焼石岳 プレミアムガイド登山
 


2015年6月19日(金)〜20日(土)
 メンバー:Mさん(東京都)、Kさん(神奈川県)、小田中 智
 コース:中沼駐車場〜銀明水避難小屋〜焼石岳 往復

 ハクサンイチゲの大群落をじっくり見たいということで、昨年からご依頼をいただいていた。
 プレミアム登山とは、避難小屋泊やテント泊の場合、寝具や食料・装備をガイドが背負い、お客様は軽い荷物で行動でき、食事の用意もガイドがする企画である。
 料金的には高目の設定であるが、年齢を重ねるごとに体力的にあきらめていた山やコースを、1泊や2泊で歩くことができ、今まで叶えられなかった山やコースをのんびりと歩ける。

19日(曇りのち霧雨)
 娘から父の日のプレゼントに登山用の半そでシャツを買ってもらったので、さっそく身につけて車を走らせる。
 10時半に水沢江刺駅でお迎えし、中沼コース登山口に向かう。昨夜は雨が降ったようだが明日は天気が良い予報で、これから回復に向かう天気だ。
 平日にもかかわらず車は8台ほど止まっており、みな県外ナンバーだ。ハクサンイチゲを目当てに来たのだろう。
 東京から買ってきていただいた弁当をご馳走になり、身支度を整える。今回は22kg程のザックを背負って出発する。
 道脇には大きな葉っぱのミズバショウがあるが散っており、上に行くにしたがい散りかけた真っ白い花が咲いており、中沼からはミズバショウロードのごとく雪解けを待ちながら咲いていた。
 中沼には、4年に一度咲くと言われるコバイケイソウが少しだけ咲いていたが、すでに散りかけていた。一昨年はここに群がるように咲いていた。
 リュウキンカとミズバショウは湿地帯の道脇にずっと咲いており、上にはタムシバと、上と下のお花ロードはとにかく素晴らしい。歩くより立ち止まって写真を撮っている時間の方が長いくらいだ。
 銀明水が近くなり始めると霧雨が降ってきたが、濡れないうちに銀明水に着いた。小屋には先客の2パーティがおり、私たちは2階に陣取る。
 暑いお茶を飲んで、夕食にはまだ早いので軽く昼寝をする。5時を過ぎた頃、夕食の支度を始める。メニューは、ステーキ、キリタンポ鍋、野菜サラダだ。
 ビールとジュースで乾杯し、ご馳走をいただく。ポケットサイズのウイスキーも無くなってしまったので休む。


オオカメノキ


コバイケイソウと中沼


ヒオウギアヤメ


先導するヤマバト


ツバメオモト


ミヤマカラマツ


ミズバショウ


リョウキンカ

タイム:駐車場(12:25)→銀明水避難小屋(15:25)


20日(曇り時々晴れ)
 ゆったりと朝食をすませ、荷物を整理する。またここに戻ってくるので、必要ない荷物は置いてザックを軽くする。
 小屋下から続く雪渓を越えると、またミズバショウが一面に咲いている。雪解とともに咲いたミズバショウは、背丈も手ごろで美しい花を咲かせていた。
 登るごとに花の種類が増え、まだ早いせいか花弁は大きく開いてはいない。帰りにはきっと大きく花弁を開いて待っていてくれることだろう。
 焼石岳が見え始めてくると、ハクサンイチゲの姿が見え始めてきた。昨日の情報では、東焼石岳のハクサンイチゲの大群落は終わっているという。結果を知っていることは、ワクワク感がなくつまらない。
 姥石平では、終りかけたチングルマが群落で咲いており、その他にも数々の花たちが出迎えてくれた。山頂は見えたり隠れたりと雲の流れが忙しいが、景色よりも素晴らしい花に見とれていた。
 山頂への登りでは、イワウメやミヤマダイコンソウが迎えてくれた。山頂はあいにく展望は無かったが、皆いままで見れた花たちに感動していた。
 来るたびに会う長くつのオバチャンとまた会い、みんなで話をする。待っても晴れそうにないので銀明水へと下っていく。
 登る時に見た花たちは、陽の光を浴びてより一層ピンと咲いていた。小屋に上がり昼食のカップそうめんを食べる。このカップそうめんはコープのオリジナル商品で、スープが優しい味で女性に人気のカップ麺である。
 ミズバショウロードをゆっくりゆっくり下り、中沼から急な下りを下ると駐車場に着いた。車に乗ると雨が降り出し、カン一発の天候にありがとうだった。


ミズバショウ


シラネアオイ


サラサドウダン


タカネナナカマド


イワイチョウ


ミヤマキンポウゲ


ハクサンイチゲ


イワカガミ


ハクサンイチゲ


ハクサンイチゲ


ミヤマシオガマ


姥石平と焼石岳


横岳の稜線


ヒナザクラ


泉水沼と焼石岳


チングルマ


ツマトリソウ


ホソバイワベンケイ


ミヤマダイコンソウ


イワウメ


焼石岳山頂


ヒナザクラ


タムシバ


上沼と縦走路の稜線


中沼


娘からの父の日プレゼント

タイム:銀明水小屋(6:10)→姥石平(8:00)→焼石岳(8:45〜9:00)→銀明水小屋(11:10〜12:00)→駐車場(14:25)

 胆沢ダムの奥、つぶ沼から下った所にある公園には、弘法大使が寝たとういう夢枕の大きな岩があり、猿岩も眺めて観光し温泉に向かう。
 やけいし館で汗を流し、水沢江刺駅でお姉さまたちとお別れする。

 今年は2週間ほど花が咲くのが早かったため、残念ながらハクサンイチゲの大群落は見れなかったが、たくさんの花と出会えてゆっくりと焼石岳を味わうことができた。
 焼石岳は、日帰りではゆっくりとお花観賞ができないので、銀明水に泊まりゆっくりとお花見したい山である。8月いっぱいまでは季節に応じた花が群落で咲く。
 また紅葉の時期も素晴らしいので、ゆっくりした日程で焼石岳を味わっていただきたい。
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