阿寒富士・雄阿寒岳 ツアー
 


2015年9月19日(土)〜23日(水)
 メンバー:昆さん、板倉さん、小田中 智
 コース:オンネトー国設野営場〜阿寒富士 往復、滝口登山口〜雄阿寒岳 往復


 シルバーウィークの5連休を利用して、紅葉が始まる雌阿寒岳、雄阿寒岳のツアーを企画した。
 ところが、7月後半になると雌阿寒岳の噴火警戒レベルが2となり、山頂に登ることができなくなった。しかし、対峙する阿寒富士には登れるので、募集は継続した。
 5連休とあって船のチケットはなかなか取れなかったが、根気よく毎日ネットでチェックした。3名の参加で行くことになったが、直前に1名が参加できなくなり、2名でのツアーとなった。
 オンネトーから望む雌阿寒岳と阿寒富士、阿寒湖から望む雄阿寒岳は紅葉が始まっていれば最高の美しさである。最終日は付近の観光もして、温泉と紅葉が楽しみな北海道ツアーだ。

19日
 18時半に盛岡を出発し高速道に乗る。6月末から始まったツアーは明るい時の出発であったが、今は18時を過ぎると暗くなる。小雨が降る夜の高速道の通過は、視力が落ちてきた目には見えづらい。
 八戸港の受付けは混んで長蛇の列となっており、定刻より遅れての出発となった。

20日(曇り時々晴れ)
 遅れての出航であったが、定刻の到着となった。コンビニで朝ご飯を買い、ガソリンを満タンにして道東道に乗る。トマム付近は小雨だったが、東に向かうにしたがって青空が見えてきた。
 足寄から国道241号を走りオンネトーに向かう。日は照っていたが山容は雲の中だった。駐車場には数台の車が止まっていた。
 さすが百名山の山だけあり、登山道は広く整備されていて歩きやすい。アカエゾマツは樹高が高く、根は大きく横に張り出して露出している。
 道脇にはゴゼンタチバナの葉がたくさんあり、赤い実のついたものがあった。これを見るのは初めてだった。エゾトリカブトは本州のものとは違い、小ぶりで花も小さくカワイイ感じだ。
 七合目付近からハイマツ帯になり見晴らしが良くなったが、阿寒富士はガスに覆われ寒くなってきた。八合目は雌阿寒岳との分岐で、阿寒富士から登山者が降りてきた。
 下ってきた女性はノースリーブのシャツを着ており、アメリカ人のグループだった。昆さんは英語で会話をしていた。何回も海外のツアーを経験しているだけあってさすがである。
 昼ご飯を食べていると日がさし始め、ガスも流れ、雌阿寒岳からもくもくと上る噴煙が見えた。そして噴煙と一緒に立ち上る噴煙の音も聞こえた。右側には小富士のような阿寒富士も見えている。なんとラッキーなことだろうか、私たちが向かうすぐ先は晴れてくるではないか。
 砂礫をジグザグに登って行くと雌阿寒岳の全容が見えてきた。真っ白い噴煙は勢いがあり、外輪に出るすぐ下の内輪から出ているように見える。かえって雌阿寒岳に登るより、はるかに素晴らしい。これは感動ものだ。
 山頂には先行した台湾パーティがおり、写真を撮っていただく。今日の山は国際パーティの集まりだ。東側には阿寒湖と雄阿寒岳がかすんで見えている。遠くの山々は見えないが、噴煙を見ただけでも大満足だ。
 下り始めると、日はかげりガスがわき始めてきた。まるで我々のために、一時的に天気が良くなったみたいだった。下って駐車場に着くと17時をとうに過ぎていた。
 オンネトーを過ぎて下って行くと、今夜泊まる雌阿寒温泉の「野中温泉」に着いた。宿は混んでいるため1部屋しか取れなく、今日はみんな一緒だ。
 温泉は明かりが乏しく、ランプが灯る湯治場の雰囲気ではあるが、源泉かけ流しの硫化水素泉のお湯は疲れに効きそうだ。食事は部屋食で手作りの温かみがある食事だ。


アカエゾマツの根


ゴゼンタチバナの実


色づいたゴゼンタチバナの葉


七合目付近から見る阿寒富士


八合目から見る噴煙


阿寒富士の山頂にて


雌阿寒岳


阿寒富士の山頂付近


雄阿寒岳

タイム:登山口(11:10)→八合目(14:00〜20)→阿寒富士(15:10〜30)→登山口(17:30)


21日(晴れのち曇り)
 宿を6時に出て阿寒湖に向かう。朝から強い日差しで雲一つない快晴だ。登山口の駐車場にはすでに10数台が止まっており、草むらに押し入って何とか止める。
 登山口は阿寒湖の南東端で、雄阿寒岳の裾野が始まり、朝日に照らされた雄阿寒岳が見えた。残念ながら紅葉はまだではあるが、湖畔の景色は美しい。
 水門を渡ると水は勢いよく太郎湖へ流れ込み、トドマツの林を抜けて行くと木立の中に次郎湖が見えた。トリカブトがあったが、ここのトリカブトは花弁が小さく色も薄い。
 登りは傾斜を増し木漏れ日を浴びながら、樹林帯の道をひたすら登って行く。かめペースで歩く我々にとって合目間の間隔が長く、歩けど五合目の標識は見えてこない。
 やっと五合目に着くと樹林の隙間から、日に照らされてキラキラと輝く阿寒湖が見えた。傾斜が緩くなったダケカンバ林は所々黄色く紅葉しており、のんびり休みたい場所だ。
 樹林帯を抜けると阿寒湖から裾野が始まるフップシ岳、昨日登った阿寒富士、噴煙を上げる雌阿寒岳が見えた。すでに12時を過ぎており、上空には雲が多くなっていた。
 八合目は気象観測所跡でなだらかで、一旦下って登った先に山頂が見える。雲行きはあやしくなり、山頂は雲に覆われ始めていた。
 やっと山頂に着いたのは昼を過ぎていた。ガスに覆われた山頂からは何も見えないが、今までしっかり素晴らしい展望を見ていたので満足だ。ガスの切れ間からペンケトーが見えた。
 昼ご飯を食べて、下って行く。五合目までの登りは異常に長かったが、下りもやはり長く飽きてきた。登山口の阿寒湖には観光のボートが行き来していた。
 10分も走ると今夜の宿「東邦館」に着いた。さっそく源泉掛け流しの風呂に入り、ビールを飲む。料金の割には食事が良く、みんなでゆっくりと語り合いながら食事する。


登山口


太郎湖


エゾトリカブト


六合目付近


色づき始めた木の葉


阿寒湖、フップシ岳、雌阿寒岳、阿寒富士


雌阿寒岳と阿寒富士


雄阿寒岳山頂


イワギキョウ


一輪だけ咲いていたイワウメ


なんだろう?


雄阿寒岳にて


登山口の取水口

タイム:登山口(7:10)→五合目(11:10)→雄阿寒岳(12:40〜55)→登山口(17:10)


22日(晴れ)
 今日も朝から天気がいい。今日は観光日で、フェリーの時間は24時なのでゆっくりと観光ができる。美味しい朝食をいただき、阿寒湖の遊覧船乗り場まで歩き船に乗る。
 空には雲一つなく、青い湖面に浮かぶような雄阿寒岳が美しい。対面には雌阿寒岳が見えているが、この角度からは噴煙は見えなかった。
 船はマリモ展示観察センターがある島に寄り、初めてマリモを見た。山では少しの紅葉が見れたが、下界の紅葉はまだ時間がかかりそうだ。
 阿寒富士に登った日はオンネトーを見てなかったので、湖を回る散策道を歩くことにする。駐車場からは雌阿寒岳と阿寒富士がくっきりと見えている。ここも紅葉すると素敵な場所だ。
 1時間近くかけてゆっくり歩き、キャンプ場がある駐車場で昼食にする。ご主人にオンネトー湯の滝の観光を勧められたので、30分近くかけて歩いて行く。
 今日はのんびり観光のつもりであったが、6kmほど歩くハイキングになった。帰り道に見たオンネトーは、ポスターに映っているような素晴らしい景色だった。
 苫小牧の「苫小牧温泉ほのか」に行き、食事して入浴する。24時近くの船に乗って八戸港に向かう。


阿寒湖と観光船


雄阿寒岳


フップシ岳と雌阿寒岳


雌阿寒岳


マリモ展示観察センターのマリモ


雄阿寒岳


オンネトーから見る雌阿寒岳と阿寒富士


オンネトー湯の滝


オンネトー湯の滝


オンネトーから見る雌阿寒岳と阿寒富士


紅葉するカエデ


阿寒富士


23日
 7時30分に八戸港に着き、家路へと車を走らせる。今までの楽しかった日々、あともう少しで皆ともお別れである。遠出した時はいつも、別れづらくなるのは私だけだろうか。
 雌阿寒岳の噴煙はすごい迫力だった。そして、オンネトー、阿寒湖の景色は素晴らしかった。山を歩けないようになったら、この景色を見る旅行で訪れたい。



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