鳥海山 吹浦口 ガイド登山
 

鳥海山

2015年5月9日(土)〜10日(日)
 メンバー:居谷さん、下野さん、小田中 智
 コース:大平登山口〜御浜小屋〜七五三掛〜千蛇谷〜新山 往復


 春の鳥海山は、山頂から登山口までスキーで滑れるため、登山者よりもスキーヤーに人気だ。近年アルパインスキーが人気となり、ツアースキーも行われているようだ。
 今回は登山というスタイルで、春の鳥海山を登る募集をした。残念ながら新規の方は集まらなかったが、いつものメンバーで1泊2日の工程で山行することができた。
 コースは象潟口から登り、七合目付近にテントを張り、千蛇谷から頂上に立つことにした。いずれいつも、現地の状況判断で臨機応変に変更することにしている。

9日(曇り)
 下野さんを迎え、北上で居谷さんを乗せ、高速道に乗り本庄市に向かう。途中で眠くなってしまったので運転を変わっていただき、また運転すると、道を間違えて吹浦口から鳥海ブルーラインに入ってしまった。
 象潟口から登るつもりだったが、下山を象潟口にして、吹浦口から登ることにする。道路脇の駐車スペースには車が1台しか泊まっていなかった。
 雪はなく登山道を登って行くとすぐに雪道となった。やはり鳥海山も雪が少ないと見え、ところどころ夏道が出ていた。今の時期は、残雪を歩いて夏道を見失うと藪こぎをしいられ、大変な目に合うことがある。
 見晴台を過ぎると雪道になり、河原宿からは目印の赤旗が続いていた。天気は曇り空で風がないので寒くはなく、登りやすい天気だ。見晴らし台では日本海が見えていたので眺望も悪くはない。
 長坂道の稜線に上がると、黒々とした山頂方面が見えた。ずいぶん雪が少なく、亀裂も多い。例年であればまだ真っ白い山頂なはずである。明日は天気があまり良さそうではないので、今日山頂が望めてよかった。
 御浜小屋に着くと全く雪がなく、例年であれば埋まっているはずの小屋がすっかり出ていた。扇子森への稜線にも雪がなく夏道が出ている。
 炊事用の水を途中で汲めなかったし、雪の上にテントを張りたかったので、今夜は小屋に泊まることにする。管理人もいないし宿泊する人もいないみたいなので、ゆったりできそうだ。
 小屋の付近にはスキーヤーがいて、象潟口方面からは団体ツアーの姿が見えた。やはり今の時期はスキーが主体みたいだ。来年はスキーを担いで訪れてみたい。
 靴を脱いでいると管理人が登ってきた。奥に入り荷物を整理し、熱いコーヒーを飲む。間もなくガスり始め風も出てきた。時間が早いので、シュラフに潜り昼寝する。
 ようやく夕方になったので夕食の支度をする。メニューはサラダ、すき焼き、ブリの照り焼きである。まずはビールで乾杯し、すき焼きをつっつきながら食べ始める。
 外は霧雨が降り風も強くなってきた。ワイン、ウイスキーと飲み、語り、明日は早いので早めに休む。


大平登山口にて


大平山荘と三崎公園付近の日本海


ショウジョウバカマ


見晴台から日本海


愛宕坂


長坂道分岐から見る鳥海山


鳥海山


尾根上は夏道が出ている


御浜小屋

タイム:大平登山口(9:30)→御浜小屋(12:55)


10日(ガス)
 昨夜は雨と、小屋を揺らすような強風が吹き荒れていた。3時半起床で外に出てみると、雨は止みガスで風も弱くなっていた。
 食事をし出発の準備をして、少し様子を見る。今日はこんなもんだろうと思い出発することにする。不要の荷物を小屋の片隅に置いて出発する。
 視界50m、風速10m弱、これなら良い方の天気である。雪は扇子森の下りから御田ヶ原まであり、締まっているので千蛇谷へのトラバースはかえって歩きやすそうだ。
 七五三掛でアイゼンをつける。トレースは登らないで、そのまま千蛇谷へ雪渓をトラバースするようになっていた。
 斜面は急ではあるがステップはしっかりしており、雪は締まっているので歩きやすい。しかし、滑落するとかなりのスピードで滑っていく。
 慎重にゆっくりと下り気味にトラバースし、傾斜が緩くなった千蛇谷に入る。谷には雪が詰まっているが、やはり少ない雪だ。しばらくして一休みする。
 左に寄りながら登って行くと夏道がすっかり出ていたので、雪を求めて右に寄るが途中から分からなくなった。いずれ方向さえ間違わなければ、御室小屋付近に着くのである。
 雪のない斜面をだいぶ登って行くと岩稜状に着いた。時おり一瞬ではあるが青空が現れるので、上空は晴れているのだろう。山頂で晴れてくれることを願う。
 場所的には小屋の近くで、山頂への岩の登り始めだ。間もなく見覚えのある岩場が出てきた。両側の岩が狭くなった胎内潜り付近だ。山頂は間じかであるが、鳥海山の山頂に見える所が2ヵ所ある。標識も分かりずらい。
 山頂の看板を見つけた。やっとたどり着いた。視界が悪くなっていたので、きつい登りだった。晴れそうな感じではあるが、残念ながら晴れてはくれないので、裏から回るように下る。
 下り始めてすぐに、一瞬だけ山頂が青空に包まれた。雪のヘリを伝い岩場を降りると小屋に着いた。神社で安全祈願をして、夏道を下って行く。
 七五三掛へのトラバースを慎重に越えると、今回の危険地帯は終わった。アイゼンを外し小屋へと戻って行く。夏道脇の凍った枝が、白い花のようで美しかった。
 小屋に着くと管理人はいないようで、茨城県から来たという5人が休んでいた。我々も昼食にし、デポした荷物をパッキングする。天気が悪いので登ってきたのはこのパーティだけみたいだ。
 象潟口を下るつもりだったが、天気も悪く時間も押しているので来た道を戻ることにする。赤旗に沿って下って行くと、雪が切れる付近で茨木パーティがいて、前後しながら登山口へと下って行く。
 大平山荘で入浴し、北上駅へと車を走らせる。


七五三掛


千蛇谷へトラバース


新山へ向かって


胎内潜り付近


新山


新山にて


一瞬晴れた新山方面


大物忌神社


トラバースライン


氷の花


ショウジョウバカマ三兄弟

タイム:御浜小屋(5:30)→七五三掛(6:25〜35)→新山(9:25)→御浜小屋(12:45〜13:15)→大平登山口(14:15)

 鳥海山は遠く片道4時間かかるので、どこかで1泊すると丁度よい。残念ながら天気が悪く山頂での展望はなかったが、千蛇谷へのトラバースは緊張感もあり、雪と岩場でのアイゼン歩行訓練にもなった。
 居谷さんにとっては、今年は毎回天気が悪く気の毒だった。
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