早池峰山 門馬コース敗退 ガイド登山 長いコースではあるが面白い!
 
門馬コース八合目付近
門馬コース八合目付近

2014年2月1日(土)〜2日(日) メンバー:下野さん、小田中 智

 コース:早池峰林道〜登山口〜握沢〜垢離取場〜七合目〜1,700m付近 往復

 12月末に鶏頭山に登った下野さんから、早池峰山を門馬コースから登りたいとの依頼をいただいた。
 北面のコースは八合目までが樹林帯で雪深いため、状態によっては1日で頂上に登ることが難しくなる。八合目を過ぎると風でテントを張る場所がなくなってしまうのである。
 1泊2日の工程なので、七合目上にテントを張って、そこから頂上を往復するのが一番楽な動き方だ。後は天気次第である。
 平津戸駅に朝6時集合として、山に向かうことにした。

1日(曇りのち風雪)
 5時に家を出るが、国道106号の区堺でも思ったより雪が少ない。平津戸駅で下野さんを迎えて、早池峰林道へ向かう。
 最後の民家で除雪は終わっているが、林道の積雪は10cm程しかない。身支度を整え、スノーシューを背負いたくないので履いて出発する。
 上空には青空が見え、朝日が対岸の山を赤く染めている。ここ2日間雨が降っているため林道の雪は固く締まっているが、いくら雨で若干の雪が消えたとは言え、今年はだいぶ雪が少ないようだ。
 登山口で一休みして握沢へと入って行く。樹林帯を登ると山腹の水平道となり、鉄の橋が現れ始めた。しばらくすると一旦沢に降りる。ここはアイオン沢の合流点で、昔は滝が見えたが今は樹林が伸びたためか、沢筋は木に隠れて見えない。
 アイオン沢は昔、尾根の向こうにあった沢であるが、アイオン台風により尾根を通り越して握沢と合流した沢である。昔はアイオン沢にも登山道があったが、土砂崩れのため現在は廃道となっている。
 登山道は沢筋を眺めるように緩やかに登り、所々に土砂崩れの跡があり、鉄の橋が10ヶ所程もかかって歩きやすくなっている。
 垢離取場の鳥居から沢を離れ、樹林帯の登りが始まる。ここでも雨が降ったらしく、底雪は硬くなっており新雪が10cm積もっている。積雪は30cm程しかない。
 ここからは下野さんとラッセルを変わり、赤布に導かれながら登って行く。七合目になるとさすがに雪が多くなり、時おり膝下までのラッセルとなる。しかし、底雪が硬いため潜りは少ない。
 尾根上に出るまで雪との格闘があり時間がかかり、このまま行っても頂上までは時間がかかりすぎるし、尾根上は風が強いためテントを張る場所はなくなるので、少し下ってテントを張ることにする。
 テントといっても2〜3人用のツエルとを改良したもので、立派なテントではない。テント生活が初めてという下野さんと一緒に、整地をしてツエルトをしっかりと張る。
 中に入ると風がない分暖かく、お湯を沸かして熱いコーヒーをすする。荷物を整理して、下野さん持参の梅酒で乾杯する。今回新調したオプティマスのガソリンコンロの響きが懐かしい。昔は石油かガソリンコンロが主体で、ゴーゴーというバーナーの音と共に生活していたものだった。
 今夜のディナーは、ツボ鯛の焼魚に大根おろし添え、貝ホタテ焼き、牛ステーキに玉ねぎ炒め添え、焼きモチ、コーンクリームスープという超豪華版の食事である。梅酒を飲みながら会話を楽しみ、料理を作りながら食べては話し、長い夜はゆっくりと過ぎていった。
 気になるのは外の風であるが、明日の好天を祈りつつシュラフにもぐる。

早池峰林道
早池峰林道

晴れで朝日があたっている
晴れで朝日があたっている

門馬コース登山口
門馬コース登山口

10ヶ所程もある鉄の橋
10ヶ所程もある鉄の橋

アイオン沢出合
アイオン沢出合

ようやく冬らしくなってきた登山道
ようやく冬らしくなってきた登山道

五合目の垢離取場
五合目の垢離取場

七合目で本格的なラッセル
七合目で本格的なラッセル

尾根上
尾根上

今日の宿泊地
今日の宿泊地

タイム:早池峰林道除雪終点(6:45)→登山口(8:05〜15)→垢離取場(10:30〜40)→七合目(12:30)→尾根上(14:30)
    →テン場(15:20)


2日(吹雪のち雨)
 5時起床、ツエルト内は霜で白くなっている。朝食はうどんと焼きモチである。食事を終えるとドッと汗が吹き出た。ザックに非常用具などを入れ、不要物はそのままツエルト内に残す。
 昨日2時間かかった所を30分もかからないで登って行く。上部は風雪ではあるが視界は50m程ある。磁石で方向を定め、GPSで確認しながら登って行く。
 八合目付近を過ぎると急に風が強くなり視界も悪くなってきた。しばらく進むが、視界は更に悪くなり5mとなった。時間的にはまだ早い時間ではあるが、このまま山頂に登ると下山時に帰れなくなってしまうので、冒険は避けここから下山することの同意を得る。
 下り始めるとさっき歩いた跡は既に見えなくなっていた。GPSの軌跡をたどりながら樹氷がある付近でトレースを発見した。歩き始めてから休んでいなかったので、一休みして行動食を食べる。
 風雪でトレースは消えているので、GPSで確認しながら下って行くとテン場に着いた。ツエルトは新雪のため半分が寄れていた。荷物を整理してツエルトを撤収する。
 新雪は20cm程積もっており昨日のトレースがうっすらと残っている。来週もこのコースに来るのであるが、この分では今回のトレースはあてにできそうにない。
 六合目まで下るとポツリポツリと雨が降ってきた。五合目では完全に雨となり、この真冬に雨が降ることに驚きを感じる。
 雨のため体は重くなり、単調な林道歩きがよけい長く感じられた。
 今回は吹雪のため、1,700m付近までしか進むことはできなかったが、冬山は天候に大きく左右されるのでどうしようもない。しかし、下野さんは来来週の岩手山登山の応募もしてくださった。

昨日のトレースは完璧に残っていた
昨日のトレースは完璧に残っていた

八合目付近
八合目付近

だんだん視界が悪くなってきた
だんだん視界が悪くなってきた

最高到達点の1,700m付近
最高到達点の1,700m付近

下山時のテン場
下山時のテン場

下山時の五合目
下山時の五合目

タイム:テン場(7:00)→1,700m付近最終到達点(9:30)→テン場(10:55〜1135)→垢離取場(12:50〜13:00)→登山口
    (14:20)→車(15:20)
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