晩秋の北八甲田山
 


2015年11月6日(土)〜7日(日)
 メンバー:娘、小田中 智
 コース:酸ヶ湯温泉〜毛無岱〜宮様コース分岐〜赤岳〜大岳鞍部避難小屋〜八甲田大岳〜仙人岱〜酸ヶ湯温泉


 娘と初めてのお泊まり山行が決まった。娘とは昨年から山登りを始め、岩手山、早池峰山、秋田駒ヶ岳、焼石岳を日帰りで登っている。
 今の時期の泊まりで行く山、初めての小屋泊まりで楽しめる所はと悩んだが、手軽に登れて展望も美しい八甲田山に決めた。
 八甲田山は手軽に登って下れるし、避難小屋には石油ストーブがあるので、灯油を持っていくと暖かい山小屋生活ができる。
 娘との登山はあきらめていただけに、今頃になって一緒に登れるとは思ってもいなかった。しかも今回は泊まりなので、とても楽しみだ。

6日(曇りのちガス)
 6時過ぎに家を出て高速道に乗る。黒石ICで高速道を降り、酸ヶ湯温泉に向かう。今日は曇りで、明日は晴れる予報だ。
 酸ヶ湯温泉から娘を先頭にして登って行き、下毛無岱で樹林帯が終わると空には青空が広がっていたが、八甲田大岳は雲に隠れていた。
 娘は荷物を背負うのは初めてであるが、個人装備、炊事用水1L、2人分の行動食を背負ってもらった。私の重量は20kg程で娘のスピードに追いつけなく、待ってもらいながら一緒に歩いて行った。
 下毛無岱から急な階段を上ると、眼下に下毛無岱の池塘が見えた。井戸岳方面は雲に隠れて何も見えないだろうが、時間も早いので宮様分岐に行き、赤岳、井戸岳を回ることにする。
 娘は身軽で足早に先に行くが、39歳も年が違う私は追いつけなかった。稜線手前で昼食にし、稜線は風があるのでカッパを着て進む。
 何も見えないまま赤岳を通過した。今日は仙人岱避難小屋に泊まるつもりだったが、明日は晴れるはずなので今夜は大岳避難小屋に泊まって、明日八甲田大岳に登ることにする。
 小屋で関東から来たおばちゃん2人と話すと、昔にはヨーロッパの山やヒマラヤ8,000mも登ったというスーパーおばちゃん達だった。お湯を沸かして熱いお茶を飲む。
 3階には石油ストーブがあったので、持参した灯油を入れて火をつける。ダウンジャケットとフリースのジャンバーを着てストーブにあたるがまだ寒い。こんなことで冬山はどうするのだろうか?
 椅子に持参したコタツ掛けをかけ、中にガスコンロを入れると簡易コタツができあがった。時間はまだ早いのでシュラフに潜って昼寝する。
 ひと眠りして食事の支度をする。メニューは、水炊き、サラダ、ソーセージ焼きである。ふたたびコタツに入り、ぬくぬくと食事をする。
 娘と二人だけの世界、大して会話は続かないがそれでも楽しい。こんなことが夢だったのだ。18時ではあるが寝ることにする。
 外はガス、明日の好天を祈って薄いシュラフに潜る。娘は冬シュラフに入り暖かそうだ。


酸ヶ湯温泉


下毛無岱の草紅葉


下毛無岱の湿地帯


毛無岱にて


井戸岳

タイム:酸ヶ湯温泉(9:15)→赤倉岳(12:50)→大岳鞍部避難小屋(13:25)


7日(晴れ)
 明け方トイレに起きて外を見ると、気温が低く美しい星空が見えていた。東の空に、三日月の上には木星、下には金星が大きく輝いていたので、娘を起こして一緒に眺めた。とても素敵な星空だった。
 ふたたび眠り5時過ぎに目が覚めたので、八甲田大岳に御来光を見るに出かける。かなり冷え込んで霜が降り、登山道の土や日陰に残った雪はカチカチに凍っていた。
 暗い空は白みをおび、徐々に明るくなっていった。日の出は6時10分であるが、雲が低いため日が出たのは6時25分だった。
 三角形のまだ真っ黒い高田大岳には雲海が広がり、ピークの右脇の雲海の上から、ゆっくりと朝日が昇り始めた。とても素敵で、こんな光景を初めて見る娘も感動していたようだ。
 風が無かったのでもう少し回りを眺めていた。西には勇壮な岩木山が雲海の上に浮かんでいた。南には天辺だけ雲海に浮かんだ岩手山が小さく小さく見えていた。
 日本そばの朝食をすませ、パッキングをし出発の支度をする。再び大岳に登ると登山者が登ってきた。のんびりしすぎて、もうすでに9時を過ぎていたのだ。山頂から見る高田大岳は、雲海に囲まれ更に美しくなっていた。
 仙人岱に下り小屋に行って一休みする。ここの小屋はこじんまりとしていて、石油ストーブがあるので冬に泊まるには最適の小屋だ。
 酸ヶ湯温泉に下って行くと、今日は土曜日でもあり多くの登山者が登ってきた。このコースは急な下りもなく、下りやすいコースだ。
 入浴は谷地温泉に行くと、建物はリニューアルしていたが、風呂は昔の古びた風呂の面影も残っていて、情緒がありとても素敵な温泉である。
 高速道では娘に運転を交代してもらって家路につく。


八甲田大岳から望む御来光


八甲田大岳から望む御来光


井戸岳と赤倉岳


霧氷と八甲田大岳


大岳鞍部避難小屋


井戸岳と赤倉岳


大岳山頂にて


雲に浮かぶ岩木山


雲に浮かぶ高田大岳


下山口


地獄沼と八甲田大岳

タイム:大岳小屋(5:40)→八甲田大岳(6:15〜35)→大岳小屋(6:55〜8:40)→大岳(9:15)→酸ヶ湯温泉(11:30)
 
 
 娘と初めての小屋泊まり、素敵な星空と御来光、雲海と雲海に包まれた高田大岳、娘と初めてのお泊まり山行は、素晴らしさだけを思い出に残して終わった。
 今度は一緒に冬山に登りたい。いつまで付き合ってくれるか分からないが、とても幸せな2日間であった。


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