早池峰山 平津戸コース 敗退
 
八合目付近より上部を望む
八合目付近より上部を望む

2013年11月23日(土)〜24日(日) メンバー:嶋脇さん、小田中 智

 コース:材木沢林道登山口〜六合目〜九合目〜頂上手前 往復

 10月後半に行った平津戸コース〜早池峰山〜剣ヶ峰〜高桧山コースを、初冬に行きたいとの依頼をいただいた。
 前回の岩木山は雪が多かったが、それから更に積もっているみたいなので、問題は雪の量がどれくらいあるかだ。今の雪はまだ量が少なく雪が落ち着いてないので、ブッシュ帯は余計に始末が悪い。
 平津戸駅を7時半集合とし、山頂避難小屋泊まりの1泊2日の工程とする。

23日(晴れのち曇り)
 嶋脇さんは八戸から国道340号を通り、待ち合わせ時間調度にやってきた。一緒に登るのは今年の5月以来である。
 車は下山のことを考えて、吉部沢林道と材木沢林道の分岐に置く。広葉樹の木々の葉っぱは落ちてしまい、いっぱいの枯葉を踏みしめ、材木沢の流れを見ながら歩いて行く。
 倒木の丸木橋を渡り、杉林の中を歩いて行く。林道にぶつかり林道を少し歩くと右に登る入口があるのだが、何故か見落として林道を下っていた。
 杉林の中をトラバース気味に登って行くと雪が出始めた。握沢を渡ると間もなく門馬コースの六合目に合流する。ここでの積雪は10cm程あり、上空は青空が見えているが日が当たらないため肌寒い。
 歩き始めてすぐに平らな岩で滑って転んだ。膝を打って痛かったが、起き上がると膝の替りにストックが折れていた。まあ、そのおかげで膝が助かったのかもしれない。
 登るにしたがい雪が増え始め、林の中は雪景色になった。七合目を過ぎた所でワカンを着け、ここから嶋脇さんとラッセルを交代していただく。
 天気予報では晴れの予報であったが、しだいに雲行きがあやしくなってきた。樹高が低くなると八合目に着き、枝に積もった雪が邪魔になってくる。
 ラッセル交代をしながらようやく九合目に着いた時には、すでに16時近くになっていた。森林限界に着いた時には暗くなり始め、夏道がわからなくなり夏道から外れると、ハイマツ帯に入り潜ってしまう。
 GPSで現在地点を確認しながら登って行くが、深いハイマツに入ると股までもぐり体力の消耗が激しい。稜線は間もなくであるが、途中で老眼鏡を落としてしまった。せっかくのGPSも見ることができなく、山頂は間近であるが時刻は19時になっていたので、安全を期して樹林帯に戻りツエルトを張ることにする。
 適当な平坦地がないので九合目を今夜のねぐらとする。枝にひもを結び簡易テントの出来上がりである。腹も減り、だいぶ疲れており、熱いクノールスープがとても美味しかった。
 今夜は小屋でゆったりと焼肉パーティーのはずであったが、狭い空間での焼肉になってしまった。

材木沢林道入口
材木沢林道入口

丸木橋を渡る
丸木橋を渡る

六合目
六合目

七合目付近の積雪
七合目付近の積雪

九合目
九合目

タイム:材木沢林道入口(8:15)→六合目(11:15〜25)→九合目(15:40)→標高1,870m(19:30)→九合目(20:00)


24日(曇りのち晴れ)

 昨日の疲れと就寝が遅くなってしまったため、7時頃の起床となってしまった。朝食をすませ、パッキングをする。今日はあえて山頂には行かずに、ここから下山することにする。
 昨日の失敗と反省をふまえ、新たな気持ちで出直すことにした。そして、今回はガイド登山ではなく、個人山行にしていただく。昨夜からの積雪は5cm程あり、上空は曇っていた。
 ツボ足で下って行くと上空は青空に変わってきた。木々に積もった雪が日に輝き、とても美しい光景だ。
 八合目を過ぎ七合目の手前で単独行者が登ってきた。平津戸コースから登ってきたという。六合目が近づくとまた単独行者が登ってきて、門馬コースから来たと言う。
 六合目でヤッケを脱いで一休みする。早池峰山は五合目を境にして、晩秋と初冬の境目であるが、標高が高い山は完全に冬山としてとらえて登りたい。

出発時の九合目で
出発時の九合目で

八合目付近の風景
八合目付近の風景

雪に埋もれる木々
雪に埋もれる木々

上部を振り返る
上部を振り返る

タイム:九合目(8:40)→六合目(11:10〜30)→車(13:00)

 今回の失敗の原因は山頂小屋に行けなかったことであるが、
 第一の要因は、出発時間の遅さにある。上部でラッセルが深いことを考慮して、あと2時間早く出発すれば小屋に着けた。冬山は特に何が起こるかわからない。
 第二の要因は、老眼鏡のスペアを持ってなかったことにある。私は老眼鏡なしでは全く字が読めないので、GPSがあっても無用の長物となってしまい、現在位置がわからなくなったためトレースを戻り九合目へ下った。
 この失敗を次回に生かすように、あらためて基本を振り返って、これからの楽しい冬山登山に向かいたい。
 嶋脇さんには、貴重な休みを無駄にさせてしまい申し訳ないことをした。

★嶋脇様からの声
 来年への夏場の下見に平津戸から早池峰山の剣ヶ峰を越えての北面コースを登りたいと思ったが、今の時季では雪が予想され、僕の実力では難しいので、今回ガイドを依頼した。 
 縦走もできず、山頂にも到達することさえもできなかったかったが、様々なことを学んだ。やはり、雪があると山は難しいと改めて思った。
 来年は、夏場と、11月後半に単独で挑戦してみたいという目標ができ、心踊る思いでいっぱいだ。
 小田中ガイドありがとうございました!

↑ページの先頭に戻る