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2020年6月17日(水)〜18日(木)
メンバー:小田中 智
ルート:若葉エリア こばしげ、かえで、若葉、スシ食いねえ
岩泉のひょうたんケイブは噂には聞いていたが行ったことがなく、今年になって行きたいと思っていたがパートナーがいなかった。このままでは行けないでしまうと思い、偵察と試登でもと思い一人で行くことにした。
本とネット情報を見て、盛岡から2時間で駐車場まで行けるのであるが、余裕を見て1泊2日とした。
初級者ルートでもある若葉エリアは、上から回り込んでトップロープを張れないみたいだ。リードで登ってザイルをセットするしかないので、私の技術ではたして単独リードができるか分からないが、行ってやってみないと前に進めないのである。
ひょうたんケイブは1993年、JMCCのメンバーによって発見され、その後多くの東北のトップクライマーたちによってルートが追加されていった。現在ルート数も50本となり、1997年には東北初の5.14ルート「強力伝」も完成し、遠方から訪れるクライマーも多くなった。
場所は、岩泉町横道集落の上に松阪峠があり、その下に360.5mピークから派生する尾根の340mピークの西側の斜面の崖である。中腹にはひょうたんと呼ばれる洞穴があり、その付近がクライミングエリアとなる。
ひょうたん洞穴から更に右方向に登って行くと鉄柵で塞がれたひょうたん穴遺跡と呼ばれる洞窟があり、縄文人住居遺跡がある。その付近も発掘エリアとしてルートがある。
エリアは、初心者が楽しめる若葉エリア(大洞窟エリアの左)、大洞窟エリア、モダンエリア(5.14a強力伝がある)、発掘エリア、村八エリアがあり、初級から上級まで楽しめ、スラブ、フェース、クラック、オーバーハングと変化にとんでいる。
岩質は石灰岩で、ツルツルの岩質から鍾乳石ぽい岩質、風化しかけた岩質と色々あり、村八エリア以外はしっかりした岩場である。
岩場への取り付きは、龍泉洞の入り口を過ぎてすぐの田野畑村に向かう県道173号に左折し、10分ほど山道を走ると横道隧道がある。トンネルを抜けて500mほど走ると左にチェーン着脱場があり、そこに駐車する。
200mほど戻るとカーブミラーがあり、そこから左に踏み跡がある。最近は見分けがつきにくいくらい草が生えているが、沢に向かって緩やかに下っていく。10分ほどで沢を渡り、左の大木から左の斜面を登って行く。大木にはロープが張られてあり目印となる。
もう少し沢沿いに下ってから左の斜面に踏み跡があるようだが、今回は初めてでわからなく迷い、最終的に2日目に大木から上がると踏み跡がしっかりしており岩場が見え始め、若葉エリアに直接出た。大洞窟エリアはそこから右に進むとフィックスロープが張った岩があり、乗り越すと洞窟となる。
大洞窟までは駐車場から20分ほどで着く。
17日(晴れ)
矢巾を7時に出て岩泉に向かう。途中で朝寝をして、駐車場に一番近いローソンで買い物をする。龍泉洞への入り口を過ぎてすぐに、田野畑村へ向かう県道173号に左折する。
山道を10分も走ると横道隧道のトンネルがあり、間もなく左にチェーン着脱場があった。国土地理院の地図にはその付近から左の沢に降りていく登山道があるが、草で分からなかった。カーブミラーの脇から草で隠れた小道を見つけ下っていく。
道は草が生い茂っているため分かりづらく、小沢を渡り下っていくと下から来る道と合流し道は広くなったが、本の地図ではそこからが分からなかった。沢を渡った頃の左上に岩場が見えたが、ここでは岩場は全く見えなく踏み跡も見えなくなったので、とりあえず左に向かって急な斜面を登って行く。
だいぶ上った頃に右に向かう踏み跡が見つかり、岩を越えると小さい洞穴で焚火をしているお爺さんがいた。道を尋ねると少し戻ってから右寄りに下っていくように言われた。お爺さんは何をしているかと尋ねると、日中はこの場所で過ごしているという。
整備された道となり、ひょうたん穴遺跡に着いた。洞穴の左にはルートがありボルトにルート名の札が下がっていたので、ここが発掘エリアだと分かった。ここまで来るのに1時間ちょっともかかってしまった。左上に登り、村八エリアを確認し戻る。
下に下っていくと洞窟が見え、クライマーが登っていた。訊ねると青森県グリーンハウスの長畑さんの2人パーティで、登っているルートは大洞窟エリアの亀屋万年堂だと言う。右に向かうと若葉エリアだと言われたが、結局ルートの詳細が分からず聞きに戻ると、わざわざ案内して教えてくれた。
だいたい若葉エリアのルートが分かったので、まずは「こばしげ」に取り付くことにする。8.7mmザイルをダブルで末端を木に固定し、購入したばかりのシャントをセットし登りだす。登りだしのせいもあり、カラビナをつかみながら登る。シャントは単独リードでは初めてなので使いづらく、下り直してアッセッションに替える。
カラビナを使いながら登りザイルをセットし、終了点からカラビナを回収しながらトップロープ用にセットし懸垂下降した。久しぶりの単独リードで、5.8のA0ではあるが冷や汗タラタラだった。
ダブルザイルに重りを固定し、シャントをセットしてトップロープで登りだす。今まではアッセッションを使っていたが、トップロープの登りではシャントの方が登りやすい。
ルートは凹角のスラブで岩が硬くて登りやすいが、グレードの割には難しく感じた。この場所は所見であり、しかも単独なので気持ちが縮こまってしまっている。
ザイルを回収して次は「かえで」だ。何でもありでザイルをセットし、トップロープで登り直す。登るルートは日が当たって暑いが取り付きは日陰で涼しく、セミの音楽を聴きながら爽やかな風にまったりする。
隣の「若葉」は、途中で先ほどのルートに合流しているのでトップロープで登る。このルートもスラブで岩が硬く快適だ。スラブと言えば先日の小川山を思い出すが、ここの岩場は角があるので小川山と比べると登りやすい。小川山のスラブは特異な岩場なようだ。
17時も過ぎたので止めることにし、明日のためにザイルを掛けたままにしガチャも残し、大洞窟へ行く。リード者は洞窟の中間を登る5.12ルートをトライしていた。今の私には考えられないルートだ。お礼を述べ下山した。
教わった帰り道は途中で分からなくなり、適当に沢に下って車に戻る。入浴はホテル龍泉洞愛山に入る。入浴料金500円。
近くのスーパーで買い物し、道の駅岩泉に行く。今夜はそこに車泊である。ビールを飲みながら食事をするが疲れていた。
車にベットを作ったのであるが泊まるのは初めてで、敷き布団が硬くて背中が痛かったが銀マットを敷いたら快適に眠れた。
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横道隧道 帰りに見た隧道入り口
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隧道を出たすぐ右から岩場が見える
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隧道先のチェーン着脱場
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ここから左に入って行く
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沢を渡って登り始めると岩場が見えてくる この上が若葉エリア
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ひょうたん穴
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ひょうたん穴遺跡
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ひょうたん穴遺跡の中
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大洞窟
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大洞窟の中
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大洞窟靴エリア 亀屋万年堂
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大洞窟エリア もしかして百万年のしずく
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若葉エリア こばしげ
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トップロープにした「こばしげ」
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右がかえで、左が若葉 中間で合流する
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若葉エリアに咲くクルマユリ
若葉エリア
こばしげ 5.8
かえで 5.7
若葉 5.8
18日(晴れ)
カップラーメンを食べ、昼食を買い物し岩場に向かう。沢を渡り注意しながら下り、踏み跡をたどるが見失い、岩場が見えてきたので登って行くと若葉エリアに着いた。
ウオーミングアップに「かえで」「若葉」 を登り、「スシ食いねえ」を登ることにする。1ピン目まで難しく登れない。どうしたものかと考え、ストックの先にフィフィを結わえアブミを連結してボルトにアブミをかけた。その先も難しいので人工で、ザイルをセットしながら何とか終了点に着いた。
トップロープにもかかわらず1ピン目までが登れず人工で登り、ルートはスラブからクラックそしてフェースと変化に富んでおり、なかなか難しいが面白い。3度目では登り方が分かり楽しめたが、やはり下部が登れない。
14時も過ぎたので下部だけトライするが登れなく、爪先も痛くなってきたので課題を残したまま下山する。注意しながら下ると踏み跡を見つけ、なかなかしっかりした踏み跡で直接徒渉点に着いた。次回から迷わないために目印をつけ車に戻る。
横道隧道手前から岩場が見えた。風呂には入らずそのまま家へと帰って行った。
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スシ食いねえ
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スシ食いねえ クラックからの上部
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上部フェース
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トップロープにした「スシ食いねえ」
若葉エリア
スシ食いねえ 5.9
初めてのひょうたんケイブは取り付きまで迷ったが、おかげで全体の概念が分かり、青森のパーティがいたおかげで若葉エリアも分かった。初級ルートではあったがグレードの割には難しく感じられたが、のんびり楽しめた。
次回はパートナーと一緒に、少しづつ上のルートを登りたいと思う。洞窟内は染みだしがあるみたいだが、5.10クラスのルートは大丈夫だと思う。楽しくのんびり登っていきたい。 |