羽後朝日岳 ガイド登山 雪が切れ、ブッシュ漕ぎとなった
 
羽後朝日岳
羽後朝日岳

2013年5月23日(木) 天候:曇り時々晴れ メンバー:斉藤さん、清水さん、加藤さん、小田中智

 コース:貝沢登山口〜前山分岐〜沢尻岳〜大荒沢岳〜羽後朝日岳 往復


 東京のお客様から羽後朝日岳登山の申し込みがあった。
 羽後旭岳は岩手県側から登る場合、大荒沢岳から登山道がないためブッシュ漕ぎとなる。しかし、雪がある時期はブッシュが雪に隠れてしまうので楽に行くことができる。
 時期的には遅い時期であるが、今年は雪が多いので雪が残っているかもしれないと淡い期待があった。しかし、行ってみると頂上手前からは雪はなく、腰から背丈のブッシュ漕ぎとなった。
 皆さんはブッシュ漕ぎも楽しいらしく、登り1時間のブッシュ漕ぎを笑顔で終え、羽後朝日岳の看板にタッチした。

 朝5時に皆さんが泊まっている銀河高原ホテルに迎えに行く。お客様は男性1名、女性2名で、私の車で登山口に向かう。
 車は1回目の徒渉点まで入れ、軽い体操をしてゆっくりと歩き始める。上空は青空が広がり、今日の好天は間違いがなさそうである。
 尾根を登り始めるとキクザキイチゲやスミレの花が咲いている。急な登りから郡界分岐を過ぎると残雪が出始め、美しいブナ林の登りはさらに急になる。
 前山分岐からは雪がついた尾根となるが、さっきまで良かった天気もだいぶ雲が多くなってきた。沢尻岳鞍部の手前で一時夏道を見失い登山道に出ると、登山道の両側にはカタクリが群生していた。しかし、まだ時間が早いとみえてしぼんでいるが、帰りにはさらに見事な花弁を見せてくれることを思うと、帰りも楽しみである。
 カタクリの登山道は沢尻岳直下の雪渓まで続き、歓声を上げながら登って行く。沢尻岳に着くと天気は一変して悪くなり、山々は全然見えなくなっていた。
 雪渓と登山道の接点はわかりづらいので、下山用にマーキングをつけながら登って行く。マーキングテープを忘れてきてしまったので、斉藤さんのシュリンゲをお借りしてマーキングする。
 大荒沢岳の登りは雪が多く、羽後朝日岳まで続いてくれることを祈りながら登って行く。大荒沢岳で一時雲が切れ、モッコ岳や羽後朝日岳が見え、雲が流れることを期待する。
 鞍部への下りは、右の生保内川側に雪はあるものの亀裂がいく筋にも入っているが、安全な所を選びながら雪にステップを切りながら慎重に下って行く。
 鞍部に下ると雪はあるものの、雲で山はもう見えなくなっていた。最初のピークを越すと残雪はなくなり、ブッシュ漕ぎとなるので不用品をでポする。
 やめて帰ろうという言葉を待っていたが、話を聞くとマイナーな山が好きみたいで、意を決してブッシュに突入する。最初は竹だけでよかったが、木が交じると歩きずらい。
 しかし、皆さんは笑顔でついてくるので、時には背丈を超えるブッシュに体を泳がせる。1時間近くもブッシュを漕ぐと雪があらわれ、間もなく羽後朝日岳の山頂に着いた。
 皆さんと握手を交わし、記念写真を撮る。残念ながら視界は悪く、山はどこも見えない。風があり寒いので山頂を早々に立ち去り、風の当たらない所でゆっくりと休む。
 帰りのブッシュ漕ぎは、下りのせいで思ったより早く脱出できた。来る時の足跡をたどりながら危険的な雪渓を登り、大荒沢岳に立つ。
 マーキングを回収しながら下って行くと、カタクリの群落は暖かさで花弁を開き、花びらが大きく美しい姿を見せてくれ、その付近でゆっくりと休憩する。
 下るにしたがい天気は回復し青空が見えてきた。どうやら県境を境に秋田県側は天気が悪いようだ。
 急な登山道をお花を見ながら下って行くと登山口に着いた。例によって下山すると天気が良くなり、下界は晴れである。
 お客様を銀河高原ホテルに送り届け、楽しくて短かった登山が終わり、握手をしてお別れをする。
 また、岩手の山にいらしてください。そして、その時はまたご一緒できればと思います。

清々しい新緑のブナ林の登山道
清々しい新緑のブナ林の登山道

美しいブナ林が続く
美しいブナ林が続く

前山分岐からの尾根
前山分岐からの尾根

沢尻岳
沢尻岳

ショウジョウバカマの大輪
ショウジョウバカマの大輪

大荒沢岳
大荒沢岳

大荒沢岳から鞍部への下り
大荒沢岳から鞍部への下り

羽後朝日岳の前衛峰
羽後朝日岳の前衛峰

羽後朝日岳山頂
羽後朝日岳山頂

カタクリの群落
カタクリの群落

カタクリの大輪
カタクリの大輪

タイム:登山口(5:20)→前山分岐(7:00)→大荒沢岳(9:30〜40)→羽後朝日岳(11:30〜40)→大荒沢岳(13:00)→
    登山口(15:30)
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