岩泉丹洞岩氷柱 ドラゴン アイスクライミング 
 


2021年2月14日(日)
 メンバー:佐藤 博さん、小田中 智
 場 所:岩泉丹洞岩氷柱 ドラゴン


 1月末に初めてドラゴンに行き、何とか登ったがそのスタイルに満足できず、今回はノーテンションで登ることとリードで登ることを目標にした。
 最近は日中が温かくなり氷の状態が心配であるが、ダメもとで佐藤君と行くことになった。一昨年から始めたアイスクライミングは、徐々に力もついてきて今が一番楽しい時でもある。

丹洞岩氷柱 ドラゴン
 丹洞岩のすぐ左の岩壁に、垂直に落ちる氷柱がぶら下がっている。高さ30m、傾斜90度、グレード6-、氷はツララ状で、その上は高さ5m程の緩傾斜の氷がビレイ点となる大木まで続いている。氷柱には左右に翼があり、今にも飛び立つような姿に見える。まさしくドラゴンにふさわしい名前だ。
 2012年1月28日、萬徳 清孝氏が初登しグレード6-をつけ、ドラゴンという名前をつけた。萬徳氏は現在、階上クライミングジム North rock のオーナーである。
 このドラゴンには、中間部の左に翼を広げた部分があり、翼の下が半分の位置にある。右の小さな翼の上までで10m、左の大きな翼の下までが20m、それから緩傾斜地帯の下までが30mで、3つのブロックに分けられる。斜度は90度で、ブそれぞれのロックの切れ目には小さなレッジがある。
 登るルートは自分なりにとれるが、第1ブロックを真ん中から登り、第2ブロックは右側から登って、第3ブロックを左側から登ると登りやすい。垂直の30mは思ったより長く、登りがいがあり楽しい。
 岩手には、ここの岩泉ドラゴン、大峠の滝10m、岩手山御神坂沢大滝40m、岩手山イタザ沢大滝15m、岩手山洞ヶ沢に氷瀑があり、1月から4月上旬までアイスクライミングを楽しむことができる。
 岩手山七滝もあるが滝見で見物者が多く登るには恥ずかしい。釜石愛染山の沢にも氷瀑があるらしいが、確かな情報ではない。

14日(高曇り)
 数名の予定が2人となり、今回も1泊する予定なので役場を集合地にする。朝は寒いが昨日の日中は10度まで気温が上がり、今日は更に温かいみたいだ。薄くてもいいから、氷が上から下まで続いていることを願いながら車を走らせる。
 川向うから見るとドラゴンは健在に見えるが、氷柱の終りの状態が分からないので、トップロープを設置することにする。車1台を手前に残し、私の車で下流へ向かう。
 前回は山腹をトラバースするように行き、急斜面を登って下降路の頭に出たが、今回は尾根通しに行ってみる。最初から急な登りでブッシュもあり結構しんどい登りで、途中からトラバースして下降路の頭に出た。前回のルートの方がブッシュが無いため楽なような気がした。
 ザイル2本で懸垂し、30m緩傾斜を下ると初登者が設置したビレイ点に着く。大木にスリングテープを巻いて支点を作り、佐藤君が最初に下って行った。垂直部を懸垂していくと、ガチャの荷物があるので後ろに引かれ腰が疲れた。
 氷の状態は悪くはないが、第1ブロックは氷が?せており、上から水滴がしたたる音がしていた。この状況ではリードは恐いので止めにして、トップロープとする。こんな様子では今回が限界のようで、明日は雨の予報なので今日で終わりにした方が良さそうだ。
 まずは佐藤君が最初に登って行く。彼は今回のためにアックスを新調した。新しいカンプカシンXドリームは効きが抜群でスイスイと登って行った。もう1本のアックスもカンプカシンXオールマウンテンでダブルカシンは良いアックスのようだ。しかし、10mほど登って降りてきた。
 次は私の番だ。氷は柔らかくピックは刺さりやすいが水しぶきでメガネが曇った。私のアックスは、シャルレの改良型とノミックでダブルぺツルである。佐藤君と比べると効きはイマイチみたいだが、これは私の振り方が悪いのかもしれない。
 思ったより快調に進み、中間部でテンションを掛けて一休みしようかと思ったら、アックスにデイジーチェーンを着けていないためフィフィを掛けれず、仕方なく上へと登って行く。紙一重でアックスが抜けたり、アックスを落としそうになりながら、悪い第3ブロックを根性で越え緩傾斜を少し登って終了した。
 下るともう昼になっていたので昼食にする。水滴シャワーを浴びてズボンは濡れており、今回はトップロープながら一撃で登ったのでもうおしまいと、佐藤君に早く登ってザイルを回収できるようにして来いと檄を飛ばす。
 佐藤君は私に比べると登るスピードが速く、2回ほど休んで完登した。ザイルをかけ替えて懸垂で下ってきた。右の岩壁側からはポロポロと小さな石が落下し始めてきた。
 今日の夜はどうしようかと話し合い、クライミングをこれで終わりにして、八幡平にある佐藤君の別荘で祝杯を挙げることに一致し帰っていった。
 東京の友人から電話があり、昨夜の地震で宮城県山元町に住んでいる雲表クラブの仲間が震災にあったことを知らされた。山元町は震度6強の揺れで家の中が壊れたらしい。今年は3.11の震災から丁度10年目の年に当たる。


丹洞岩とドラゴン 1月31日撮影


下降点から下る佐藤君 かぶっているヘルメットは40年前のもの


ドラゴンの水辺


丹洞岩


ドラゴン下部


ドラゴン上部


登る佐藤君 第1ブロック


登る佐藤君 第1ブロック拡大


登る佐藤君 第2ブロック


登る小田中 第1ブロック


登る小田中 第2ブロック出だし


登る小田中 第2ブロック


懸垂下降する佐藤君
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