南八ヶ岳 冬ツアー
 


2018年2月9日(金)〜13日(月)
 メンバー:下野さん、小原さん(京都府)、佐藤 博さん、小田中 智
 コース:八ヶ岳山荘〜行者小屋〜地蔵尾根〜地蔵ノ頭〜赤岳展望荘〜赤岳〜地蔵尾根〜赤岳鉱泉〜八ヶ岳山荘


 数年来の目標のツアーだったが、ようやくメンバーが集まった。私のサポートとして佐藤君も参加するので、硫黄岳から赤岳そして阿弥陀岳から御小屋尾根の縦走を計画した。
 盛岡を夜発って交代で夜行運転により現地に入り、2日目は赤岳鉱泉付近の沢でアイゼンワークをして赤岳鉱泉に泊る。3日目は硫黄岳から横岳を経て赤岳展望荘泊り。4日目は赤岳を経て阿弥陀岳に登り御小屋尾根を下り美濃戸泊り。5日目は1日かけて盛岡に帰る計画とした。
 日程的には余裕のあるコース配分であるが、全ては天候次第である。小原さんとは美濃戸高原ロッヂで落ち合うことにした。

9日
 宮古から下野さんが来るので佐藤君を迎えに行き、私の自宅で下野さんを迎え、夜の高速道に乗る。3人での運転交代は2時間で、1人は後ろの席で眠れるので楽である。これが2人だと60代の我々にとってはかなり厳しい走行となる。

10日(晴れ)
 運転交代をしながら助手席で目覚めると、なぜか東京都内のビルが目の前に群がっていた。最近は都心に入らず久喜白岡JCTから圏央道に入るのだが、運転手の下野さんはナビの指示どうりに走っているという。
 乱立するビルと入り乱れる横道に圧倒されるのであるが、運転手ではないので気持ち的には楽だ。そのおかげで後ろの席には眠れず、都心を過ぎると運転を交代した。田舎者には都内の高速道はジェットコースターだ。
 最終日に泊まる美濃戸高原ロッヂで前泊した小原さんと落ち合い、ロッヂで美味しい朝食をいただく。八ヶ岳山荘から林道を歩き始めると樹林帯越しに朝焼けが見えた。
 今日は天気が良いが明日からは崩れてかなり風が強い予報なので、計画を変更して硫黄岳は止めにして、今日は赤岳展望荘まで登ることにした。天気が悪い明日に展望荘に入るのは途中で断念する可能性があり、上に登っていると天気が悪くても最悪赤岳は落とせる確率が高くなる。
 南沢に入り、しばらく進むと睡魔に襲われウトウトしながら歩いていく。木漏れ日を浴びながら南沢も上部になると前方には横岳周辺の岩場が見えてきた。なんと美しい光景だろうか。明日は稜線上でこんな景色を見たいものだ。
 行者小屋に近づくと正面には赤岳の山頂が日を浴びて輝いている。地蔵尾根を登り始めると、樹木の隙間から岩ボコの阿弥陀岳が見えている。明日は天気が悪ければ小屋で停滞ができるので、明後日は阿弥陀岳を越えて下山したい。
 登りは急になり森林限界を過ぎると急に天気が悪くなり始めてきた。やはり明日からは荒れる模様だ。風速は15m程になり赤岳は雲に隠れ視界も悪くなってきた。しかし小屋は間もなくである。
 小屋に入ると管理人から、明日からかなり天気が悪くなるので下山したほうが良いと言われるが、分かっていて来ている事を伝える。広間のストーブは暖かく、少しの間昼寝をする。
 暗くなると風が強くなり出し、小屋を叩く音がかなり強くなった。食事をしながら飲む日本酒は美味しかったが、寝不足のため食事をして早々に布団に潜り込んだ。


林道から見える阿弥陀岳


横岳 大同心


行者小屋から見る赤岳


地蔵尾根から見る阿弥陀岳


地蔵ノ頭


展望荘方面


展望荘

タイム:八ヶ岳山荘(7:15)→美濃戸山荘(8:30)→行者小屋(11:10)→地蔵ノ頭(14:00)→展望荘(14:10)


11日(暴風雪)
 外は風速が10m以上。明日の山頂の天気予報は、今日と同じく風速20mであるが、今日よりもかなり気温が下がるようなので、阿弥陀岳は諦めて赤岳を登って下山することにする。
 はたして頂上まで行けるか分からないが、風が強い場合、文三郎尾根は風に当たる時間が長く、地蔵尾根は地蔵ノ頭から下り始めると風は当たらなくなる。下山ルートはその場で判断することにする。
 完全防備で出発するが、風は風速15m程であるが風雪が強く歩きにくい。登るにしたがい視界が良くなり青空が見え始めてくるが、風は相変わらず強い。
 風雪のためゴーグル越しに見る視界は範囲が狭いので、足元に注意しながらゆっくり登っていく。山頂は雪が張り付いて真っ白く、上空には青空があった。今までの天気からすると信じられない青空である。
 サラサラの雪が岩に張り付いており、文三郎コースはしばらく岩場を下るので、地蔵尾根の方が安全と判断して登ってきたルートを戻ることにする。
 山頂を後にして間もなく青空は消え去り、再び風雪の世界となった。山頂部だけが少しの間だけ晴れていたようだ。、遠くから来た我々に対しご褒美をもらった気分だ。
 登るときは必死で登った気がするが、下りになると早いもので小屋に着いた。中に入りお茶を飲む。こんな寒い日は温かい飲み物が何よりもありがたい。
 今日このまま美濃戸へ下山するのはもったいないので今夜は赤岳鉱泉に泊り、明日はどこかの氷でアイゼンワークの練習をしてのんびり下山することにする。
 地蔵ノ頭から下り始めると下から登ってくる人たちで時間待ちとなる。ちょっとした岩場の乗っこしで足が届かないらしく膝を使っていたが、ワンステップの膝ではなく4歩も膝で登る人たちがいた。どうやら最近は登るスタイルが変わってしまったようだ。
 急な部分が過ぎると風もなくなり、アイゼンを外して滑りながら下っていく。分岐から鉱泉への下りは思ったよりも長く、冷たいビールが待ち遠しい。
小屋に入りまずはビールで乾杯する。今日は連休の中日でもあり小屋は混んでいた。混んでいたため個室しかなく、個室料金を支払って8人部屋に入る。
 ここの食事は美味しいと評判で、今夜はきんめ鯛の焼き魚だ。今回は悪天にもかかわらず山頂だけは落とせたので、ビールで赤岳登頂に乾杯する。


出発時の天気


赤岳に向かって


赤岳にて


地蔵尾根

タイム:展望荘(7:55)→赤岳(8:55)→展望荘(9:30〜10:20)→赤岳鉱泉(13:30)


12日(曇り)
 ジョウゴ沢でアイゼンワークをしようと思ったが、雪が積もってラッセルだというのでアイスキャンディーの一角ですることにする。ほんの片隅で短い時間しか使用しないのであるが、アイスキャンディーの使用料金を支払ってアイゼンワークをする。


アイスキャンディー




タイム:赤岳鉱泉(10:20)→美濃戸山荘(11:30)→美濃戸高原ロッヂ(12:15)
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