七時雨山南峰と北峰
2015年3月4日(水)〜5日(木) メンバー:加藤さん、小松崎さん、櫻田さん(4日のみ)、小田中 智
コース:七時雨山/七時雨温泉先のゲート〜車之走峠〜七時雨山南峰 往復
姫神山/一本杉登山口〜一本杉〜五合目〜姫神山 往復
魅惑的な山名と美しい双耳峰の七時雨山、岩手山との夫婦伝説と美しい山容の姫神山に訪れたいと言われていたので、冬山の時期に企画したら関東からいらしていただくことになった。
今年の岩手は雪が少なく、標高が低い両山はラッセルがないと思っていたら、2月末から雪が降り出してきた。
4日(小雪のち曇り時々晴れ間)
朝起きると久しぶりに10cm弱の積雪があった。5時半に駅前のホテルに迎えに行き七時雨温泉に向かう。昨年秋のオプタテシケ山以来の対面である。
櫻田さんは日帰りなので、西根の道の駅で待ち合わせる。私の車に乗り換えて温泉へと向かう。まだ3月になったばかりであるが、街には今朝積もった雪以外ないが、山に向かうと雪がでてきた。
冬季閉鎖のゲート前に車を止め、身支度をしてワカンを履く。小松崎さんはスノーシューを持ってきたので履いてもらう。
道路には昨日走ったらしいスノーモービルの跡があり、その上に新雪が10cm程積っていた。モービル跡からずれるとワカンでは20cm程潜った。
小雪が降っていたがやがて止み、ま新しい雪景色を眺めながら林道を歩いていく。この林道はゲートから登山口まで4.5km程あり、冬は登山よりも林道歩きの方が時間がかかる。
つづら折れの登りを終えるとスノーモービルの跡は牧場にそれたため、ここからトレースのない歩きとなる。下雪は重くワカンでは膝下まで潜った。
小松崎さんのスノーシューでも20cm程潜ったが、ラッセルをしてみたいというので先を歩いていただく。しかし体重の差か?跡を歩いても10cmはもぐった。
櫻田さんはスパイク長靴のためワカンが外れ、ツボ足で最後尾を歩いてもらう。晴れていれば山容が望めるのであるが、何も見えない。
登山口から一登りして緩やかな登りに出ると、前方に初めて山容が見えた。上空の所々には青空も見え、天気は回復に向かっているみたいだ。
急な登りをラッセル交代しながら登っていくと、登るごとに青空が広がり、太陽の光も射してきた。やがて雪も硬くなったのでステップを刻み、しっかりストックを突いて登っていく。
ほどなく七時雨山南峰の山頂に着いた。風はさほどもなく、さっきまでの青空はどこかに消えていった。周りの山々は見えないが、下方には大きな牧場の風景はかろうじて望めた。
残念ながら北峰を往復する時間がないので、写真を撮って引き返す。櫻田さんは長くつなので時々の潜りが深く、苦労しながら下っていた。
林道を下っていくと、朝には見えなかった七時雨山がうっすらと姿を見せてくれた。日中に走ったスノーモービルが牧場を走った跡があったのでたどると、林道を大分ショートカットできた。
思わぬ林道のラッセルに時間を費やし、10時間の行動時間で、また冬に逆戻りした七時雨登山は終わった。
櫻田さんを西根の道の駅に送り別れ、今夜の宿泊地である「自然休養村 なかやま荘」へ向かう。
かけ流しの源泉の温泉で、ラッセルの疲れをゆっくり癒す。風呂あがりのビールは格別で、食事をしながら山を語る。
ここからスタートする
新雪の林道歩き
トレースなき道をいく小松崎さん
南峰が見えた
ちょっとした樹氷
南峰に向かって
先頭を行く小松崎さん
森林限界まじか
南峰山頂にて
北峰
帰りには全容を見せてくれた
タイム:ゲート(7:15)→登山口(11:15)→七時雨山南峰(13:50〜14:00)→ゲート(17:00)
5日(曇りのち晴れ)
朝食を7時にしてもらい、腹いっぱい食べる。天気は晴れているが風が強く、昨夜は大分強い風が吹いていた。
新雪が10cm程積ったので、道路はテカテカで滑る。一本杉の駐車場はまだ除雪しておらず、20cm程の新雪が積もっており、入口付近に駐車し準備をする。
女性陣はスノーシュー、私はワカンのいでたちで今日もラッセルだ。毎日登るという近くのおじさんはまだ来ていなかった。
真っ白い雪原に陽がさし、岩手山の姿もだいぶ上まで見えている。雪は30cm程潜るが雪は柔らかいのでラッセルも楽であるが、うっすらと残る昨日のトレースをはずすと膝まで潜った。
五合目で一休みし、吹きだまりで深くなった尾根上を歩いていると、おじさんが登ってきた。4,500回登ったという高橋さんであった。そこからは高橋さんが先頭を切って登って行った。
早い早い、間もなく姿が見えなくなった。お嬢様がたは、あまりラッセルをしたことがないというので、昨日に続き交代でラッセルする。
八合目の手前で2人の単独行者が登ってきた。平日にも関わらず姫神山は人気の山みたいだ。アプローチがなく登りやすいからなのだろうか。
九合目になると風が出てきて、視界が悪くなり始めた。山頂はちょっと寒く、周りの景色は見えなかったが、木々に積もった雪がとてもきれいだった。
5年ほど前、足首骨折後のリハビリにこの山に訪れ、こんな雪景色を25年ぶりに見て感動し、再び山にハマってしまった場所である。
下りで単独のおじさんが登ってきた。下りは早いもので、立派な舗装道路状態になったトレースを下って行くと駐車場に着いた。
山は全般的に下ると晴れるようで、今回も下ると青空に上部の雪面が輝く姫神山の山容が見えた。
帰る途中で蕎麦を食べ、盛岡駅でお別れする。今度お会いするのは6月の暑寒別山である。
登山口でポーズ
雪原に輝く太陽
山頂部が雲に隠れている岩手山
五合目からの登り
木々に積もった新雪がきれい
九合目付近
姫神山山頂
帰り際に全容が見えた
タイム:駐車場(9:00)→五合目(10:15)→姫神山(12:20)→登山口(13:35)
関東からお迎えしての七時雨山と姫神山は、山頂からの展望は望めなかったものの、帰りには美しい山容を見せてくれた。
天気予報では晴れ間はなかったが、やはり山は行ってみないとわからないものである。
冬の岩手の山は、どんなふうにじたのであろうか? 関東方面の方々からは、よく東北の山は素晴らしいと言われる。 |