岩泉ひょうたんケイブクライミング

2020年６月28日(日)
　メンバー：佐藤　博さん、下野さん、小田中　智
　ルート：若葉エリア　こばしげ、ピグモン、かえで

　前回は初めて訪れ２日間にわたって若葉エリアを登ったが、今回は友人を誘い楽しく登ろうと思う。私だけ翌日も登る予定だ。

　ひょうたんケイブは1993年、JMCCのメンバーによって発見され、その後多くの東北のトップクライマーたちによってルートが追加されていった。現在ルート数も50本となり、1997年には東北初の5.14ルート「強力伝」も完成し、遠方から訪れるクライマーも多くなった。
　場所は、岩泉町横道集落の上に松阪峠があり、その下に360.5mピークから派生する尾根の340mピークの西側の斜面の崖である。中腹にはひょうたんと呼ばれる洞穴があり、その付近がクライミングエリアとなる。
　大洞穴から更に右方向に登って行くと鉄柵で塞がれたひょうたん穴遺跡と呼ばれる洞窟があり、縄文人住居遺跡がある。その付近も発掘エリアとしてルートがある。
　エリアは、初心者が楽しめる若葉エリア（大洞窟エリアの左）、大洞窟エリア、モダンエリア(5.14a強力伝がある)、発掘エリア、村八エリアがあり、初級から上級まで楽しめ、スラブ、フェース、クラック、オーバーハングと変化にとんでいる。
　岩質は石灰岩で、ツルツルの岩質から鍾乳石ぽい岩質、風化しかけた岩質と色々あり、村八エリア以外はしっかりした岩場である。
　岩場への取り付きは、龍泉洞の入り口を過ぎてすぐの田野畑村に向かう県道173号に左折し、10分ほど山道を走ると横道隧道がある。トンネルを抜けて500mほど走ると左にチェーン着脱場があり、そこに駐車する。
　200mほど戻るとカーブミラーがあり、そこから左に踏み跡がある。最近は見分けがつきにくいくらい草が生えているが、沢に向かって緩やかに下っていく。10分ほどで沢を渡り、左の大木から左の斜面を登って行く。大木にはロープが張られてあり目印となる。

28日(曇りのち小雨)
　７時に佐藤君宅に行き車２台で岩泉に向かう。私は明日も登る予定なので車中泊である。９時にコンビニで下野さんと合流し、駐車スペースに向かう。
　今日は蒸し暑く大洞窟に着いた時には汗びっしょりだった。曇り空ではあるが、昨日は雨が降ったのか岩場は濡れていた。発掘エリアに行き縄文住居跡を案内する。
　若葉エリアの「かえで」を登ろうとしたが下部は濡れていて滑るので、まだましな「こばしげ」を登ることにする。このルートは前回登っているが、下部の凹角は滑りやすい。リードで行くには濡れていてイヤらしいので、チョンボ器を使ってクリップする。
　前回「スシ食いねえ」の下部が登れなくアブミを使い人工でリードしたので、ネットを参考にしてチョンボ器を試作した。棒はストックを使用し先端にクリップを取り付け、それにザイルを通したクイックドローを挟んでボルトに引っかける仕掛けだ。
　ボルトにかかったら、ストックを引っ張るとストックが外れてザイルがクリップされるので、落ちる心配をしないでリードできる。終了点にクリップすると、次からはトップロープで登れることになる。
　邪道な登り方ではあるが、最初からトップロープで登ることを考えると、上に回り込んでザイルを張れないので、私の力量では致し方ない。
　中間部からは岩が乾いており、交代で登り合う。蒸し暑くて登って下ると額からは汗がダラダラだ。カップラーメンの昼食をし、午後の部に入る。
　「スシ食いねえ」の下部はまだ濡れているので、「ピグモン」を登ることにする。上部はハングになっていてグレードが高いが、ハング下までなら登れそうな感じだ。
　最初のクリップはかぶっているのでフリーで行き、後はチョンボ器を使用しながらハングのボルトにクリップして下る。ハング下の左に大きなスズメバチの巣があったが、壊れかけていたので落とした。
　佐藤君は出だしのかぶりに苦労しながら登ったが、それ以降もシビアらしく苦労していた。次に私が登るが、最初のかぶりを越えたものの、その先で足が滑りぶら下がった。ホールドはカチが少なく微妙でなかなか楽しいルートだ。下野さんはかぶりに苦労し撤退した。
　最後は「わかば」に取り付くが下部がまだ滑るので、チョンボ器を使用してトップロープをセットした。佐藤君が登り始めると雨が降ってきたのが、トップロープを解除しなければならないので登ってもらう。
　雨は最後までもってくれたので助かった思いで下山する。沢を渡る時に滑る石に足を取られ転び、なんやかんやで半身水浸しになってしまった。明日は岩が濡れて登れそうにもないので、着替えをして帰っていった。