7月10日(火) 天候:小雨のち晴れ メンバー:藤原 裕、小田中 智
コース:国見温泉〜横長根〜分岐〜男岳〜阿弥陀池〜横岳〜湯森山〜笊森山〜千沼ヶ原〜平ヶ倉沼〜平ヶ倉沼登
山口
駒ヶ岳はしばらく登っていなく、今年の冬や春に行こうと思いながらも行けないでいた。 せっかく行くからには、千沼ヶ原と歩いたことのない平ヶ倉沼コースをつなげて、お花観賞をしたいと思った。
一人では交通が無理なので、裕ちゃんを誘ったら同行するというので、車を滝ノ上手前の平ヶ倉登山口におくことにする。
4時半に前潟イオン付近で待ち合わせているので、4時過ぎに家を出る。私の車を平ヶ倉登山口に置き、裕ちゃんの車で国見温泉に向かう。
国見温泉の登山口に着くと小雨が降っていた。天気予報では晴れるはずなので、のちの好天を期待しながらカッパを着て歩き出す。
国見温泉登山口
このコースを歩くのは30年ぶりになると思うが、裕ちゃんと2人で歩くのもそのくらい前かも知れない。 さっそくゴゼンタチバナの出迎えを受けながら、昔に比べるときれいに整備され、歩きにくくなった階段状を登って行く。
ゴゼンタチバナ
モミジカラマツ
横長根で一休みし低木の木々をくぐって行くと、サラサドウダンの花弁に雨水を含んだ淡いピンク色が美しい。
マルバシモツケ
ベニバナイチヤクソウ
サラサドウダン
砂礫地帯となり分岐を左に折れると、ポツリポツリとコマクサが咲いている。群落を期待していたが、少し早いようで残念だった。 下って湿地帯に入るとチングルマが咲いていた。散り始めているのもあり、ホケている部分もある。間もなく、一面がチングルマのお花畑があり、半分はホケているが、みごとな群落にしばし息をのみ感動した。
チングルマ
辺り一面に咲くホケたチングルマ
来年は7月1日ころ来よう、その頃はもっと素晴らしいチングルマが見られることだろう。 裕ちゃんにいろいろの種類の花の名前を教わるが、次の花の名前を聞くと前に聞いた名前はすでに忘れていた。 所々には残雪が残っているが、例年に比べ雪解けが早いそうだ。そろそろ霧が上がってもよさそうであるが、いっこうに視界は良くならず頂上での展望を期待する。 数組の登山者とすれ違うが、今日は平日のためかお年寄りが多い。馬ノ背への急な登りとなり、ところどころに咲くエゾツツジの赤紫の花を眺めながら登る。
エゾツツジ
頂上に着いたが、残念ながらガスは晴れてはくれず、記念写真を撮り早々に下る。
男岳山頂
山頂で
阿弥陀池の避難小屋で昼食にし、ゆっくりと休む。裕ちゃんからもらったカップラーメンがおいしかった。 横岳に登ると空が明るくなり、ガスの切れ間から陽が差し始めてきた。
横岳からの下り
ハクサンシャクナゲ
砂礫帯となり焼森がまじかになると、ポツリポツリとコマクサが咲いている。花弁が細長いことから、俗称「ウマズラ」とも呼ばれ、ピンクの花弁が美しい。
焼森
コマクサ
下りでは膝に注意しながら下り、湯森山に着く頃になって駒ヶ岳の全容が見えてきた。遠く岩手山も望まれる。いつもそうであるが、下ると晴れるのには少々腹がたつ。
駒ヶ岳
笊森山から乳頭山
湯森山で車のキーを拾った。たぶん秋田県側の八合目に下った登山者のものであろうが、早く落としたことに気がついて戻ってくることを願って、見えやすい所に置いた。 焼森を下る頃から道脇に咲いているヨツバシオガマは最盛期が終わり散りかけていたが、笊森までの長い単調な道のりを紛らわせてくれるには、充分な美しさだった。
ヨツバシオガマ
宿岩手前の湿地帯にはワタスゲとニッコウキスゲがひっそりと咲いており、ニッコウキスゲはまだ早いようで群落は見当たらない。 長い道のりで笊森山に着くと、天気はすっかり晴れ上がり暑く、岩手山もだいぶ近づいて見えてきた。
湯森山と駒ヶ岳
笊森山から岩手山を望む
乳頭山
千沼ヶ原手前の雪解け水が流れている沢筋には、ヒナザクラとイワカガミが咲いており、池塘と植物が楽しみな千沼ヶ原もまじかである。
ミヤマキンバイ
ウサギギク
千沼ヶ原と岩手山
ヒナザクラ
イワカガミ
池塘の中には何も咲いてはいないが、周りにはワタスゲが点在して咲いており、緑の草地に真っ白い綿のような花弁がひときわ目立っていた。
千沼ヶ原の池塘
ワタスゲ
奥の池塘に行くと、池塘にミツガシワが咲いておりニッコウキスゲも咲いている。天気も良いこんな日に昼寝をして、夜にはツエルトに泊まったらさぞかし気持ちの良いことだろうと思う。
池塘に咲くミツガシワ
池塘と岩手山
ニッコウキスゲ
平ヶ倉コースの始まりはアップダウンの尾根で、尾根の末端まで行くと下方に平ヶ倉沼が樹林帯の中にポツリと見える。
平ヶ倉沼と岩手山
標高が下がってくると虫が現れ、汗をいっぱいかいた体にまとわりついてきてうるさい。急な下りで一気に沼へと下って行くと膝が痛くなってきたので、余計に気を使いながら下って行く。 沼の周りは樹林の中で薄暗く、奥の湖面が夕日に輝き神秘的な魅力ある沼だ。湿地で濡れた道を少し下ると標識があり、道は二分され車を止めてある右へと下って行く。
平ヶ倉沼
サンカヨウの実がたくさんあり、裕ちゃんは果実酒を作ると言って集め出した。私は出来たものをいただくことにする。
サンカヨウの実
美しいブナ林の明るい登山道を下って行くと、やがて登山口に着いた。 今日の行程は久しぶりに、ゆっくりではあったが11時間の行動時間となった。たくさんの花を見物し、初めての登山コースを歩き充実した一日だった。
滝ノ上温泉滝狭荘で汗を流し、サッパリした気分で車を取りに国見温泉に向かった。
タイム:国見温泉登山口(6:35)→横長根(7:25〜35)→男岳あんぶ(9:40)→男岳(10:00〜10)→阿弥陀池避難小屋(10:
20〜40)→横岳(11:00)→湯森山(12:20〜30)→笊森山(13:50〜14:05)→平ヶ倉沼(16:30)→平ヶ倉登山口(17:30) |