わう。
 さっき下ったスキーの方が再び登り返してきた。よほどスキーで下るのが楽しいのだろう。途中下る方向を間違え、トラバースして修正する。車の屋根には10cm程の雪が積もっていた。


新雪が木々がまだまだ冬を感じさせる


湯沢はまだ冬である

タイム:テント(8:00)→駐車場(14:00)

 今まで雪崩の危険を感じたことはなかったが、そういう雪崩の危険がない場所ばかりを歩いていたのだろうか。冬の神室山は厳しさがあるが、だからこそ魅力を感じる山である。
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