2018年10月2日(火)〜3日(水)
メンバー:Kさん、小田中 智
コース:赤倉沢登山口〜赤倉沢渡渉点〜高松岳分岐〜虎毛山 避難小屋泊 往復
虎毛山(1,434m) 東北百名山
虎毛山は栗駒国定公園のほぼ中央部、秋田と宮城の県境近くに位置している。大きなドーム型の広い山頂には避難小屋が建ち、東南側には高層湿原が緩い傾斜で広がっている。この湿原は特定の植物群落地として保護されており、秋には草紅葉が美しい。
山腹一帯は、ブナや桧などが茂る天然林で、懐が深く、みちのくの神秘性ある山の一つとして、干支の山としても人気がある。
2日(曇り)
北上駅前付近に前泊していただいたので6時にお迎えし、高速道に乗る。天気はまずまずの予報で、紅葉が美しくなっていることを願う。
108号から分かれ林道に入ると赤倉橋の手前で林道が閉鎖になっていた。前に来た時には赤倉沢渡渉点の手前まで入ったのであるが、ここから歩くと1時間ほどのロスにななる。
赤倉橋を渡って間もなく、昨日までの雨のせいで林道を水が流れ、浅瀬の川のようになっていた。そして林道がえぐられているのである。始めは3分の1から始まり、半分、そして全部と林道が寸断されていたのである。
しかし、崩壊個所の上り下りやトラバースにはトラロープが張られており、難なく通過することができた。後で分かったことであるが、9月の台風でこんなに林道が崩壊し、トラロープの整備をしたのは地元の山岳会である湯沢山岳会らしい。このロープがなかったら取り付き口に行くのでさえ危険である。ありがとうございます。
しばらく時間がかかり渡渉点に着くと、あったはずの橋が無くなっていた。川の半分の対岸には流木が渡してあったが、そこに行くまでは川を漕ぐしかない。石を飛びながら渡ったようであるが、昨日までの雨のため増水しており、靴を脱いで川に入るしかないようだ。
靴を脱ぎ靴下を履いたままで川に入ると水は冷たすぎた。靴下は小石などで足を痛めないためで、このような水が冷たいときにも有効である。流木の上にはロープがあるものの滑りそうでバランスが必要なのでそのまま川を渡りきる。
ここからは急勾配の登りが続くので、川を漕ぐことはないが土砂崩れが心配だ。九十九折急坂をゆっくり登っていく。ヒノキ林からブナの大木が出てくると分岐は間もなくだ。
もう15時であるが今夜は山頂の避難小屋に泊まるため急ぐ必要もない。分岐から10分ほど稜線をたどると山頂方面が見えてきた。うっすらと色がついているようにも見えるが、紅葉は期待できそうにもない。
進んでいくと部分的にナナカマドの葉が赤くなっていたり、モミジが黄色ぽかったりと多少の色づきはあったが、さすがに山頂に近づくとモミジが部分的に真っ赤に色づいておりきれいだ。全体が色づいていればモミジロードとして美しかったことだろう。
避難小屋は山頂の三角点のすぐそばに建っており、5年ほど前に建て替えたばかりの新しい小屋である。入口のドアが外れており直すが、またすぐ外れてしまう。建付けが悪いようだ。
1階部分には阪神タイガースのレッテルがたくさん貼ってあり、虎毛山のトラをもじったタイガースファン人気の山のようだ。
2階に上がると銀マットがあり使わせていただく。雨戸が閉まっているため小屋の中が暗いので開けるが、中から開け閉めができる二重式窓の構造になっており便利な作りだ。
汗と雨の水滴で全身濡れ気味なので着替えをして、食事の用意をする。今夜のメニューはホルモン鍋、刺身、サラダ、うどんである。ビールで乾杯しながら鍋で温まる。
林道が川になっていた
ここには木製の橋が架かっていた
分岐の先から山頂方面が見える
山頂はこの奥にある
山頂手前の紅葉
山頂と避難小屋
タイム:登山口車(9:40)→渡渉点(11:45)→分岐(14:50)→山頂小屋(16:35)
3日(曇り)
外は残念ながらガスっていた。うどんと餅の食事を終えて湿原帯を散策に出ると、木道の周りの草はうっすらと色づいていたが、草紅葉というには少し早いようだ。全体的に10日ほど遅い方がちょうど良かったのかもしれない。木道は朝露で濡れて滑るし、ガスで回りは見えないので退散して下山にかかる。
しばらくすると晴れ始め、山頂方面の山並みが朝の日に照らされて輝いていた。いつものことであるが下山していくと晴れるのにはムッとする。急な下りは木の根っこがたくさんあり滑るので慎重に下っていく。
渡渉点の少し手前で倒木のため登山道が分からなくなり少し藪漕ぎする。登りは問題なかったのであるが、下るときに見落としたようだ。
渡渉点で2人パーティと出会ったが、平日でもあり他に登山者とは出会わなかった。
湿原の草紅葉
一番きれいだった紅葉
紅葉と避難小屋
タイム:山頂小屋(7:05)→渡渉点(10:55)→登山口車(12:50) |